名店の味は家でも作れる! 菊乃井・つきぢ田村・銀座うち山のまかないレシピを一挙大公開
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- 1.『菊乃井』のまかないは、”だし7:みりん5:醤油3”の割合が決め手の「親子丼」
2.『つきぢ田村』のまかないは、残った野菜を余すことなく活用した「かき揚げ丼」
3.『銀座 うち山』のまかないは、素材のうまみをシンプルに引き出した「鶏手羽先の酒煮」
大正元年(1912年)創業、日本を代表する京料理の名店『菊乃井』。
五味調和の心得のもと、伝統を守りながらも常に革新し続ける『つきぢ田村』。
季節の移ろいを贅沢に映した日本料理を気取りなく提供し続ける『銀座うち山』。
誰もが知っている和の名店のまかないレシピを、今回は料理長直々に伝授いただいた。
まかないは、短時間で簡単に作れるだけでなく、弟子たちに「店の味を覚えてもらいたい」という熱い想いが詰まった逸品ばかり。
今回紹介する3品は、だしと調味料の配合、ちょっとした調理法の工夫など、店伝統の技を惜しみなく披露している貴重なレシピなので、心を込めて丁寧に作ってほしい。
1.京都の老舗料亭『菊乃井』のまかないは、合わせ地の割合が決め手の「親子丼」
京都・東山にある老舗料亭『菊乃井』。
「ひと皿」という小さな空間に季節の豊かさを表現した茶の湯の心。水で育った米を水で炊く、水に生かされた野菜をだしで煮含め調味する“水の料理”を大切にした料理の数々が楽しめる名店だ。
日本料理を正しく世界に発信することをライフワークとし、現在はNPO法人日本料理アカデミーの理事長も務める菊乃井主人・村田吉弘さんに教えていただいたのは「親子丼」のレシピ。
合わせ地の割合は七五三(だし:みりん:醤油=7:5:3)が菊乃井の基本。この割合を忠実に守り、老舗の伝統の味を自宅で再現してみよう。
▼作り方(調理時間:10分)
① 鍋に合わせ地(だし、みりん、薄口醤油)、小さめの一口大にそぎ切りした鶏もも肉を加え火にかける。鶏肉にさっと火が通ったら、斜め切りにしたネギを加える。
② 再度沸いたところへ、水溶き片栗粉入りの卵を回し入れる。
③ 卵が半熟状になったら火を止め、ご飯をよそったどんぶりに②を盛る。粉山椒をふれば完成。
2.『つきぢ田村』のまかないは、余った野菜を活用した「かき揚げ丼」
甘み、塩味、酸味、苦み、辛み。この5つの味をうまく調和させる「五味調和」をテーマとし、体にやさしい伝統の料理をつくり続けている『つきぢ田村』。
三代目主人の田村隆さんは、調理場の最前線で腕をふるう一方、NHKの料理番組や調理学校の講師、料理本の執筆など一般に向けた食の伝承にも力を注ぐ。三代に渡って受け継がれる味を守りつつ、時代を先取りする料理の創造力にも定評がある田村さんが教えてくださったのは「かき揚げ丼」のレシピ。
「まかない」のため、店ではカボチャやニンジンの端っこ、椎茸の軸、ネギの青いところなど、残った部分を利用する。タレの分量は「だし:みりん:醤油=3:1:1」と覚えておくと便利!
▼作り方(調理時間:30分)
① 「丼のつゆ」をつくる。鍋にだし、醤油、みりん、たまり醤油、揚げ玉を入れて火にかけ、少しとろみが出るくらいまで煮詰める。
② 「衣」をつくる。ボウルに卵黄を入れほぐし、小麦粉を入れ、冷水を少しずつ加えて混ぜる。※小麦粉や水の量は衣の硬さにあわせて調整を。
③ カボチャ、ニンジン、ネギ、サツマイモ、タマネギなど、千切りにした野菜に小麦粉を振る。その後、衣に入れてさくっと混ぜる。
④ 170~180度に熱した油に、穴あきのお玉で形を整えた野菜を落とし、揚げていく。きつね色になり硬さが出てきたら引き上げ、①にくぐらせる。
⑤ 丼にごはんを盛り、かき揚げをのせ、紅しょうがを飾れば完成。
3.『銀座 うちやま』のまかないは、塩を入れるタイミングが肝となる「鶏手羽先の酒煮」
銀座の喧噪から逃れたビルに佇む『銀座うち山』は、日本料理一筋に修業を重ねた若き店主・内山英仁さんの匠の技と、厳しい目利きによる厳選素材が織り成す珠玉の日本料理を堪能できる。
懐石料理を得意とする内山さんにご紹介いただいたまかないレシピは「鶏手羽先の酒煮」。ポイントは酒と水のみで炊き始めること。先に塩を入れないことで、素材が硬くならずやわらかく仕上げられる。
「まかない」らしく材料は少なく、調理もシンプル。和食を極めた内山さんだからこそ考案できた、鶏のうまみをダイレクトに味わえる一品を食卓に。
▼作り方(調理時間:30分)
① 鍋に、霜降りをして臭みをとった鶏手羽先、酒、水、生姜の皮、長ネギの青い部分を入れて強火にかける。沸いたら中火にし、アクを丁寧に取り除く。そのまま25分ほど炊く。
② 肉が柔らかく煮えたところで、塩をし、さらに5分ほど炊く。
③ 器に盛り付け、白髪ネギをのせれば完成。
「まかない」だけに、手軽な材料で背伸びをせずに作れる料理が揃った。
親子丼やかき揚げ丼は作ったことがある人も多いと思うが、和の名店のレシピから得られる学びも多くあったのでは?中でも、親子丼の合わせ地や、かき揚げ丼のタレは、調味料の比率がポイントとなるだけに、ほかの料理でも活用できそうだ。
日本料理を愛し、伝統を守りながらも進化させている名料理人の「まかない」には“和食の基本”が隠れている。その”技”と”心”を感じられる至極のまかないレシピを、ぜひ一度作って、そしてじっくりと味わってみてほしい。
【記事提供元】
プロから学ぶ簡単家庭料理「シェフごはん」
1.『京料理 菊乃井 本店』の親子丼レシピ
2.『つきぢ田村』のかき揚げ丼レシピ
3.『銀座 うち山』の鶏手羽先の酒煮レシピ
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