しっとりジューシーな肉がたまらない！　水晶プレートで焼いた肉が5,000円で楽しめる新店がオープン

「水晶プレート」で食べる肉がおいしいらしい、との噂を耳にした。肉にゆっくりと熱が入るため水分を逃がさず、しっとりとした柔らかい肉に仕上がるらしい。そんな中、「水晶プレートで肉を食べられる店ができた」と聞き、早速行ってみることに。

向かった先は、8月8日にオープンした、渋谷『BITTER VALLEY GRILL（ビターバリーグリル）』。渋谷駅から徒歩1分、渋谷警察署の反対側、明治通りにその店はあった。

水晶プレートには、遠赤外線効果でお肉の臭みを取り除いたり、煙が出にくい、油がはねにくいといった特徴があるんだそう。店主の竹内祐樹さんは、水晶プレートで肉を食べた瞬間に衝撃を受け、この店で導入することに決めたんだとか。

初めて見る人は「この上でお肉をグリルするの？」と思ってしまうほど、まるでオブジェのような見た目。ほんとにおいしく仕上がるのか、早速試してみよう。

この店の人気2トップという、イチボ（上）とランプ（下）だ。イチボは牛の尻の先端部であり、甘みの強さが特徴。ランプは牛の腰から尻にかけての赤身の部位で、一番人気だという。

このふたつにハラミを合わせた「おまかせ3種盛り」を注文する。右からハラミ、イチボ、ランプだ。

表面には、既にうっすらと焼き目がついている。この店では、肉の芯温を55度以上60度以下に保ちながらオーブンで焼き、うまみの流出を最小限に抑えたものを、水晶プレートを使って自分の好みに焼いて食べるシステム。写真の状態はかなりレアだが、もちろんこのまま食べることもできる。ピンク色の赤身肉が好きなひとには、たまらない状態だ。

わくわくしながらテーブルに置かれた水晶プレートに、肉を並べていく。焼肉店でおなじみのジューッとした音が全く聞こえないため、焼けているのかついつい不安になるが、しっかりと肉に火は通っている。

並んだ肉から出る煙は、本当に微々たるもの。「女性のお客様や、スーツ姿のお客様が気にするのはにおい。煙のにおいを気にせずに楽しんでもらえたらと思って」と竹内さんは語る。

ひっくり返して初めて「あ、火が通ってる」と思うほどに静かな水晶プレート。熱が冷めにくいので、火を止めて保温状態にしてから肉を食べよう。

用意されたのは、7種の塩やソース。白皿の右奥からもみじおろし、ワサビ、柚子コショウ。銀のカップに入っているのは手前から時計回りに岩塩、香草入りレモンオイル、トリュフ塩、そしてリンゴやパイナップルが隠し味に入ったステーキソース。どれをつけるか迷ってしまう。

まずは一番人気のランプを、おなじく一番人気のトリュフ塩で。

しっかりと火が通っているものの、中はみずみずしい。ぎゅっとつまったうまみを感じつつも、ジューシーさも感じられた。こんな調理法があったのか、と驚くような絶妙なバランスだ。

牛の横隔膜の筋肉であるハラミは、赤身のような味わいが特徴。こちらにはワサビを合わせてみた。濃い味のハラミは、元々柔らかい部位ではあるものの、水晶プレートで焼くとさらに柔らかな食感に。肉汁が内側にすべて溜めこまれてあったかのごとく、噛みしめるほどに肉のガツンとした風味が口いっぱいに広がる。

サイドメニューで人気なのは、「ハムの盛り合わせ」。スペイン産の生ハムであるハモンセラーノ、鴨のプロシュート、鶏香草ハムの3種をワンプレートにしたこちらは、豚・鴨・鶏を一気に楽しめるのがポイント。

同じ盛り合わせなら、チーズ盛り合わせも見逃せない。9種あるチーズのラインナップから、4種を盛り合わせにして提供する人気商品。

このチーズを入れて欲しい、なんて要望にも場合によっては応えられるそうなので、リクエストがある場合は予約時にお願いしてみるのも手だ。

ちなみに店名は、渋谷の地名にちなんで、「渋い=Bitter」「谷＝Valley」という意味なんだそう。直訳すると「渋谷グリル」、わかりやすい！

水晶プレートで肉を提供する店は、まだまだ少ない。水晶プレート自体が非常に高価なものであるため、高級店でしか出せないというのが本音のようだ。渋谷という気軽に行きやすい場所に、予算5,000円ほどで水晶プレートグリルを楽しめるお店が出来たとなれば、伺わない理由はないだろう。

（文・写真／雨宮美奈子）

（メニュー）
おまかせ牛3種盛り　3,500円
ハム盛り合わせ　1,000円
チーズ盛り合わせ　1,400円
※価格すべて税別