作りたてブッラータがおいしい! 奥渋谷のチーズレストラン『SHIBUYA CHEESE STAND』

dressing編集部

Summary
1.話題のグルメスポット・奥渋谷の注目店『SHIBUYA CHEESE STAND』
2.オーナーはイタリアのチーズ工房とピッツェリアで技術を学んだ実力派
3.日本で初めて製造に成功したチーズ「ブッラータ」の作りたてを食べられる

フレッシュチーズをもっと身近な存在にしたいという想いから生まれた

西洋から取り入れた文化であるチーズは、日本においてはまだ歴史が浅い。日本のスーパーや百貨店で売られているのは、プロセスチーズや熟成チーズが多いのが現状だ。「市販のモッツァレラは味がない」とか「においが強い、塩辛い」など、チーズの味に馴染めないという人は案外多い。

代々木公園駅から徒歩6分、「街に出来立てのチーズを」がコンセプトのチーズ工房兼レストランがある。その名も『SHIBUYA CHEESE STAND』。同店の目指す保存料の入らない本物のフレッシュチーズの味を知ってしまえば、あなたのチーズに対するイメージは180度変わることだろう。

『SHIBUYA CHEESE STAND』の誕生は、オーナーの藤川真至さんがバックパッカー時代に訪れたイタリアで、出来立てのフレッシュチーズを食べたことによる。イタリアでは街中にいくつもチーズ工房があり、誰もがいつでも気軽にフレッシュチーズを食べられる。牧場へ足を運ばなくても、新鮮なチーズを東京の街中で提供できないものかと考え、イタリアのチーズ工房で勉強をし、技術を持ち帰ってきたという。

『SHIBUYA CHEESE STAND』内には工房が設けられ、作りたてのフレッシュチーズを店内やテイクアウトして自宅で食べられるのが最大の魅力。24時間以内に搾乳したフレッシュな牛乳で造られたミルキーで弾力のあるモッツァレラチーズを味わえる。

11時のオープン直後、店内はすでに満席に近い。理由は、13時ごろまで工房でチーズを作っている様子が見られるからだ。製造風景を見ながらの食事は、チーズの味をより豊かにしてくれる。

モダンアメリカンをイメージした白と黒のシンプルな店内は女性客が多く、家族連れやカップルの姿も見られ、チーズという白い宝石を前に会話も弾んでいるようだった。

東京ブッラータ~ニュー・ジャパニーズ・ディライトとの出逢い~

テーブルからは白い宝石を前に、「幸せ」という感嘆とウットリしたため息が漏れ聞こえる。中でも看板メニューである「東京ブッラータ」は、日本で初めて『SHIBUYA CHEESE STAND』が製造に成功した特別なチーズだ。ブッラータはイタリア・プーリア発祥の”幻のチーズ”と呼ばれ、世界中のチーズ愛好者から愛されてやまない逸品である。

そんな日本人に悦びを与える同店の開業を実現したのは、熱意あるチーズ職人と時代を読み解くブレーンとの出会いにある。

同店のマネジメントと広報を一手に引き受ける今井陵太さんは学生時代に飲食店のアルバイトを経験し、「料理は最良のサービスによって、より輝きを増すもの」と飲食業のおもしろさに魅了される。コンサル会社やいくつかの飲食店のマネジメントを経験後、ベーカリーやチーズのプロデュースに携わり、チーズ愛に溢れた藤川オーナーと出会ったそうだ。現在は、異なる得意分野を持つ二人が日本の飲食業界、チーズ界に革命をもたらすため日夜研究とリサーチを重ねているという。

乳製品=北海道が一番おいしい、なんて概念はあっという間に覆される

「ナポリの大学で、フレッシュチーズは5日を過ぎると味と品質が大幅に落ちるという研究結果を聞いたことがあります。それくらいフレッシュチーズはデリケートで扱いが難しいものなのです」と今井さんは言う。

「生産者がこだわって作った『牛乳のおいしい"食べ方”』を紹介するのが我々の役割だと考えています。私たちが使っているのは、東京・多摩地域の酪農家で飼育している乳牛だけから搾乳されたものです。牛乳のおいしさ、フレッシュさをもっと知ってもらい、日本の酪農、チーズ業界を盛り上げていきたい」と今井さんは語る。

乳製品と言えば北海道が日本で一番美味しいというイメージを持っていたが、新鮮な牛乳から渋谷の工房でチーズを作るとなると、東京の中で全てを完結させなければならない。牛乳の鮮度が落ちない24時間以内に加工することで、牛乳本来のおいしさを味わえるのだ。東京の酪農家とチーズ職人の最強コンビがタッグを組まなければ、この奇跡は決して生まれない。

チーズの美味しさ際立つ! たっぷりのトマトと幻のチーズ“ブッラータ”

見た目の美しさですでに心は奪われている! 巾着型のブッラータは、まるごとすべて食べられる。結び目の部分、チーズを包む袋も全部チーズでできているのだ。中に入っている生クリームチーズ、外側の袋、ひだの部分と3種類の食感を楽しめる。

宝石箱を開けるような期待を胸にナイフを差し込む。

とろっと溢れ出たチーズをスプーンですくうようにして慎重に口に含む。「おいしい」という言葉よりも、先に笑みがこぼれた。クリームの甘みとチーズの酸味が食べるものに感動と至福の時を与える。この幸せを大切な人と分かり合いたいと、そう思わせるチーズだ。

ディナータイムには季節のフルーツをあしらったブッラータも味わえる。フルーツやハーブとの相性抜群で、チーズの概念を刷新させてくれるはずだ。

モチモチのチーズが主役のクリスピーピッツァ、ビアンカに夢中!

『SHIBUYA CHEESE STAND』のピッツァは、本場イタリアのピッツェリアで修行経験のある藤川オーナー自慢の逸品でもある。中でもビアンカはぜひ食べたい逸品だ! グラハム生地は、チーズが最も美味しく食べられるように開発された同店のオリジナル。チーズのかかった部分はふんわりと、耳はサクサクとしたクリスピーで食感もおもしろい。グラハム粉の香ばしいかおりと塩気を含む生地が、チーズのミルキー感、もちもち感を一層引き立てる。

今秋食べられる!? モッツァレラでバンズを挟む「出来たてモッツァレラのバーガー」

同店はデパートの催事限定でバーガーを販売している。「出来たてモッツァレラのバーガー(640円)」はなかなかお目にかかることのできない幻のバーガーだ。

なんとバンズの部分は同店の手作りモッツァレラ。パンとトマト、生ハム、バジルをモッツァレラチーズで挟んでしまうというバーガー界激震のルックス。トマトの酸味、生ハムの塩気がミルキーでフレッシュなチーズに合わないわけがないだろう。

店舗での販売はなく、催事限定の商品というのがこれまたニクイ。2016年秋、新宿高島屋で催事に出店する予定だそうなので、気になる方は同店のフェイスブックなどでチェックしてみてほしい。

(取材・文/カメイアコ)

【メニュー】
たっぷりトマトとブッラータ オレガノ添え 1,680円
ビアンカ 880円
出来たてモッツァレラのバーガー 640円
※価格全て税込

SHIBUYA CHEESE STAND

住所
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8
電話番号
03-6407-9806
営業時間
11:00~23:00(L.I.22:00)、日11:00~20:00
定休日:定休日 月曜、祝日の場合は翌平日休(年末年始休)
ぐるなび
ぐるなびページhttps://r.gnavi.co.jp/hnbb6kfh0000/
公式サイト
公式ページhttp://cheese-stand.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。