餃子が一皿50円!? 激安なのに手作り餃子が滋味深~い、三軒茶屋『こうらん』は街場中華の宝もの
餃子で巡る世界の旅in東京 #17
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- 1.人気の街・三軒茶屋にある『こうらん』は、クック井上。の行きつけ
2.なんと!手作りの絶品餃子が一皿50円で食べられる
3.看板メニューはアゴラーメン。飲みのシメにもぴったり!
どうも、料理芸人のクック井上。です!
先日、借りて住みたい街ランキング(※)で2位になった三軒茶屋。落ち着いた街並みと利便性が人気の理由でしょうか。実は、この三軒茶屋は僕のホームタウンであり、とっても詳しいエリアなんです!
そこで今回は、三軒茶屋で「地域最安値一皿50円」を掲げる餃子を紹介します。言っておきますが、1個じゃなくて、1皿ですからね。しかも、ただの激安グルメと侮るなかれ。業務用じゃなくて、ちゃんと手作り。絶品の餃子ですからー!! それでは、三茶の50円餃子の謎を解く旅へ、レッツゴー!
やってきたのは、東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩3分の『こうらん』。大通りの茶沢通りから、一本路地に入ったところにある創業25年以上の中華料理屋です。
ラーメンやチャーハン、ちょい飲みにぴったりなつまみ類などメニューが豊富。ついつい、いろいろと頼みたくなりますが、まずは本コラムのお目当て、餃子からいただいてみましょう!
大将、餃子一皿ください!
こんな愛しい手作り餃子が1個10円以下だなんて、信じられへーん!
キタ…
キタキタキタ…
キター! これが噂の50円餃子よ!
こんがりきつね色の焼き目も丁寧な餃子。これが1皿50円。6個入りってことは、えっ、1個10円以下!?
嘘やん。いや嘘でしょ。嘘だと言ってくれ! しかも手作りなんですよ。こんな愛しい手作り餃子が1個10円以下だなんて、信じられへーん! 空前絶後! アンビリバボー!
あっ、取り乱しました。落ち着いて、まずはその味をば。いっっっただきまーす!
わぁー、ホッとする滋味深い味だぁー! 皮はややつるっとしたやわらかい歯ざわり&焼き目はカリッで良いコントラスト。餡は、野菜がシャキッとした食感。それでいて、ほろほろっとほどけていくような口当たりのいい餃子。具材はキャベツとニラ、豚挽肉とシンプル。味付けはややニンニクが多めですが、奇をてらわずにほとんど塩コショウ程度と王道でシンプル。素材の味が生きていて、酢醤油との相性抜群! 昔ながらの滋味深い味こそが、街中華の餃子の神髄ですよ。嗚呼、幸せ。
ところで大将、なんで1皿50円でやってるんですか?
「人通りの少ない場所にあるから、知らない人にもお店を知ってもらおうと、『集客のために50円でやったら?』と息子に提案されたんだよ」と店主の麻生義雄さん。数年前から始めたサービスだそうで、この施策が功を奏し、若いお客さんも増えたのだとか。
確かに僕も初来店の時は、あの茶沢通りの「地域最安値一皿50円」に反応して入った口。最初は期待してなくて、業務用の冷凍餃子だろうなぁと思っていたんだけど、真面目に手作りだったから驚きだったんです。いや、冷凍餃子だとしても1皿50円は安いっていうのに、この手作り。集客のためと言ったって、手間を考えたら絶対にできない! そこにはお客さんへの愛がないと作れない! 値段は安いけど、志は高い。そして愛情たっぷりです。あっ、言い忘れましたが、当然50円の餃子を単品での注文はできません。何か、ライスでもビールでもセットでオーダーして下さい。そして50円なのは1皿目のみで、2皿目からは280円になります。いや、それでも他店に比べれば安いからね! 餃子と一緒に定食を食べてもよし、ビールを飲んでもよし、ですよ。
さっぱりしたアゴのスープとつるっとした喉ごしの細麺は上品な味わい
餃子50円という大将の心意気に応えて、他のメニューも注文して、お店を応援してもらいたい! 三軒茶屋から、こんなに素敵な、老舗の街中華がなくなったら寂しいよ……。
そこで『こうらん』の看板メニューである「アゴラーメン」もオーダー。今ではよく聞くようになったアゴですが、メニュー化した10年前は認知度が低くて、「“アゴ”が特徴的な店主が切り盛りしているのかと思った」と、よく勘違いされたんだとか。あははは、確かにアゴだしの事を知らなかったらそう思うよね(笑) 逆にお店に入ってみたら、大将のアゴ普通だから、がっかりされたのかな(笑)
おっと、そんなこと言ってる間に来ました、看板メニューの「アゴラーメン」。
おー、琥珀色に透き通ったスープからは、日本人なら全員が笑顔になっちゃう、いい香りが。せっかくのアゴラーメン、まずはスープから頂きます!
はぁ(感嘆)もう笑顔を通り越して、笑っちゃうわ。めっちゃ上品な味わい。これ男性も好きですが、女性客も大満足の一品でしょ。東京ラーメンをベースに、さっぱりしたアゴのスープとつるっとした喉ごしの細麺。そこに水菜をあしらうことで、シャキッとした食感と清涼感がプラスされています。大将に似合わず、繊細なラーメンです(失礼)。そしてアゴからひいたおだしに勝るとも劣らぬレベルで、秀逸なのがチャーシュー。6時間ほど、醤油ベースのタレに漬け込んだという肩ロースのチャーシューは、中心部まで味が染み込んでて、やわらかジューシー! アゴラーメンの専門店やったら、行列のできる人気店になるんじゃないかな。あっ、その際もぜひ50円餃子は残してください(笑)
▲撮影途中に入られてきた常連客さんとパシャリ!(こちらの常連さん、実は、あのラーメン評論家の石神秀幸さんのお父さん! 気さくに色々お話して下さいました)
このアゴラーメンを完成させるのに6カ月近くかけ、常連客の方と一緒に、ああでもないこうでもないと考えながら作っていったのだとか。「スープを全部飲み干すお客さんが多い」と、大将の麻生さんが言う通り、僕も撮影だからとか関係なく、本能で全部飲んじゃいました! このアゴラーメン、酒を飲んだあとのシメにも持ってこいだな。間違いない。細胞の一つ一つに染み入るような、優しいラーメンです。
▲店主の麻生さん
餃子1皿50円という安さなのに、手間ひまかけて作った絶品餃子を提供してくれる、こんなにうれしい中華屋がある三軒茶屋は、本当にいい町だと思います。懐かしい、美味しい、あったかいの3拍子が揃った街中華、三軒茶屋『こうらん』の激安ノスタルジック餃子、そして看板メニューのアゴラーメンを味わってくださいね!
※住宅情報サイトHOME'S調べ(2017年2月)
【メニュー】
餃子6個入り 50円(ただし、2皿目以降は280円)
アゴラーメン 750円
※価格は税込
こうらん
- 電話番号
- 03-3419-1019
- 営業時間
-
11:30~15:30、18:00~23:30(L.O.)
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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