福岡の穴場エリア・藤崎で大人気の『捏製作所』ご主人が案内するディープなはしご酒
【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」第十三夜 福岡の酒飲みは1軒では帰らない。ほぼ必ず2軒目に行くし、2軒目を出たら次の店…。職住近接ゆえ終電や終バスを逃しても笑顔で楽しく飲んでいる。“はしご酒”文化が根付くこの街の遊び方を毎回伝授いただく。
- レストラン
- 福岡
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- 日本酒
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- 和食
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- Summary
- 1.京都から福岡に昨年やってきた、藤崎エリアの大人気店『捏製作所』店主が案内
2.スタートは昼からオープンしているディープな飲み屋街「三角市場」にて
3.価格の付け方がおかしい? 西新・藤崎エリアのリーズナブルで楽しい酒場たち
第十三夜:捏製作所・菅原淳思さん
2年目に突入したこちらのシリーズ。今回の案内人は、2015年8月、京都から福岡へ移転し、たちまち人気店の仲間入りを果たした『捏製作所』の店主・菅原淳思さん。もとはといえば、福岡は北九州のご出身。大学進学を機に京都で暮らし始め、サラリーマンを経て飲食の世界に。
京都の焼鳥店で修業した後、『捏製作所』を立ち上げた。当初から福岡に移転する予定で京都では約7年間営業し、昨年、同じ福岡出身の奥様・慶さんとともに福岡に戻ってきたのだ。
■福岡が誇るディープ酒場。三角市場の一角ではしご酒スタート!
そんな菅原さんは、食べ歩きが大好き。休日は明るい時間から、奥様や友人たちと飲み歩いている。今回は、そんな菅原さんの休日にお供させていただいた。
▲昭和レトロな雰囲気が漂う「三角市場」
待ち合わせの17時に店に到着すると、菅原さんと奥様の慶さんは、すでにカウンターにいた。
この日は、お昼から街に出ていたというおふたり。ここ『博多空気椅子酒場 輝』は15時ごろからオープンしているので、ランチの後に立ち寄ることも多いという。店主・柴田輝彦さんとは、日本酒のつながりで知り合ったそうで、今では仕事が終わった後や休日なども、時々一緒に過ごしている仲だそうだ。
12年前からこの場所で店を営んでいた柴田さん。現在は複数の店を持っており、この場所は一時閉めていたが、ようやく体制が整い、自身がやりたかったスタイルの店として、今年6月末に再オープンさせた。
▲暑くても、日本酒は燗で。この日は京都時代の元従業員さんが嫁いだという「久保本家酒造」の「睡龍」を。今でも年に一度、菅原さんは酒造りの手伝いに行っている。
空気椅子…。即ち立ち飲み。小さな空間は、店主やほかのお客とも距離が近く、自ずと会話が生まれていく。
▲「ミツル醤油 もろみきゅうり」(300円)などのアテも充実!
▲「天ぷら盛り合わせ」(600円〜)。一品ずつ揚げたてが供される
「燗酒は油を切るから、どんどん食べれてしまうんですよね」と菅原さん。1軒目でありながら、けっこうしっかり食べて、飲んでしまった模様。
博多空気椅子酒場 輝
- 営業時間
-
15:00頃〜22:00頃(22:00から店主が眠たくなるまでは『燗全地帯』としてバー営業)
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
■早良区を盛り上げたい!と意気込む仲間たち
さて、前回に引き続き、今回も早良区西新へやってきた。菅原さんが『捏製作所』を営むのは、地下鉄「西新」駅のお隣、「藤崎」駅から徒歩10分ほどの場所。ゆえに西新・藤崎界隈で飲むことも多いそうだ。
ここ『食堂ニコラ』は、通りすがり見つけた瞬間、「ココはいいぞ」と直感したそうだ。
“食堂”という名がつくものの、実際は“お酒”と“食事”を楽しむ店。基本的にお酒を飲まない方はお断りだという。
「まずは“おばんざい盛り合わせ”を頼んでみてください。絶対に驚きますよ」と、菅原さん。言われるがままにオーダーし、しばらく待つと、とんでもないものが運ばれてきた。
▲「おばんざい盛り合わせ」(8種)990円
この量で1人前である。この日の内容は、名物の「蓮根饅頭」「有田鶏おかき揚」「茄子とエリンギ有馬煮」「合いがもスモークといちじく白和え」「含めオクラのてっぱい」「がりとまと」「きりぼし大根彩り煮」「しば漬けなま酢」の8種類。
一品一品、丁寧に作られているのが伝わってくる。
▲ご近所の酒屋さん(左)も登場!
「おだしのメニューが美味しいんですよ」という菅原さん。お品書きには、「サラダ」「揚」「肴」などに並んで「出汁」というパートがあり、だし系のメニューが5品ほど書かれていた。
▲「揚げだし豆腐」(550円)。ボリュームもたっぷり!
和食出身の店主・内山広章さんのモットーは、「毎日ていねいに和だしをとる」ことと、「納得できる食材で作る」こと。 それでいて、価格帯はリーズナブル。西新・藤崎界隈のコスパの素晴らしさは、菅原さんにとっても驚きだったそうだ。また、冷酒だけで日本酒は約15種類。最近は燗酒も揃えている。「お酒への愛が感じられるお店が好きですね」という菅原さんも納得のラインナップである。
「内山さんや、最後に行く『焼鳥あきちゃん』の藤田さんとかと、早良区に人を呼びたいねって、いつも話しているんですよ」。
個性的なお店が、増え始めている早良区界隈。ちょっと面白くなりそうだ。
食堂 ニコラ
- 電話番号
- 092-834-2998
- 営業時間
-
18:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:定休日 火曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
■立ち飲みから業態変更!話題の中華料理の店へ
かつて、「おもしろ21」と呼ばれていた路地がある。その通り名が通じると、世代がバレてしまうことを最近知った。今なお、個性的な店が集まるこの場所にあるのが、『中華菜 髙福』だ。
「ここ、価格の付け方がおかしいんですよ。ふたりで来て、たらふく食べて飲んでも6,000円を超えたことがないんです」と、菅原さんは驚きを隠せない。
中国料理の店でありながら、球磨焼酎や粕取り焼酎、日本酒が豊富に揃っているのも面白いところ。訊けばこの店、この春まで立ち飲み屋だったという。もともと中華の料理人だった店主がその店を引き継ぎ、アテとしてカジュアルな中華メニューを提供していたが、今年4月から広東料理中心の店へと業態を変えた。とはいえ、殆どのメニューが1,000円未満。すでにリピーターが続出中という。
ここでゲストが登場! 早良区界隈の飲食店情報を「てつろぐ。」で発信している高橋哲郎さんだ。哲郎さんは、この店の常連でもあり、当然『捏製作所』にも訪れている。西新界隈の飲食店では知らない人はいない存在だと、菅原さんが笑いながら紹介してくれた。
▲「茹で鶏の唐辛子和え」(450円)、「有頭海老の老酒蒸し」(650円)、「蟹肉とフカヒレ入りとろみスープ」(1,400円)。立ち飲みの名残で、球磨焼酎や粕取焼酎、日本酒の品揃えも充実している。
中華菜 高福
- 電話番号
- 092-831-5155
- 営業時間
-
18:00〜L.O.23:30(日・祝~L.O.22:30)
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
■メディア初登場の、深夜3時までの焼鳥店へ!
この日の締めに訪れたのは、『捏製作所』からもほど近い『焼鳥あきちゃん』。哲郎さんも一緒に向かったら、1軒目の『博多空気椅子酒場 輝』で中座した奥様・慶さんも再び合流。
気づけば24時を過ぎていた。「24時過ぎてちゃんとした食事ができるお店、この辺にはなかなかないですもんね」と、西新界隈を知り尽くした哲郎さん。
この7月で3年目を迎えた『焼鳥あきちゃん』は、メディア初登場!
午前3時まで開いているとあって、同業者のお客も多いそうだ。
▲「生本マグロ」(980円)、「いくらの醤油漬け」(480円)、「とんび90g」(1,280円)、串は120円〜
『ニコラ』の内山さんや、菅原さんと仲良くなるうちに、日本酒に目覚め、最近、日本酒用の冷蔵庫を置いたという店主・藤田さん。互いに刺激し合いながら、このエリアを盛り上げていこうという思いがひしひしと伝わってくる。
「福岡は食材が豊富で、買い出しがすごく楽しいんです。今日の捏を何にしよう!と、日替わりでできるのも、京都時代にはなかったこと。個人商店も多いので、店主からいろんな情報が得られるので、そこからメニューになることも多いんです」。
十二夜に続き、早良区界隈を巡ったが、今回出会った人々が、この界隈をさらにアツくしていくことを改めて感じた。
焼鳥あきちゃん
- 電話番号
- 092-831-5488
- 営業時間
-
18:00~翌4:00
定休日:定休日 無休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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