京都のハズさない歩き方。とろ~りなフレンチトーストから老舗・三嶋亭のすき焼きまで!
【連載】観光的、ではない京都人の日常メシ1泊5食巡り 京都市内中心部に住み日本中のグルメを知り尽くし、メディアに引っ張りだこの賢人・門上武司さん。あらゆるガイド本で扱われるこの街にもまだまだ穴場、しかも日常価格で楽しめる店がある。京都に1泊したらそんな店をフルコースでめぐりたい。1泊の京都で5回も味わえる、「知らない京都人の日常メシ」とは?
- レストラン
- カフェ・パン・スイーツ
- イタリアン
- コーヒー
- 京都
- 和食
- 連載
はてぶ - LINE
- Summary
- 1.いまお薦めしたい割烹二選
2.個性的なイタリアンとコーヒー
3.一度は食べておきたい老舗のすき焼き
春の京都は観光シーズン真っ盛りである。これから桜の季節に向け、京都を訪れる人達は増えるばかりだ。今回の京都の旅は、いま京都で外せない5軒のラインナップとなった。
本格イタリアンなのに、名物はたらスパ?
まずは河原町丸太町に近い『イタリア食堂 コロンボ』である。
じつはここの名物はタラコのスパゲッティ。
メニュー名だけを見ると和風な感じを受けるが、これが見事なイタリアンの一皿になっている。
けれど他にもオススメが多くて、いつも迷いがちだ。
今回はあえてタラコのスパゲッティを外し、前菜の盛り合わせと、春らしいパスタを選んだ。
前菜の盛り合わせは、人参とオレンジ、帆立、生ハム、パプリカとモッツァレラ、レバーペーストなどボリュームたっぷりなのが嬉しい。
パスタは喜多方産ホワイトアスパラ入りカルボナーラとホタルイカ・新物青のり・ブロッコリーのスパゲッティ。
カルボナーラはホワイトアスパラの甘みと軽やかな苦味が炸裂、カルボナーラに新たな発見をプレゼントしていた。
ホタルイカのコクとブロッコリーの苦味が生み出すハーモニーも春そのものである。
ドルチェでティラミスとエスプレッソを追加してはどうだろう?
おまかせ前菜盛り合わせ+パスタにパンで2,600円という夜のセットメニューもあり、お値打ち。
日常遣いとしておすすめの一軒だ。
イタリア食堂 コロンボ
- 電話番号
- 075-241-0032
- 営業時間
-
12:00~L.O.14:30、18:00~L.O.21:00
定休日:定休日 水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
京都の中心に新しく生まれた割烹
続いて昨年秋に暖簾を掲げた『富小路 やま岸』という割烹である。富小路六角下がるという市中ど真ん中だ。スキっとしたカウンターに腰を下ろす。
杉八寸には飯蛸とこごみのゴマ和えと、海のモノと山のモノが揃う。椀物は蟹真薯。
そこの季節の筍が入る。去りゆく冬と来る春が同居するのだ。
出合いものという言葉を思い出す。シンプルな海老芋の含め煮が続く。素材の実力を知るに最適なプレゼンテーションだ。ここは途中で寿司が挟まれる。
帆立、マグロ、ウニ。ウニの大胆なスタイル。手巻きのアレンジ版だが、これほど贅沢なウニの食べ方は貴重だ。
締めの白ご飯がいい。炊きたてというか煮えばなをまず口にする。水分はやや多いが甘みが直線的に届く。
二膳目は水気が抜けご飯を食べているという実感がわく。
うれしいのはご飯の供の充実である。明太子、なめこ、じゃこ。これでご飯がすすむ。
最後までテンションが落ちることなく楽しめた。季節が変わればまた訪れたい。
富小路 やま岸
- 電話番号
- 075-708-7865
- 営業時間
-
18:00~24:00
定休日:定休日 火曜、第2・4水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
フレンチトーストに惹かれて
京都の街には個性的なコーヒー店が多い。御池通間之町上がるの『さんさか』もその仲間である。店内の本棚が魅力的だ。食べものやファッション好きには響くラインナップ。店主はかつてメンズショップに勤めていた経験があるという。
ここではやや深煎りの抽出量が少ないコーヒーを選ぶのだが、ときおりフレンチトーストが無性に食べたくなる時がある。
「昨日漬けたときは、パンがひたひたになるぐらいミルクがあったのですが、これだけ吸っています」と見せてくれた。本当に半量ぐらいに減っている。つまりそれがパンに含まれているということ。
バニラアイスクリームが添えられている。ナイフを入れると液体が流れ出るのだ。
まさにリッチなフレンチトーストで、すっかり虜になってしまった。研究熱心という言葉が似合う店主であり、それが店の個性となっている。
さんさか
- 電話番号
- 075-241-2710
- 営業時間
-
9:00~18:00
定休日: 定休日 木曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
京風すき焼きの焼き方を知る
京都ですき焼きといえば『三嶋亭』という印象が強い。三条通寺町角。創業明治6年という文明開化の香りをいまなお感じることができる貴重な老舗だ。
ここは仲居さんがすき焼きを焼いてくれるスタイル。鍋に上白糖を敷き、そこに牛肉を置き、割り下を注ぐ。
砂糖の焦げた香ばしさと甘みが牛肉の味わいをぐっと深めてくれる。二枚目からは牛肉の上に上白糖と割り下という順番になる。その牛肉のエキスをしっかり野菜に移すように焼く。食べ方のバリエーションとして牛肉と三つ葉の組合せも楽しめる。
すき焼きの醍醐味を味わうには最適な一軒で、火の入れ方や割り下の具合など、これがスタンダードなのだとわかる。
三嶋亭
- 電話番号
- 075-221-0003
- 営業時間
-
11:30~22:00入店
定休日:定休日 原則として水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
「祇園 さヽ木」から生まれた割烹
祇園の『楽味』では本来の割烹が持つ、お好みで食材を選ぶことができる。カウンターの上に食材が次々と置かれ、料理人と言葉を交わしながら献立を決めてゆく楽しみがある。
ここは食材を直接炭の上に乗せて焼くという手法を使う。一瞬にして香ばしさを得ることができる。この日は帆立を焼き、海苔で巻く磯辺焼きとした。海苔の香りと帆立の香ばしさ、甘みが一体となった味わいに思わず笑みがこぼれた。
「すっぽんの唐揚げもいけます」とのすすめには迷いもなく従う。下味をつけたすっぽんのコクはクセになる。締めは鯖にゅうめんという滋賀の郷土料理。こんな自由自在な料理を楽しめるのは、貴重な存在である。
今回も京都の懐に飛び込んだようなセレクションになったはずだ。
※門上武司さんのスペシャルな記事『恥をかきたくない人のためのオトナの京都の遊び方【うつわ編】~何度通っても常連になれない貴方のために~』はこちら
祇園 楽味 (ギオン ラクミ)
- 電話番号
- 075-531-3733
- 営業時間
-
17:30~L.O.23:00
定休日:定休日 日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
はてぶ - LINE