京都、老舗喫茶から、濃厚ラーメン、フレンチシェフのカレーまで
【連載】観光的、ではない京都人の日常メシ1泊5食巡り 京都市内中心部に住み日本中のグルメを知り尽くし、メディアに引っ張りだこの賢人・門上武司さん。あらゆるガイド本で扱われるこの街にもまだまだ穴場、しかも日常価格で楽しめる店がある。京都に1泊したらそんな店をフルコースでめぐりたい。1泊の京都で5回も味わえる、「知らない京都人の日常メシ」とは?
- レストラン
- カレー
- ラーメン
- 京都
- 連載
- 串揚げ・串カツ
はてぶ - LINE
- Summary
- ・フレンチ出身のシェフによるカレー
・梅小路で「濃い」ラーメン
・老舗の風格漂う喫茶店
・肉ビストロ出身のシェフによる洋食
・最後は創作串揚げで〆る
カレーライスは定期的に食べたくなるメニューである。カレーと白ご飯と書いただけで、何軒かの店が脳裏を駆け巡る。それもスパイス系か洋食系か、または日本のだしのきいたカレーかと想像はふくらむばかりだ。
甘さと辛さ、そして旨みのバランスが素晴らしいカレー
洋食系のカレーで、すぐに頭に浮かぶのは木屋町四条近くの「イグレック」という店だ。オーナーシェフの阿曽良樹さんはフレンチ出身。「カレー粉はバランスが完璧なので、私がやることはスープとバターとチャツネを入れるだけ」だと謙遜するが、その味わいの繊細さはさすがフレンチ出身だけのことはある。旬の野菜をたっぷりカレーの上にトッピングした野菜カレーが人気だが、もうひとつ食べておきたいのが小エビカレー。スープ旨みがしっかりとカレーの中に溶け込んでいて、さっぱりとしつつ奥行きのある味わいだ。小エビのプチッとした食感も楽しく、甘みとスパイシーな辛みがいいバランスを保っているところがおススメな理由である。
夜は、ワインに合う軽い一品が揃うので使い勝手のよさも魅力だ。関西におけるフランス料理の歩みなど情報通なので、京都の食事情が聞けるのもうれしい。
京都 イグレック Yoshiki カレー
- 電話番号
- 075-223-0525
- 営業時間
-
11:30~14:00、16:30~23:00
定休日:定休日 月曜(祝日の場合は営業)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
魚介系スープの人気店
最近話題となりつつある梅小路界隈に、のれんを掲げている「拳(こぶし)ラーメン」に向かう。ここは魚介系スープで名高い。「いろいろな魚が手に入りやすいと思って、中央市場が近いこの場所を選びました」と店主の山内健吾さん。この日は「濃」拳ラーメンを選んだ。
「旬の魚介のダシをベースに濃口醤油で仕上げたスープ、麺は平打麺です」とも。ふっと魚介の香りが鼻腔をくすぐってくれる。しかし、口に含むとそれは和らぎ、醤油のうま味をしっかり感じる。チャーシューもとろけるというのではなく、むしろ噛み心地を重視し、そこから滲み出る味わいが食べるリズムを生み出す。
このラーメンは必食なのだが、「濃Basic」はナルトが乗っているだけという潔い一杯。これはスープの風味と麺の合体を楽しむにはおススメである。オマールエビの頭から採ったダシを使った「石焼オマール味噌つけ麺」も味わっておきたい逸品だ。
拳ラーメン
- 電話番号
- 075-351-3608
- 営業時間
-
11:30~14:30、18:00~22:00
定休日:定休日 水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
京都随一の名店でいただくモーニング
河原町三条下ルの「六曜社」というコーヒー店での朝食。ここは1階と地下があり、1階は「六曜社珈琲店」、地下は「COFFEE&BARろくよーしゃ地下店」となっている。モーニングは1階で8時半から11時半までの提供だ。この店は私の兄が学生時代常連客だったので、連れてきてもらったのは確か40年近くも前のこと。中学生であった。いまは店主・奥野修さんが地下の店で自家焙煎を行い、1階はその息子さんの薫平さんが担当である。
モーニングにはコーヒーとトマトジュース、トースト、ゆで卵が付く。コーヒーは香ばしく、喉をすっと通ってゆく。このセットにはウエットティッシュが添えられてあり、ゆで卵の殻を外したり、トーストで汚れた指先を拭くのに便利。そんな、ちょっとした心遣いが嬉しい。トーストのカリッとした焼き具合、ゆで卵の茹で加減も申し分ない。
六曜社珈琲店
- 電話番号
- 075-221-3820
- 営業時間
-
8:30~22:30(閉店)、地下は12:00~23:30(閉店)
定休日:定休日 水曜(1月1日休)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
話題の洋食店がここ!
ランチでおすすめなのが「洋食おがた」。シェフの緒方博行さんは長年「ビストロ セプト」でシェフを勤めた人物。ランチセット中なら「洋食おがた特製ハンバーグ」や「山形県米沢ポークのトンテキ」がイチ押し。どちらもボリュームしっかりで、トンテキは約200gあるとのこと。1,800円という価格でサラダ、オニオンスープ、メイン、コーヒーがつく。米沢ポークの脂身の甘みとデミグラスソースの出逢いに白いご飯が進むこと。
ハンバーグも前の店から定評のあるメニューで安心の一品となっていた。いまパリの星付きレストランでも話題となっている宮崎県の尾崎牛がここでも存分に使われており、「尾崎さんとは長い付き合いですから」と緒方さんは自信を持って話す。勢いがあり、これからがとても楽しみな一軒だが、同時に予約が取りにくくなりそうな予感がする。
洋食おがた
- 電話番号
- 075-223-2230
- 営業時間
-
11:30~14:30、17:30~22:00
定休日:定休日 月曜、月一回不定休有
- 公式サイト
- 公式ページhttps://www.facebook.com/%E6%B4%8B%E9%A3%9F-%E3%81%8A%E3%81%8C%E3%81%9F-1516729548645661/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
わざわざ北大路まで行きたい串揚げ
北大路にある「串揚げtoshico」。店内はカウンターと個室がある。カウンター内にはなんとターンテーブルが置かれ、シェフ・楠和範さんが音楽好きなことが分かる。
楠さんの動きはじつに無駄がなく、スピーディかつ念入りである。規則正しく、そして食べる側との適度なコミュニケーションを重ねてゆく。
海老から始まるコースは、黒毛和牛のフィレや天然舞茸など素材をストレートに揚げる串から、秋刀魚とパクチーはおろしポン酢で、鴨と九条ねぎはトリュフオイルとトリュフマスタードでなど創意工夫のあとがみられるものまであり、バリエーション豊かで楽しい。これらの創作がかなり見事でおススメの串揚げ屋である。
※門上武司さんのスペシャルな記事『恥をかきたくない人のためのオトナの京都の遊び方【うつわ編】~何度通っても常連になれない貴方のために~』はこちら
串揚げ toshico
- 電話番号
- 075-724-1045
- 営業時間
-
17:00~22:00((L.O.))
定休日:毎週木曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
はてぶ - LINE