若手クリエイターがよなよな集う！　代々木上原のクリエイティヴなビアバーが今アツい

様々なジャンルの飲食店が集まるグルメスポット・代々木上原。飲食業界の密集率が高いエリアでひときわ個性を放っているビアバーがある。クリエイティヴ集団『CIDER inc.』が手がける『終日one』だ。小田急線代々木上原駅南口を出て徒歩2分。井の頭通り沿いに店を構えている。

『CIDER inc.』は、WEBサイトのデザイン、グラフィックデザインからアパレル、飲食店の経営まで幅広く運営している会社だ。クリエイターが集まり運営する『終日one』は、店の内装や環境にまでとことんこだわっている。ビールのグラスにも使われているロゴも自社の代表が制作したという。今回、そんな話題の店『終日one』のマネージャー担当・吉川さんからお話を聞いた。

「『CIDER inc.』が音楽業界の人と繋がりがあり、そこで内装を日本を代表するインストバンド「toe」ギタリスト、山㟢廣和氏にお願いしました。なので、音楽業界の人なども多く集い、不定期でBGM係としてDJの選曲が楽しめます。イベントは、自社のクリエイターが考案したものを取りいれ、イベント事にビールと料理の内容も変わります。」と吉川さん。

１階は、白い陶器タイルで仕上げた壁と木製のインテリアで落ち着きのある温かい空間。コンセントがカウンター席に完備されており、携帯の充電・ノートＰＣの使用が可能。また、フリーwi-fiも飛んでおり、ＰＣを使ってメールを送りたいなどの時にも便利な環境となっている。

2階は、コンクリートの壁にラグジュアリーな家具や絵画があり、デザイナーズマンションを思わせるような空間だ。食事をしながら、数名でゆっくり過ごすことができる。また、一階は犬を連れての入店が可能だ。テーブル・カウンターの下にリードをかけるフックがある、徹底した機能性のある空間デザインに圧倒される。

すごいのは内装だけではない。早速、お店自慢のクラフトビールと人気のおつまみをいただくことにした。

ビールに合う絶品おつまみを作っているのが、女性シェフのMaaさん。「アーモンドを抱いたクマ」など海外でも話題のクマビスケットの考案者として本を出すなど、人気急上昇中の女性シェフだ。三重県伊賀市出身で、辻調グループフランス校卒業後、フランスブルターニュ地方のレストランで修業。フランス料理店や、ホテル、ビストロ、ブリティッシュパブなど、様々なジャンルの店舗を経験し、今では『終日one』の看板シェフとして活躍している。
彼女が作る、ひとひねりある絶品のおつまみを紹介しよう。

「フィッシュ＆チップス」は、この店一番人気。注文を受けてから揚げる熱々のフィッシュ＆チップスは、衣のサクサク感と淡白な白身魚のふわっとした食感が絶品だ。酸味のきいたザク切りピクルスのタルタルソースをたっぷりつけて食べれば、そのうまさに思わず笑みがこぼれる。ビールとの相性は言わずもがな、抜群である。

「フィッシュ＆チップス」同様、大人気の看板メニューが「たくあんの燻製とマスカルポーネ」だ。

燻製食品が好きで、メニューに取り入れる前から、自分が食べるためにたくわんを燻製させていたというMaaさん。
「いぶりがっこが大好きなんです。東京ではなかなか手に入りづらく、その味を再現したくて、たくわんを燻製させました。おつまみとして、マスカルポーネを乗せて友人たちに食べさせたら、かなり高評判だったので、メニューに取り入れました。」

燻製を行う土なべは、伊賀に住む父親が送ってきてくれたという伊賀焼きの土なべだそうだ。燻製のスモーキーな香りとたくあんの歯ごたえがたまらない。マスカルポーネは、燻製の香りをまろやかにさせ、たくあんがまるでフレンチの一品になったようだった。

サクサクの衣に、柔らかい鶏肉の食感。これでもかというくらいジューシーな鳥の唐揚げは、クオリティの高さに驚く。Maaさん特製の唐辛子、ニンニクなどブレンドしたピリ辛のハリッサソースをかければ、風味が一段と増し、うまみを引きたてる。ビールとともにかぶりつきたい一品だ。

特製ハリッサソースは販売しているので、家庭でも料理のアクセントとして活用出来る。

こだわりのクラフトビールも忘れてはならない。クラフトビールは大阪の箕面ビール 、変わり種の海外の缶ビールが5～6種類、用意されている。クラフトビールのみならず、オーガニックワインも楽しむことができる。

また、『終日one』の「one」のロゴとジェットコースターを掛け合わせたシャレの効いたコースターもこの店自慢のデザインだ。

『終日one』の魅力は、ビールと料理だけではない。定期的に開催されるイベントも面白いのだ。過去には、ハワイをテーマにした「ＭＡＨＡＲＯイベント」や「華麗なる三日間」と題したカレーイベントなど様々な企画が行われている。イベントに合わせた音楽やメニューも楽しめ、通常とは違う店内の雰囲気になるのもこの店の魅力である。手作りのDJブースは、音楽仲間が集まれば自然と音楽を流し始める場所だ。音楽とともに食事やお酒を楽しめるお店としても魅力的なビアバーである。様々なイベントが行われ、人が集う東京のホットスポットとして、これからも注目し続けたい。
（取材・文/矢野詩織）

＜メニュー＞
・たくあんの燻製とマスカルポーネ 300円　　
・フィッシュアンドチップス　950円
・鳥の唐揚げ 650円
・箕面ビール ピルスナー　16オンス　1,100円
※価格すべて税込