日本における自然派ワインの草分け的シェフと日本ワインの最高峰
【連載】東京・最先端のワインのはなし verre8 ヴァンナチュール。自然派ワインとも訳されるこのワインは、これまでのスノッブな価値観にとらわれない、体が美味しいと喜ぶワイン。そんなワインを最先端の11人が紹介する。
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- Summary
- ・手に入れたくても即完売の日本ワイン
・自然派黎明期を知る飯田橋のフレンチ
・まだ完全にナチュラルな造りになる直前のヴィンテージ
ブラインドでは判別不可能?世界と渡り合える本格的なナチュラル日本ワイン。
BEAU PAYSAGE TSUGANE Chadonay2002(ボー・ペイサージュ ツガネ シャルドネ)
<宗像さん>
私は、フランスでの修業時代、師事していた故パスカル・サンタイエ(Pascal Santailler)シェフにエチケットを貼る前のマルセル・ラピエールのボージョレ・ヌーヴォー90年を飲ませてもらったのが一番最初のことです。マルセル・ラピエールなんて造り手の名前は知らないし、ヴァンナチュールなんて名前もない時代。パスカルシェフの家に住んでいたので、ワインといえば、ナチュールしか飲ませてもらってなかったですね。
シェフについて生産者のもとをまわり、「ドメーヌ・グラムノン」や「ピエール・オヴェルノワ」「ダール・エ・リボ」などといった生産者のもとに行きましたね。
95年に日本に帰国、2003年にこちらに店を開いてからもずっとヴァンナチュールを扱い続けています。
ボー・ペイザージュとの出逢いは、いま麹町で「Rossi」という店を営む岡谷幸雄シェフの紹介です。その頃は日本のワインには興味がなかったので、皆が「ピノ・ノワールがすごい」という話をしていても、「すごいと言っても大したことないだろう」と思っていたんです。それで飲んでみたらやばいな、と。岡谷さんがボー・ペイザージュの岡本英史さんを連れて来てくれたことをきっかけに、2005年から2006年にかけて、収穫の時以外、ほぼ毎月通うようになったんです。畑仕事を手伝ったり、畑の虫取りをしたり。時季によって虫の種類が違うんですが、そんな地味な作業を一日中やってましたね。
ちょうど、この2006年あたりがボー・ペイザージュにとって一番の変革時で、その前、2004、2005年あたりはまだ酸化防止剤も入っていたんですが、ナチュラルな造りに行こうかなとしていたんです。畑に植わっているのは、メルロとカベルネ・ソーヴィニヨンがメインだったんですが、正直そっちは美味しいと思わなかったです。
今日紹介するのは、津金にある畑のシャルドネで、2002年ヴィンテージですから当時はまだ畑が狭く、収穫量も少なかったから小さな瓶375mlに入れていたんです。
今とは違い、酸化防止剤が入っているから、その当時飲んでみたときはちょっと美味しいとは感じなかった。けれど、寝かせると岡本さんのワインらしい、何か感じさせるものがあるんです。今はもうかなり熟成が進んでいます。最近のヴィンテージは酸化防止剤を入れないサンスフルと呼ばれるタイプなので酸化熟成していますが、これは違ってて、いわゆる熟成したシャルドネ。すっきり、こなれて良くなってきています。香りはハーブのようなニュアンスもあるし、(ブルゴーニュの銘醸地)マコンぽい。
いまは方針が変わってやりかたが違うけれど、当時は選果しているので、一粒も悪いものは入ってないですね。リリース直後は凝縮感が強すぎたけれと、10年経って良くなっています。味はムルソーのようなミネラルを感じさせる、硬質なワインです。
いま飲むにはちょうど良いかも知れませんね。
<価格>
ボトル 7,350円
メリメロ
- 電話番号
- 03-3263-3239
- 営業時間
-
11:30~14:00(L.O.)、18:00~22:30(L.O.)、土曜は12:00~15:00(L.O.)、17:00~22:00(L.O.)
定休日:定休日 日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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