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野瀬 泰申
日本経済新聞
編集委員
野瀬 泰申
野瀬 泰申日経新聞Web版で食に関する連載(「食べ物新日本奇行」)や、様々な場所で食に携わる仕事をしているので、外食が当たり前の生活です。でもそんな生活だからこそ、僕は本当に美味しい食べ物というのは、日常の食生活の中にあるのではないか、と思います。「月に1度は高いレストランに行って美味しいものを食べようよ」なんて食生活は寂しいじゃないですか。僕が美味しいな、って思う飲食店はどこも大衆食堂みたいに日常の食の延長上にあるお店ばかりですね。
九州男児の辞書に「味噌ラーメン」は無し!
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味噌ラーメン
僕は九州・久留米出身で、大学の時に初めて東京に来ました。東京に来た時、とんこつラーメン以外のラーメンがこの世にあるということを思ってもいませんでしたので、友達に「味噌ラーメンを食べに行こう」って言われた時は、「なんで味噌汁の中にラーメンをいれなきゃいけないんだ!」って本気で思いました(笑)。この体験を通して、地域によって食文化に違いがあるということを漠然と感じました。いや、日本は広いなぁ。

初握り寿司体験@東京
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10円寿司
忘れられない食の思い出の一つに東京で初めて食べた立ち食いの握り寿司があります。僕が学生だった30年ぐらい前は、今時の人たちと比べて学生は大概貧乏でした。でも、ある日、10円から寿司が食べられる店があると友人が教えてくれ、その店に行ってみたのです。店の名前は「10円寿司」。今は町の再開発で無くなってしまいましたが、当時、大井町駅近くにありました。ちなみに九州で僕は握り寿司を食べた経験がなく、食べたいネタを注文して握ってくれる寿司は初めてだったので、食べながら一体会計はいくらになるのだろうかと、ポケットの中の小銭をチャリンチャリンと確認しながら緊張して食べましたね(笑)。果たしてマグロを食べて大丈夫なんだろうか・・・そんな不安一杯の中で寿司を食べ、最後におあいそをお願いしても、板さんは独特な言い回しでしか答えてくれないし、お金を払い終わるまで終始ドキドキしてました。いやー、怖かった。
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プロフィール
野瀬 泰申
日本経済新聞編集委員
野瀬 泰申
1951年福岡県生まれ。日本経済新聞編集委員。
大阪でソースをかけた天ぷらを食べる人々の姿を見て、「食の方言」に関心を抱く。以来10年余、全国の食品サンプルを観察し続けている。著書に『秘伝「たこ焼きの踊り食い」』、『食品サンプル観察学序説』、『眼で食べる日本人−食品サンプルはこうして生まれた』、『全日本「食の方言」地図』。編著に『偏食アカデミー』など。
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全日本「食の方言」地図
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