福岡美女が「この人に会いたい」と訪れる、人と料理と酒が魅力的なお店ではしご酒
【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」第十四夜 福岡の酒飲みは1軒では帰らない。ほぼ必ず2軒目に行くし、2軒目を出たら次の店…。職住近接ゆえ終電や終バスを逃しても笑顔で楽しく飲んでいる。“はしご酒”文化が根付くこの街の遊び方を毎回伝授いただく。
- レストラン
- 福岡
- ワイン
- アジア・エスニック
- 沖縄料理
- ビストロ
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- Summary
- 1.天神エリアからほど近いセンス溢れるカフェでランチからスタート!
2.夕暮れ時からも酔える、普段は取材お断りのマンション内の隠れ家ワインバー
3.沖縄直送食材が味わえる居酒屋とフランス人オーナーによる連日賑わうビストロ
第十四夜:すみれとりぼん・菱川知美さん
今回の案内人は、自宅でものづくりをする傍ら、福岡市内の飲食店や雑貨店のお手伝いをしている菱川知美さん。彼女が飲食の世界に入ったきっかけは、自宅の近所にイタリア料理店『チェルニア』がオープンしたこと。「すてきなカフェができたと思って気軽な気持ちで行ってみたら、すごくちゃんとしたイタリアンで。何度か通っているうちにシェフとも仲良くなって、『ちょっと働いてみない?』と言っていただいたんです」と当時を振り返る。
そんな知美さんは、現在、『チェルニア』、『町屋あかりや』(チェルニアの姉妹店)と、イタリアワインやオーガニックフードなどを扱う『ROBA BUONA』で接客をしている。
「料理やお酒もですが、何よりもそのお店の人と会いたくて」と話す知美さんの休日にお供させていただいた。
まずは大好きなカフェ『パッパライライ』のランチを堪能
この日、最初に訪れたのは、知美さんの憧れの場所だったという『パッパライライ』。天神エリアから徒歩圏内でありながら、とても静かで落ち着いた場所にあるカフェである。
「以前から名前は聞いたことがあって、理恵さん(店主)のInstagramとかも覗き見していて、行ってみたいけどなかなかいけないお店だったんです。親友の結婚式の三次会をこの店でさせてもらったことで理恵さんともお会いでき、その親友が今年の7月、私のお誕生日に連れてきてくれました。
知美さんが、この店に惹かれる理由は、理恵さんのセンスが好きで、考え方にもすごく共感を覚えるからだそう。
「男女問わず、自分がやりたいと思うことをブレずに貫く、信念のようなものを感じる人が好きですね」と知美さんは、自身のものづくりや考え方にも、いい刺激になっているという。
▲まるでステージのような美しさのオープンキッチン
▲「papparayrayサラダC」(1,500円・自家製パン・ドリンク・デザート付き)
papparayray(パッパライライ)
- 電話番号
- 092-406-9361
- 営業時間
-
11:30〜18:00(ランチ11:30〜L.O.14:30)
定休日:定休日 木・金
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
第10夜の案内人が営む隠れ家バー『黄昏』へ
▲マンションの一室ゆえ、インターフォンを鳴らして入店する
まだまだ明るい午後4時過ぎ。
2軒目に訪れたのは、第十夜の案内人として登場した手嶋渚さんが営むバー『黄昏』だ。
マンションの一室にあり、入店する際はインターフォンを鳴らす。
知美さんが『黄昏』の存在を知ったのは、『チェルニア』に置いてあったショップカードがきっかけ。「シェフからも『絶対好きだと思うよ』と言われていたけど、なかなか来られずにいたら、飲み会で渚ちゃんに会うようになって。二カ月に一度、仲間たちと深夜に開催しているお誕生日会でも毎回会うし、お店に行く前に仲良くなっていましたね」。
国内外のレストランで働きながら、海外では近郊のワイナリーを手伝ったりもしていた店主がセレクトするワインは自然派が中心。
▲グラスワインは常時10種類程度(800円〜)
「渚ちゃんのワインの選び方や進め方が好きなんです。心からワインが好きということを感じるし、接客も素晴らしくて。こんなふうにお客様と接することができる彼女を尊敬しています」と、知美さん。
そんな手嶋さんに会わせたくて、大切な人と訪れることが多いそうだ。
▲(左)カレーやさんと称する人もいるほどの人気を誇る「たそカレー」。この日の具材は鶏と梅干しと里芋。/(右)渚ちゃんお手製の「ミートソースとスモークチーズのケークサレ」(300円)。
▲渚ちゃんとスタッフのルシルがお見送りしてくれた
黄昏
- 電話番号
- 092-753-8559
- 営業時間
-
15:00〜翌3:00
定休日:定休日 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
笑顔が素敵な「ちょいさぼ」店主・さぼさんに会いたい!
『黄昏』からタクシーで5分ちょっと。渡辺通の路地裏にある『ちょいさぼ』に着くと、私たちを見つけた店主・さぼさんが、カウンターの中からわざわざ店の外まで出てきてくれた。
ここは、薬院にある『そいさぼ』の2号店で、今年1月にオープンしたばかり。
『そいさぼ』同様、タイ料理と沖縄料理を提供するが、カウンター席がメインで、これらの料理とお酒を一人でも気軽に“ちょい”と楽しめる、ありそうでなかったスタイルの店なのだ。
「まだこの店ができる前、チェルニアの夫妻に『そいさぼ』に連れて行ってもらいました。
その後、こっちができて、店や自宅からも近いこともあって、こちらに来るようになったんです。
この、なんとも落ち着く雰囲気と、さぼさんの笑顔とサービスが好きで、時々寄らせてもらっています」。と知美さん。
「いつも頼むのは『パクちくわ』。パクチーが大好きで。『パクチーやっこ』もよく食べますね。居酒屋的なのに、一つひとつの料理がちゃんと作られていて、美味しいところもお気に入りです」。
▲(写真左上から)「バクちくわ」(380円)、「パクチーやっこ」(380円)、「手羽中レモングラス揚げ」(1本80円)、「トムヤムおでん」(1個150円)。
というわけで、まずは、「角ハイシークワーサー」(450円)で、「ハイサ〜イ」。オリオンビールやシンハービール、泡盛など、ドリンクの種類も多く、知美さんは、一緒に来る人に合わせてセレクトすることが多いそう。
「さぼさんの、絡むときは絡む、放っとくときは放っとく感じが絶妙なんですよね。だからすごく楽チン。こんな感じなのに、料理のことは細かく説明してくれて。そうは見せないけど、本当にこだわりを持ってやっていることが伝わってくるところに、心を掴まれています」
店を出るときも、さぼさんが笑顔でお見送りしてくれた。
ちょいさぼ
- 電話番号
- 092-737-5402
- 営業時間
-
月~土 居酒屋タイム:17:30~翌2:00(L.O.1:00)(※毎日沖縄より空輸している為、食材が不足の場合、メニュー等変更あり)
定休日:定休日:毎週日曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
仕事場からも自宅からも近い、「LE PARIGOT」でホッと一息
『ちょいさぼ』から歩くこと約5分。
最後に訪れたのは、知美さんがお手伝いをしている『ROBA BUONA』の2軒お隣、
『ル・バリゴ』。
フランス人のアキムが営むこの店は、アキムの人柄と、フランスでの修業経験のあるシェフ、北里卓也さん(通称・リリーさん)の料理に惹かれて訪れる常連客で、連日連夜賑わっている。
「リリーさんは、私がよく行くバーで働いていた頃から知っています。アキムは……気づけば仲良くなっていたというか(笑)。チェルニアのお遣いやプライベートのお買物で、『ROBA BUONA』にはちょくちょく来ていたので、テラスにいるアキムとおしゃべりしたり、通りを歩いていると2階からアキムがフランス語で話しかけてきたりして。普段は凄くおちゃらけているのに、ここで食事をした次の日、私が『ROBA BUONA』にいると、「昨日はありがとう」と必ず言いに来てくれるんですよね。細かな心遣いが凄いんですよ。外で食事をするときは、こういうお客様を大切にする人たちのところで楽しみたいという思いがあります。自分がやりたいことを貫きつつも、それを表に見せないところもかっこいいですよね」
▲「クスクス(鶏と野菜のスープ・メルゲズ)」,「チーズ盛り合わせ」
LE PARIGOT
- 電話番号
- 092-725-2116
- 営業時間
-
18:00~24:00
定休日:定休日 月曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
知美さんが言った。
「なんか、私同じことばかり言ってません? どの店も店主が好きって(笑)」。
料理もお酒も大切な要素だけれど、知美さんにとっては、店主やスタッフがいちばん大切。尊敬できる人柄、刺激を得られる場所。それに加え、全てに共通しているお店を選ぶ条件は、お客様に気を遣わせず、居心地がよく、みんながリラックスしているところであり、お客様一人ひとりを大切にするところだと、知美さんは言う。
福岡の街には、そんな魅力的な店主がたくさんいる。
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