偉大な造り手、ジャック・セロスの愛弟子による希少で特別なシャンパーニュ
【連載】東京・最先端のワインのはなし verre22 ヴァンナチュール。自然派ワインとも訳されるこのワインは、これまでのスノッブな価値観にとらわれない、体が美味しいと喜ぶワイン。そんなワインを最先端の11人が紹介する。
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- 1.シャンパーニュ好き垂涎のジャック・セロスに造りを学んだ愛弟子
2.決して恵まれているとは言えない産地から生まれる驚愕の味わい
3.ナチュラルな生産者を代表するシャンパーニュ
ナチュラルワインの“泡”は、ペティアンだけではない
ジャック・セロスといえば、今やナチュラルな造りであることの是非に関係なく、世界的に支持されているシャンパーニュで日本にもマニア、コレクターがたくさんいる。
もはや偉大なシャンパーニュの一つだ。
そして、現オーナー兼ワインメーカーであるアンセルム・セロス氏自身は、弟子を取らないことで知られているが、それでもそんな中で愛弟子と言っても異論が出ない存在だと言えるがジェローム・プレヴォー氏だ。
彼が本拠を構えるグー村はモンターニュ・ド・ランス地区はもとよりシャンパーニュ地方においても最北といえる場所に位置する。等級としては、グラン・クリュはおろかプルミエ・クリュでさえないという村であるから、決して恵まれた産地とはいえない。しかし、それはあくまでも等級の話。記録によると900年代にすでにブドウが栽培されていた由緒正しい土地であり、独特の気候・風土を持つとされる。
ジェロームは、ジャック・セロスのあるアヴィーズ村の醸造学校で学んだ後、1997年にアンセルムと出会い、氏のセラーでスタッフとして働きながら、自分のシャンパーニュを造ってきた。
La Closerie Les Beguine / Jérôme Prevost(ラ・クロズリー・レ・ベギーヌ/ジェローム・プレヴォー)
ジェロームの造るシャンパーニュは、2.2haの自社畑でビオ・ディナミで栽培されたブドウを使用。メインとなるピノ・ムニエのほかに、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネが植わっており、完熟になるまで収穫を遅らせ、豊富なミネラルを感じる。醸造時には亜硫酸を使わない。
<坪田さん>
これまで、このコラムのメンバーのどなたもシャンパーニュを紹介していませんでしたので、選んでみました。
特別感のあるワインだけど、春めいてきたし、季節的に飲みたくなると思います。
実際にお店でシャンパーニュの要望は多いので。
たしかに、「とりあえずどうぞ」とはいかない高価格帯のシャンパーニュではありますが、特別な仲間との記念日やお祝いに開けたらテーブルが華やかになると思います。
ピノ・ムニエ100%、つまり黒ブドウ100%でできたシャンパーニュということもあり、ふくよかな味わい。シャンパーニュというよりもワインとして完成されていると思います。
開けた直後より、温度を上げて飲んだほうがより美味しく感じますし、抜栓した次の日、泡が弱ってきたときに見せる別の表情も魅力的です。
キリッとすっきりドライというのではなく、男性的な、ある種キザなシャンパーニュといえるでしょうか。温度やグラスの形状でも大きく味が変わります。
初めて飲んだときからシャンパーニュといえばこれが頭に浮かぶようになりましたね。特に、2003年ヴィンテージだけ造られたダイユールというキュヴェは素晴らしかった。何度か飲んだのですが、そのときの状態が素晴らしく、一日中頭から離れないくらいだったことが記憶に残っています。
実験的にたくさんキュヴェを造っているわけじゃないし、シャンパーニュ好きはグー村という場所で選ぶわけでもない。
エチケットもシンプルでストイック、まさに存在そのものが骨太な印象のシャンパーニュですね。
あと、正直に言うと乾杯をするためのシャンパーニュじゃないと思います。
じっくりと向き合って飲みたい1本ですね。
ナチュラルワインというと、すぐペティアンナチュレルのことを想像されがちなんだけど、シャンパーニュの中にもこんな生産者がいるということを知っていただきたいですね。
Le cabaret (ル・キャバレ)
- 電話番号
- 03-3469-7466
- 営業時間
-
18:00~24:00((L.O.23:00)
定休日:定休日 月曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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