クレイジーケンバンド小野瀬さんが今年最高だった塊肉の店の〆

私の今年のベストなひと皿は、皿でなく椀。卵かけご飯です。今までに何度も伺って美味しいお肉を満喫しております。こちらで締めに登場するのが卵かけご飯またはカレーライス。私は子供の頃から偏食が激しく、あれが食べられないこれが嫌いのオンパレードでした。幼稚園から小学校低学年にかけてはご飯と海苔と醤油だけあればイイと思っていたくらいです。それが年齢を重ねるうちにどんどんと偏食を克服してきて、気がつけば誰よりも好き嫌いが少ない人間へと到達しました。その好き嫌いの最後の砦と云うかラスボスと云うか、それが卵かけご飯でした。

本当はゆで玉子が最大の敵と思っていたのですが、昨年辺りにあっけなく克服。残るは卵かけご飯。でも自分の人生に卵かけご飯は無くてもイイかとも思っておりました。これまで吉祥寺『肉山』の締めも迷うことなくカレーライスであったのですが、昨年のある時そのカレーに生卵を落としてもらったのです。その美味しさは私の卵、特に生卵に対する思い込みをぽんと弾けるように変えたのです。

私が生卵を嫌いだった原因は食感と匂い。それがカレーの効果もあったのでしょうが全く気にならなかった。次回「肉山」訪問の際は卵かけご飯にチャレンジしてみようと思っていたのです。そして今年の夏にそのチャレンジ達成。

美味しい肉をたっぷりと堪能した締めに卵かけご飯。これがなんと。ウマウマウー！ やばっ。何だコレ。食べられた、と云う次元ではなく、本気でこれはウマイと思った。

私が卵かけご飯で気になっていたのが醤油の存在。今までに何度も「この卵かけご飯はウマイよ」と云われ味見をさせてもらった事がありました。ご飯も醤油も好きです。でもそこに卵が参加した時に醤油が何だか不釣り合いなような気がしたのです。
そして「肉山」の卵かけご飯。醤油不使用。塩と胡麻油のみの味付け。塩と胡麻油。塩と胡麻油。何度でも繰り返そう塩と胡麻油。これが私の卵かけご飯の概念を完全に変えました。シンプルなものをよりシンプルに戴くシアワセ。
ご飯と卵の組み合わせがこんなに味わい深いのか。卵ってイイ匂いがするんだ。ウマーイ。ノックアウトです。卵かけご飯がランキング外から一気にトップテン入りの快挙。卵かけご飯のある人生の方の人間になれました。美味しかったです！ 御馳走様でした！