ぷるっぷるの衝撃! 餃子マニアも驚く、中国東北のソウルフード「黒い餃子」が旨すぎてやばい
餃子で巡る世界の旅in東京 #04
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- 1.中国東北料理の黒い水餃子が食べられる!? 『千里香 池袋店』
2.中国と韓国、北朝鮮の味がMIX。中国東北料理の定番は延辺串焼きと延辺冷麺
3.お客さんの7割は在日の中国人や朝鮮人たち。それほど家庭の味を再現している!
どうも、料理芸人・クック井上。です! 僕は色んな料理を作ったり食べたりするのが好きなのですが、中でも一番思い入れのある料理が「餃子」。今まで食べた餃子は2~3万個、昨年焼いた餃子が約5千個。そんな尋常じゃなく餃子愛に溢れた僕がお送りするこのコラム【餃子で巡る世界の旅in東京】は、東京で出会える「世界の餃子」を食べながら、色んな国を旅しちゃう素敵な企画です! さて、今回旅をするのは…
■中国東北地方のソウルフード! ジャガイモでできた黒い水餃子
やってきたのは、池袋駅から徒歩2分の『千里香(せんりこう)池袋店』。北朝鮮との国境付近にある中国東北地方(延辺朝鮮族自治州)の料理が味わえるお店です。ここでは「土豆餃子」という、見た目がかなり“謎”な餃子が食べられます。どんな餃子でしょうか? ドキドキ…、謎謎謎…、来た来た。
そしてやってきた謎の餃子「土豆餃子」がコレ!ドォーーーン!
わー、皮が真っ黒! かなりインパクト大! ですが、延辺地方ではよく食べられる家庭料理だそうです。にしても、この黒色の正体は何? 炭? イカスミ? 名前からして黒豆? と思ったら、すべて否。
正解はジャガイモだそうです!
冷凍すると黒くなるそうで、それを粉末にし、水で練って皮にしてあるんだとか。へー、なんか科学だなぁ。餡の具材はキャベツと白菜、長ネギ、タマネギ、ショウガにキムチを少々。皮で餡を包み、塩ゆでしてあります。これを、ネギとニンニクたっぷりの醤油につけて、いただきます!
う~ん、これこれ!
箸で持ち上げるのも大変なぐらいプルップルな皮は、噛むとコンニャクのような白玉のような葛切りのような歯ざわり。だけど餡はキャベツと白菜がシャキシャキしていて、この食感のコントラストがおもしろい。中国の「青島ビール」が合う、間違いない!
延辺ではジャガイモがよく採れるそうですが、1年間保存するのは難しいため、冷凍する習慣があるんだとか。それで黒い餃子というわけ。皮の色で民族の習慣もわかるなんて、やっぱり餃子は奥が深い…!
ちなみに『千里香 池袋店』は、これ以外の餃子の種類も豊富。こちらは延辺地方に限らず、中国で食べられている「韮菜盒子(ジュ・ツァイ・ヘーツ)」。
揚げ焼きの餃子でしょうか? 大きさは約15センチとかなりBIGサイズ! で、キュキュッと接着した可愛い包み方を見てください。以前ご紹介したイタリアの餃子・チャルソンスと一緒。イタリアと中国、距離は離れているのに、包み方の発想が同じだなんて、やっぱり餃子はおもしろい! さて、餡はどんなのだろう…?
ほぼほぼ9割ニラのニラ玉。少しシャキシャキ感を残したニラがいい香り! でも、ニラだけじゃなくて1割の玉子がいい仕事をしている! 味はついていますが、お好みで酢醤油をつけて食べてもよさそうです。これもビールが進みますねー!
※あとから分かったのですが、正確にいうと、餃子ではなく焼きニラ饅頭だそうです。が、細かいことは気にせず(笑)
■中国東北料理の定番メニューといえば、延辺串焼きと延辺冷麺
そもそも中国東北料理(延辺料理)とは、中国で暮らす朝鮮族の味で、地域的に中国と韓国、北朝鮮の料理がミックスされたもの。定番メニューは、延辺串焼きと延辺冷麺。他にもトウモロコシ麺も名物だそうです。
餃子以外にも地名が入った定番メニューがあるのなら、そりゃ食べないわけにはいかない! ということで、延辺串焼きをオーダー! 延辺では羊肉が高級で、牛や豚よりも人気があるそう。店員さんにオススメされた羊肉の「千里香特別味串」「ピリ辛羊カルビ」、それに加えて「牛カルビ」「牛ハツモト」「牛ミノ」「豚三段バラ」などを注文。
何やら香辛料がたっぷりの串が出てきましたが、これらの串をなんと、前テーブルに設置されている「卓上自動串焼機」で焼いていきます!
いざ、串の根元にある歯車を穴にセットオン! そしてスイッチオン!
すると、ゆっくり串が回転し、綺麗に均等に焼けていきます。
目の前で肉が焼けていく様を見るの、めちゃめちゃ楽しい! 肉をエンターテインメント感覚で楽しめるのも、このお店の醍醐味。日本ではあまり見かけませんが、最近の延辺にある焼肉店では結構あるらしいです。これ、あんまり知られてないだけで、日本でも流行りそうです。さてさて、ジューッといういい音と、素敵な香りがしてきました。というか本当に眺めているだけでも楽しくて、危うく焦がす危険性あり! そろそろいただきます。
うま味たっぷり! そしてスパイシー。味付けはクミンや唐辛子、10種類以上の香辛料を混ぜた特製の調味料を使っているそうです。へー、中国東北地方、北朝鮮との国境辺りでもクミンを使うなんて知らなかったなぁ。延辺の料理っていうことを知らずに食べたら、南アジアか中東あたりの料理かと思うような、絶対に日本では出会えない「大陸の味」です。串はお好みでこちらをつけながら食べます。
もともと肉は同じ調味料で味つけされているそうなので、お好みでって感じらしいですが、つけるなら、すべてのスパイスが均等になるよう混ぜるべし。試しに調味料だけ味見してみましたが、うまみたっぷりで、ポテトのシーズニングにしてもおいしそう。
それにしても、ロシア&トルコ餃子を紹介する回でもウズベキスタンBBQのシャシリクで羊を食べて、そして今回も延辺串焼きで羊を食べましたが、大陸の羊料理は美味い! やはり遊牧民が多い地域や、よく羊肉を食べる地域の方は、おいしく食べるコツを知っていますね。
■『クック井上。』の食べ歩きのこだわりとは?
このお店は、朝鮮族の友人に連れてきてもらったのが最初なのですが、お店選びだけでなく、料理選びやお酒選びも知ったかぶりはしないという事を心掛けています。シェフやスタッフさん、すでにそのお店の魅力を知っている友人に、オススメの料理やそれに合うお酒を聞くようにしています。特に海外の料理の場合は「郷に入っては郷に従え」ですね!格好つけずにオススメを聞く事で、新たな食の感動と出会えます。そして話しかけて色んな話を聞いて、食文化・料理の背景を知ると、その国の、その地方の情景が浮かんできて、「おいしい!」という単なる味の数値が「滋味深い!」になるんです。そしてその滋味深さが舌を伝わって、心と全細胞に染み入っていきます。(詩人かっ!)いや、本当に豊かな気持ちになります。
■「国に帰らなくてもここに来れば、延辺の料理が食べられる」
さて餃子も肉も食したので、〆に、こちらも名物の「延辺冷麺」をいただきます。
延辺冷麺は牛肉と漢方薬を7時間煮込むそうで、甘めのスープが特徴です。他にも麺が柔らかめなのが特徴で、少し黒っぽいのは、小麦粉に加え、そば粉なども使っているからだそうです。麺はお店で作っている自家製麺というから本格的!
ちなみにオーナーの1人でもある木村明月さんは中国生まれで、子どもの頃食べてきた家庭の味をお店で再現してるんですって。だからお客さんの7割は延辺地域や中国出身の方。初めて来た時もこの日も、日本人は僕(ら)だけでした。お客さんが「国に帰らなくても、ここに来れば懐かしい延辺の料理が食べられるよ!」って言ってくれるんですって。日本で暮らす延辺の方が、“おふくろの味”を食べに来るんですね! 皆さんにとって貴重な存在なんだろうなぁ、そして凄いパワーと癒しになってるんだろうなぁ。僕らにとっても、海外に行かずともこうして本場の味が東京で食べられる、そして民族の習慣や思いも知れる、まさに貴重なお店でした。
<メニュー>
・土豆餃子 1,200円
・韮菜盒子 1個250円
・千里香特別味串 1本200円
・ピリ辛羊カルビ 1本200円
・牛カルビ 1本200円
・牛ハツモト 1本200円
・牛ミノ 1本300円
・豚三段バラ 1本200円
・延辺冷麺 1,200円
・青島ビール 500円
・米マッコリ グラス500円
※価格すべて税別
編集協力:名久井梨香
撮影:瀧本尚輝
【過去の旅の履歴】
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モッチモチの食感がクセになる! 餃子マニアも認めた、ロシア&トルコの絶品餃子
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千里香 池袋店
- 電話番号
- 03-5992-8171
- 営業時間
-
月~日・祝日 11:00~24:00
定休日:定休日 年中無休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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