【神戸】No.1エビフライ、オノセスペシャル
【連載】クレイジーケンバンド小野瀬雅生の想う店・想う味 第4回 クレイジーケンバンドのギターにして、その食情報の確かさで多くのグルメなファンも持つ、小野瀬雅生さん。彼の愛する店、どうしても食べたくなる料理を教えていただく。
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- ・関西の洋食好きが足を運ぶ店
・小野瀬さんのスペシャルオーダー
・メニューにない逸品
昔のエビフライ
昔の海老フライは小さかったです。外食で海老フライなんて高嶺の花。選択肢に入ることすらありませんでした。ですので海老フライは家で食べるモノと決まっておりました。それも冷凍食品。トレイに同じ大きさでキレイに並んでいるのを家で揚げる。その時点ではまあそれなりの大きさだったのが揚げますと少しシェイプアップされて細くなります。これは揚げ手(当時の我が家の揚げ物は父親の担当)の腕とかは関係なくそうなってしまうのですよね。
その小さくて細いのにソースをたっぷりかけて兄弟割り当て規定数の3本か4本を愛おしみながら戴くのです。割り当てを厳守しない場合は兄弟間に泥沼の紛争が待ち受けております。時折わざと紛争になるように仕掛ける事もありましたが、それこそが男兄弟の妙と云うか馬鹿さ加減と云うかこれは仕方がない。そして忘れた頃に「こないだ兄貴の方が多く食べた」と云う理不尽な声明と共に報復戦が突発する。「確かに海老フライは多く食べたが、その分は鶏のから揚げの割り当てを増やす事で解決済みだ」と云う当方の主張と「これは海老フライだけの問題である」との返答とで事態は平行線を辿る。解決の見込みがないまま時だけが過ぎて行く。
国際紛争も実はそんな幼稚な経緯で起きているのではないかと思うのですがここでそんな大風呂敷を広げるつもりは御座いません。
そう云えばトンカツやカキフライやから揚げや天ぷらではこの紛争は起きなかったな。海老フライだけが何故かこうした争議を起こしがちだったのはやはり「海老フライ=御馳走・高級」と云う兄弟間の共通認識があったからなのでしょう。タルタルソースなんて気の利いたモノは存在しておりませんで勿論有名メーカーの中濃ソースを使用。ソースの味でブーストして海老フライを楽しむ。
それにしても男兄弟3人で1食に付き5〜7合のご飯が消費される食卓にあの小さな海老フライが一人数本だけとは何としても役不足と云うか不釣り合いだったと思うのですが、それでもやはり海老フライは食卓にたまに現れては物議を引き起こすのでした。ちなみに両親の海老フライ割り当て量はゼロだったと記憶しております。
神戸・新開地の名店
大人になって大きな海老フライに巡り逢い、そして楽しむ事が出来るようになりました。私のナンバーワン海老フライは神戸新開地『グリル一平 新開地本店』の有頭海老のフライです。これだけ立派で美しい海老フライにはそうそうお目にかかれるものではありません。ルックスだけでなく歯応えプリップリで旨味たっぷりで本当にウマイ。そして私はこの海老フライを、マカロニ・イタリアンと云うこれまた私の大のお気に入りの別メニューの上に一匹載せてもらって贅沢をさせてもらっています。
この取り合わせはメニューには載っていませんがオノセスペシャルとオーダーしてくだされば快く作ってもらえます。アツアツの鉄板の上でレッドソースを纏ったマカロニがじうじう云っている上に、特に何事もなかったように鎮座している海老フライ。
こちらのオーナーシェフ山本さんと先日ゆっくりお話させて戴く機会がありました。「いくら小野瀬さんの頼みでもマカロニにハンバーグだったら載せませんでした。味が干渉し合っちゃうので。海老フライはただ載るだけなのでさせてもらいました」と伺いました。細やかな心遣いと丁寧さと、意外なフレキシブルさ。私が子供の頃に憧れた外食がここにあります。これからもずっとずっとヨロシクお願いします。美味しかったです! 御馳走様でした!
グリル一平 新開地本店
- 電話番号
- 078-575-2073
- 営業時間
-
11:30~21:00
定休日:定休日 木曜・第3水曜、祝日時は水曜振替
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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