早くも潜入! 『SATOブリアン』の新店は完全非公開の“大人の秘密基地”だった【予約方法も伝授】

2016年09月02日
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早くも潜入! 『SATOブリアン』の新店は完全非公開の“大人の秘密基地”だった【予約方法も伝授】
Summary
1.スタッフも知らされていない! 住所、電話番号、完全非公開の『SATOブリアンJr.』にいち早く潜入!
2. Jr.ならではの新メニューはこれだ!
3.予約するには「Jr.カード」を手に入れよう! その方法教えます

肉好きさま、ごめんなさい! あの 『SATOブリアン』の新店、『SATOブリアン Jr.』に行ってきた!

この夏、密やかに『SATOブリアン Jr.』がオープンした。いま、肉ラヴァーの間では誰か行ったか、どんな店か、メニューは、店の場所は、と話題騒然である。それもそのはず、予約超超超困難、阿佐ヶ谷の『SATOブリアン』の新店ができたというのに、住所、電話番号ともに完全非公開。レストラン情報サイトへの投稿NG、SNSも場所の特定ができるような写真や言動は一切禁止と、すべてが謎に包まれているのである。なんとその『Jr.』に行くチャンスが訪れた! 羨望の眼差しで刺されそうなので情報公開しようではないか!

いまさら説明不必要だと思うが、『SATOブリアン』は「日本一予約が取れない店」、「肉好きの聖地」などの形容詞がつけられた本当に予約困難な店。昨年、同じ阿佐ヶ谷に『にごう』も出すが、それでもなお追いつかないほどの超人気店。その3号店ができるかもと噂がたったのが今年の初め。いつかいつかと待ちわびていたところに「オープンしたらしいよ」との声が聞こえた。早速、オーナーの佐藤明弘氏に直撃し、なんとか予約が取れたのだった。あまりの素晴らしさに取材をお願いしたところ、場所がわからないようにしてくれるのであればと了承いただいたのである。

さぁ、これが『Jr.』だ!

『Jr.』の場所は約束通り明かすことはできない。看板はもちろん無し。なぜか「佐藤」の表札がある。階段を上がって2階に6人掛けのテーブルが5つ。既存店より広々としており、手前の席は横に並んでいるので12人のグループでも可能。そう、ここはいままで通ってきてくれていた客に仲間と楽しんでもらうための“大人の秘密基地”なのである。3階は個室がひとつだけなので“お忍びさん”の御用達になりそうだ。

既存店と違う点は、
1.基本的にセルフサービスであること
なぜいまさら?と驚くかもしれないが、ここはサトブリのメニューも焼き方も知っている客しかこれないのでセルフでも大丈夫というわけだ。もちろん困った時にはスタッフが助けてくれる。よってドリンクもセルフ。グラスは頭上にあるホルダーから、ワインオープナーもテーブルにセットされている。もちろん水もウォーターサーバーから自分で注ぐ。

2.初の生肉料理がある!
「生肉用食肉取扱」の許可を得たので「ユッケ」や「生ヒレ肉の雲丹巻き」などがメニューに加わった。

3.パスタが初登場!
麺はあの『浅草開化楼』に依頼。試作に試作を重ねてやっと納得のいくものができた。が、まだまだ改良していくと言う。なんのパスタか? もちろんミートソースである。タン、ハラミ、赤身、ヒレの耳などを挽いて作るトマトベースのオリジナルソースで、味の決め手はあのサトブリ特製スパイス!

4.九州和牛だけではない! 全国のおいしい肉を佐藤氏が厳選
松阪、佐賀、鳥取、鹿児島、宮崎などなど、佐藤氏が自ら買い付けした肉が登場する。

5.予約できるのは「Jr.カード」を持つ310人とその仲間のみ
前述したように既存店に通っている客のための店なので、佐藤氏からカードを渡された者のみが裏に書かれているメアドと携帯番号から予約ができる。もちろんその仲間も来店可能なのだが、既存店に行ったことがない人と、佐藤氏が面識のない同業者はNGである。セルフということもあるが、『Jr.』は少し遊びココロのある店。まずは『本店』と『にごう』で佐藤氏が大切に守ってきたサトブリの味を知ってもらいたいという気持ちの表れでもある。何事にも基本は大事、というわけだ。

料理の流れは…、(日によって変動あり)
1) 冷奴の肉味噌かけ(肉味噌が悶絶級にうまい!)
2) タンシチュー
3) 韓国サラダ
4) 厚切りタン
5) 生ヒレ肉の雲丹巻き(たまにキャビアがのることも)
6) 本日の肉(鹿児島のサーロイン、宮崎のイチボ、松阪のカイノミ)
7) ヒレすき&ヒレすき飯
8) ハラミ
9) 甘い甘いフルーツトマト
10) シャトーブリアン&ブリ飯
11) ブリかつ(パンはル シュクレ クール)
12) ミートソース
13) 追加でユッケ
14) デザート
相変わらずの太っ腹なメニューである。これに12種類のスパークリング含むワインとハイボールの飲み放題がついて14,000円。なんと破格なのであろうか。
ワインは高円寺のミナトワインインポートとのコラボレーション。SATOブリアンの肉を熟知した小林義明社長と選んだワインはどれも肉にあう。その中でも佐藤氏のお気に入りはニュージーランドの「マチュア ソーヴィニョン・ブラン(白ワイン)」と、同じく「マチュア ピノ・ノワール(赤ワイン)」だ。特に白は口あたりもよくクイクイいってしまうそう。

伝授します! Jr.カードを手にするには?

さて、こんなに夢のような“大人の秘密基地”の全貌を知った以上、行きたいと思うのは当然のことであろう。しかしながら、何度も言うように完全非公開。スタッフに住所を訊いたが本当に誰も知らなかった。ではどうやって予約を取ればよいか。まず自力でなんとかしようとするならば、とにかく『本店』か『にごう』に通うこと。そして佐藤氏と仲良くなるしかない。そのためには顔と名前を覚えてもらうことも必要だ。帰る時に必ず見送ってくれる佐藤氏と一緒に写真を撮るのもひとつの手かもしれない。その時に「○回目です」とか「また来ます」など、何かしら話すのが良いと思われる。他力本願の場合は、Jr.カードを持つ人と友達になるしかない。ただしサトブリ未経験者はたとえJr.カード保持者と一緒でも『Jr.』には行けないので注意が必要。そのためにもまずは既存店に行っておこう。健闘を祈る。

『SATOブリアン』の人気の秘密は肉だけではない。米、卵、パンにもものすごいこだわりがある。米は新潟かやもり農園のコシヒカリ「伝」。300年以上続く良質の土壌で取れた米はひと粒ひと粒が立ちもちもちふっくら。少し固めに炊きタレの染み込んだ肉をのせれば、これだけで3杯はいける。

卵は福岡県糸島、緑の農園の「つまんでご卵(らん)」。平飼いのニワトリから生まれるおいしくて安全な卵で、その名のとおり黄身をつまんで持ち上げられる。ヒレで包んでつぶせば、まったりと濃厚な黄身がまとわりつく。想像をはるかに超える極上の味だ。

「ブリかつ」に使っているのは開店前から行列ができ、常に1時間以上待ちの大阪『ル シュクレクール』とのコラボパン。とけるシャトーブリアンにあわせたパンもまたとける。ほんのり胚芽の甘みを感じ、これはもう“飲みもの”である。
今度はこれに浅草開化楼の麺が加わったわけだ。こうやっておいしさの輪が広がっていく『SATOブリアン』。どうやら10月頃に何やら新しいことが始まるらしい。ますます訪れる楽しみが増える店である!

『SATOブリアン』とは? 佐藤明弘オーナーに訊く

意外に知られていないかもしれないので『SATOブリアン』とはどういう店なのかを説明しておこう。佐藤氏の飲食の道は21歳の焼鳥屋からスタートした。店長となったが27歳で焼肉屋へ転職。下積みから始めたにもかかわらず半年で幹部に昇格する。それからは店舗立ち上げやプロデュース業が中心となった。しかしここでの経験がいまに繋がるのである。当時まだ知られていなかった九州和牛を仕入れるため連絡した翌日に博多へ飛んだ。その行動力と情熱で買い付けルートを確保できることになると、次は信用を無くさぬよう努力し続けた。2011年に独立、九州和牛という看板を掲げシャトーブリアンにこだわった『SATOブリアン』をオープン。

「在庫を抱えていても良い肉が入ったと連絡が来れば断ったことは一度もありません。とにかく売ればいいと思っていました。原価率めちゃくちゃ高かったですけどね」と笑って話す。そんな佐藤氏だから和牛の供給が難しい時でも卸業者が優先して送ってくれた。いまでもその関係は変わらず続いている。
どうしてシャトーブリアンだったのかを訊いてみた。すると、「肉でどんなことをやろうか常に考えていました」と佐藤氏。10年前は焼肉屋でシャトーブリアンを出すなんて稀だったが、1頭買いしていた店ではそれが可能だった。そこに目をつけ早速メニューに加える。しかも高級感を出すためにスタッフが焼くというスタイルで。するとこれが大当たり。「実はハワイの『焼肉ひろし』さんで体験していいなぁと思ったんです。肉のおいしさが全然違ったんですよ。勤めていた店は大きかったのでシャトーブリアンしか焼けなかったのですが、自分の店では全部焼こうと決めていました」と佐藤氏は語る。この時に自身の店の構想ができあがったのである。

開店当初は冗談みたいな店名だと笑う客もいた。シャトーブリアンを知らない人も多く、高いと怒られたこともしばしば。売上もいまの1/5程度だったと言う。経営的にはかなりきつかったが、ここが踏ん張りどころとシャトーブリアンの価値を地道に伝え続けた結果、口コミで店の評判が徐々に上がり、いまでは店名を笑うどころか羨望の的である。「ずっと肉のことだけを考えています。昔もいまもこれからも」と佐藤氏。だからこそ店舗が増えても予約困難なのだろう。


(メニュー)
飲み放題付きおまかせコース/14,000円
ザ・プレミアムモルツ 香るエール(生中)/650円
生搾りレモンサワー/600円
ピーター・レーマン リースリング(ボトル)/4,500円
レ・クーポレ・ディ・トリノーロ 2013年(ボトル)/8,500円
※価格全て税込

SATOブリアン Jr.

住所
非公開
営業時間
17:00〜23:30(L.O.23:00)
定休日
定休日 不定休

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。