自然派ワインならここ!という酒屋さんが作った立ち呑みやシメに食べたいアレなど@福岡
【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」第八夜 福岡の酒飲みは1軒では帰らない。ほぼ必ず2軒目に行くし、2軒目を出たら次の店…。職住近接ゆえ終電や終バスを逃しても笑顔で楽しく飲んでいる。“はしご酒”文化が根付くこの街の遊び方を毎回伝授いただく。
- レストラン
- ビストロ
- ラーメン
- ワイン
- 日本酒
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- Summary
- 1.15年間センスある料理を生み出し続けるビストロとは?
2.福岡の自然派ワインシーンを代表する酒屋の新店
3.日清UFOへのオマージュ?「アレ」や「ソレ」ってメニューは何?
第八夜:「HORTENCE(オルタンス)」エステティシャン 伊部 知代さん
今回のはしご酒案内人は、物心ついた頃から30年以上福岡で暮らし、昨年5月から東京に拠点を移したエステティシャンの伊部知代さん。5歳になる女の子の母であり、お嬢さんのお休みに合わせて年に数回里帰りをし、2〜3週間滞在。福岡のお客様に施術を行う一方で、懐かしい友人の店を訪ねるなど、つかの間の福岡ライフを満喫している。
今回も春休みに合わせて帰省中だった知代さんをつかまえて、はしご酒を敢行。福岡時代から好きだったあの店や、この帰省中にもすでに何度も訪れているというお気に入りのお店など、隠れ家的3軒を案内してもらった。
知代さんが、福岡でいちばん美味しいと自慢できるビストロ
知代さんが1軒目に連れて行ってくれたのは、地下鉄赤坂駅から徒歩3分ほどのビルの3階にある「SYM. restaurant & brasserie」。大正通り沿いの小さなビルで、1階に看板はあるものの、3階にはなく、初めて訪れる人は少し躊躇しながら扉を開ける。
「オーナーの藤井さんは大学の先輩で、学生時代から一方的に知っていました。まだお店を開く前、友人と一緒にご自宅へ伺ったことがあって、そのとき作ってくれたカレーがとんでもなく美味しかったんです。2001年のオープン当初は、そのカレーをこの店で出されていて、それが食べられるのがうれしかったことを覚えています」と、知代さんは当時を振り返る。
独学で料理を学んだ藤井さんは、気になる素材を積極的に取り入れながら、素材にこだわり、その美味しさをシンプルに伝えるメニューを提供している。
「オープンから15年経った今も、藤井さんの料理には毎回驚かされます。見た目も美しく、香りも味も素晴らしくて、藤井さんのセンスの良さに感動させられっぱなしです。食材やオイル、塩などのこだわりも強く、どんなものを使っているのか、教えてもらうことも多いんですよ」。
(左) 本日の鮮魚のカルパッチョ1,200円
(右) ほうれん草とリコッタチーズのニューディ1,600円
真っ白な空間だからこそ、真っ白なお皿に盛り付けられて登場したとき、一段と料理が映え、その美しさに思わず息を飲んだ。
早い段階から自然派ワインを提供してきた藤井さんだが、最近はニューヨークで少量生産されているバーボンやフランスのウイスキー、47種類のハーブやスパイスが入ったドイツのジンなども揃えている。
SYM. restaurant & brasserie(シム レストラン&ブラッセリー)
- 電話番号
- 092-738-2615
- 営業時間
-
12:00~15:00、18:00~23:00
定休日:定休日 日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
あの「とどろき酒店」がオープンした新業態へ
続いて訪れたのは、今年3月にオープンしたばかりの「とどろき酒店 薬院Stand!」。とどろき酒店といえば、日本酒や自然派ワインなどを揃える酒店として、全国的に知られる存在である。本店は天神や博多駅から少し離れた郊外にあり、お酒を買いに行くにも公共交通機関で行くには少し躊躇する場所だった。
その「とどろき酒店」が、西鉄薬院駅から徒歩7分という街中に、新しく立ち飲み&ショップの併設店をオープンさせたことは、福岡の酒好きにとっては大きなニュース。立ち飲みは16時からオープンしているとあって、明るい時間からワインや日本酒を楽しむ人が増えている。
この店のカウンターに立つのは、第二夜に登場した黄ちゃん(左)だ。
「友人を介して黄ちゃんと知り合ったんです。一緒に『凛丹』という中華料理のお店に行ったんですけど、お酒のペアリングがすごく上手な人だなと思ったのが第一印象。そのあとは、いつも酔っ払っている状態で会うことが多かったんだけど、カウンターに立つ黄ちゃんは全然違いました(笑)。お酒の説明も的確だし、黄ちゃんのセレクトは全面的に信頼できます」。
店の奥にはショップスペースがあり、日本酒や焼酎、ワインなどが購入できる。
今回の帰省中にすでに5回は訪れているという知代さん。すでにこの店の常連となっているようだ。
初めて会ったお客様とも意気投合。これぞ立ち飲み(福岡では角打ちと呼ぶ)の魅力だ。
(右) 山形の「ひつじや」から取り寄せたいぶりがっことマスカルポーネを合わせた「がっこポーネ」(200円)
とどろき酒店薬院stand
- 電話番号
- 092-753-8311
- 営業時間
-
12:00~21:00 (角打ち 16:00~21:00)
定休日:定休日 日・祝日・最終月曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
15年以上の友人が営むディープなお店「つどい」
そして、最後に訪れたのは、なんと「とどろき酒店 薬院stand!」のお隣にある「つどい」というお店。「夜の匂い」と書かれたピンクの提灯が、怪しい雰囲気を醸し出す。
「この店のオーナー、ぎゅうちゃんは、20代前半の頃、彼が飲食のお店をする前からの友人でした。今のお店は移転してこの場所にあるのですが、移転前のお店を始めると聞いたとき、誰もが驚いて、正直心配もしていたんです。でも、恐る恐る行ってみたら、そこで出していた「あさりそば」がめちゃくちゃ美味しくて感動しちゃって。昔からこだわりが強く、視点も変わっているんだけど、今、いちばん、彼らしく生きているような気がしますね(笑)」。
この店の名物は、カップ麺の名作をオマージュした麺料理。この怪しい空気や、ぎゅうちゃんの人柄に惹かれたファンが多く、夜が深まるにつれ、客が増えていく。
(左)カップ焼きそばをオマージュした「汁なしのアレ」(580円)
(右) 〆にもかかわらず、替え玉をしてしまう魅惑の「ソレ」(580円)
「今回紹介した『とどろき酒店 薬院stand!』も『つどい』も、一歩踏み入れてみれば、すぐにお隣のお客様と仲良くなれちゃいます。かといって、ズケズケと入ってくるワケでもない。福岡は誰もを快く受け入れるウエルカムな街。ほどよい距離感で付き合える人が多いと思いますよ」。
「つどい」でも昔からの友人に遭遇した知代さんたちは、次なる店へと消えて行った。
つどい
- 営業時間
-
20:00~L.O.翌2:30
定休日:定休日 日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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