ウジウジと転職に悩むアラサー男子が悩んでいることを大胆に解決する方法がここにある【漫画家・江川達也】
愛知教育大学数学科(応用数学専攻)卒業。卒業後、中学の数学教師という経歴を持つ。本宮プロダクションでアシスタントを経て、1984年『BE FREE!』(講談社)で漫画家デビュー。『まじかる☆タルるートくん』(集英社)、『東京大学物語』(小学館)などのヒット作を生み出す。現在はタレントとして活躍中。テレビや雑誌などさまざまなメディアに登場し、コメンテーターとしての顔を持つ。
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- Summary
- 1.転職に悩むアラサーの働きマンに、漫画家・江川達也がアドバイス!
2.あえて自分を底辺に落として、上だけを見る!
3.不安は妄想! すべての不安は的中しないことの方が人生では多い
過酷な仕事で転職に悩む男32歳vs毒舌漫画家・江川達也
本音トークが炸裂し時には炎上を生む漫画家・江川達也さんによる「お悩み相談コラム」の連載第2弾! エンターテインメントからグルメ、教育、時事問題など幅広いジャンルに精通する江川さんが悩みを解決してくれるのは、30代男性ならだれでも悩みを持っているはずのキャリア相談。
相談者は、機械メーカー勤務9年目のヒロシさん(32歳)。大学卒業後にグループ会社を含めて2000人弱規模の会社の物流システム部に配属、大手コンビニエンスストアに物流システムを販売する営業マンだ。出張が多く、月のほとんどが出張で、さらに24時間365日いつでも取引先から電話がかかってくるという過酷な仕事状況に悲鳴を上げている。そんな働きマンに江川節が炸裂!
舞台はここ『星空の中へ』。新宿の高層ビル50階に佇むこちらの店は、地上200mから新宿の夜景を一望できる“スカイダイニング”。カップル向けのペアシートの他、記念日や接待、宴会など様々な席を用意しており、幅広いシーンで利用できる。
全国各地から取り寄せた厳選素材を使用した料理は絶品ぞろい。和をベースにしながらもジャンルにとらわれないメニューは見た目も華やか。「彩り野菜の冷製バーニャカウダー」(写真上・左)は新鮮野菜を特製の醤油麹をきかせた冷製ソースでいただく。また「[極]お造り五種盛合せ」(同・右)はその日の鮮魚を豪快に盛った一品だ。
そんな料理に合わせてお酒も豊富にラインナップ。和食に合う焼酎や日本酒はもちろん、ワインも幅広く揃えており、ゆっくりと食事とお酒が堪能できる空間となっている。
では、早速、シャンパンで乾杯。まずは相談者の悩みを聞いてみよう。
――私は現職で、平均して朝の9時から23時まで働きづめ、休日は取れて月2~3回程度。休みがなかなか取れないこと以外は仕事に特に多くの不満はないのですが、身体にガタも来ていて……。そろそろ転職してもいい頃なのかなと考え中ですが、他に自分に合う仕事があるのか悩んでいます。
江川:そこまで自分で考えているなら、もう結論は決まっている。転職するか、改革を起こすか、どちらかに尽きるな! あなたは今、「絶対コレ!」っていうものがないから行き場がないんだよね?結局、日常をだらだらと続けているって感じ。
あなたが自ら会社の中でアクションをとったり、会社のシステムを自分で変えられない状況であれば、俺だったら辞めちゃうけどな。だって、曖昧で、ぼやっとした感触で仕事をしてても居心地が悪いでしょ? 「今すごく楽しい!」とか「俺がやってやるぜ!」とか、そういう状態が作れないなら、まずはガンガンにアクションをとって改革を進めるか、もしくは諦めて転職すべきでしょ。
大胆に生きるためには、逃げ道を準備しておくことが必要なんだ
――私、改革を進めることに、ちょっと恐怖心があるんです
江川:当然怖いことだと思うよ。俺は、かつて学校の先生をやっていたことがあって、すぐに辞めちゃった経験がある。なぜなら、自分が改革できない壁があるのを痛烈に感じたから。人間は、「明日がよくなるように」「今日よりも幸せになるために」って動いている。それを妨げるマイナス要因は不安だよね。
実は、俺、極端な心配性なんですよ。心配性ゆえに色々な保険を用意してきたんだ。「いつか学校の先生をやめて、漫画家になるために東京に行ったら、仕事がなくなるかもしれない」という不安があった。だから、教員免許のほかにも、水泳指導員の免許、大型トラックの免許もとった。そう、漫画家になれなかった時の逃げ道を用意していたってことだ。
江川:戦国武将の織田信長。彼はイノベーターだと俺は思うんだけど、彼も心配性なんだよね。常に逃げることを考えていた。信長は小さい頃から馬が好きでたくさんの馬を飼っていたんだけど、それはもし戦に負けそうになったら、自分一人で逃げようとしていたんじゃないかな。
大胆に生きるためには、逃げ道を準備しておくことが必要なんだよ。だから、退路を断つとか、川を背にして戦うとかは、ダメ! 他の逃げ道をきちんと作っておけば、改革だって進められるはず。
追い込まれる前に転職なり、改革なり、次の一手を打つことが先決
――大胆な行動ですか……。私、30歳が過ぎて「安定」という言葉が耳から離れないんです。
江川:社会人になって10年くらい経つと、新天地に行こうという気力が薄れてくるんだと思う。でも、そんなに社員を休みなく働かせている会社が長く続くとも思わない。将来性が見込めない。さっきも言ったように、追い込まれる前に、転職なり、改革なり、次の一手を打つことが先決だな。
解決するべき問題がそこにあったから、俺は漫画家になった!
――決断をする後学のために、先生はなぜ漫画の道を選んだのか聞かせていただけますか?
江川:俺は小学校の頃からずっと漫画を描いてたんだよ。それで中1の頃にはプロ並みに上手くなってた。プロの8割は俺よりも絵が下手だと思っていたくらい(笑) でも、そんな簡単に漫画家になれるなんて思ってなかったので、子どもも好きだったし、先生という職業を選んだ。
俺は、もともと学校が大嫌いだった。だからこそ先生になろうと思ったんだよ。そして漫画も人が描く漫画が大嫌いだった。俺が書いたほうが面白いんじゃないか、と。
俺のモチベーションはいろんなものが不満になると、それを解決するというか、それを超えていきたくなるところにある。学校の先生をやっていたら壁にぶち当たって、だったら、漫画の世界で自分が伝えたいものを伝えようという気持ちが湧いてきた。だから漫画の道を選んだんだよね。解決するべき問題がありながら、それを先送りをしているのがイラっとくるんだよ。
『カンブリア宮殿』を見ていい会社があったら飛びつけ!
――転職を考える度に、自分は何が得意なんだろう? と考えてしまいます……。
江川:でも、それはまだやってみてないから、分からないよね。今だって営業という仕事ができているわけだから、会社を変えてもそこそこやれるんじゃないかな。日本人ってそこそこなんでも対応ができるから、何が得意かは特に分かっていない人が多いと思う。
日常に疲れていると、知らないうちにズルズルと行ってしまうこともあるし、引力にやられてパワーが出ない時もある。そういう時はあえて自分をピンチに追い込んで、会社の中でイノベーターになってしまうのもあり。本当は『カンブリア宮殿』を見ていい会社を見つけたら迷わず行っちゃえば! と思うけどね。
俺は漫画を描いてて、連載を終えたかった時に、編集長からそのまま続けてほしいと言われた。けど、人気があったから終わらせてくれなかった。その時、連載を終わらせるにはどうしたらいいかを考えて、あえて自ら人気を落とすという方法に出てみた。それは会社の中でイノベーションするより勇気がいることだったな。
欲望との葛藤が人生の修行なんだ!
――先生のお話を聞いていると自分がちっぽけな気持ちになりますね。
江川:俺も人生で色々悩んできた。でも人生の結論としては、衣食住の満足を叶えるために、みんな働いてお金を稼いでいる。そこが満たされると、次に、承認欲求というものが出てくる。金の次は、名誉なんだよ。
俺は、人気をとるか、自分がやりたいことを描くかで葛藤したことがあった。人気があっても満たされない気持ちを解消するために、デビュー作の途中から自ら漫画の人気を落とすことをして、次に向かっていった。最後は、読者から罵詈雑言を浴びせられて人気がなくなった。でもそれは一つの修行としてやっていたので、そこから俺は強くなりましたね。底辺の状況を経験してみると、ありもしないことに不安でおびえていただけで、あとは上を見るしかないなと思ってすっきりして。それ以来ちょくちょくその方法をとりますよ。
欲望との葛藤が人生の修行だと俺は思っているので、「こうありたい自分」みたいなものを捨てる訓練をして、発想を変えていくことをお勧めするよ。発想を転換することによって自分を鍛えていこうと俺も考えてきた。自分の中に自分の教師みたいなものを置いて、自分の不安と逆のアドバイスを自分に課すということだね。そうしていたら心臓に毛が生えてきたよ。
不安は妄想! すべての不安は的中しないことの方が人生では多い
――どうしようと悩んでいるだけじゃなくて、目線を変えてみるっていうことですね。
江川:そう。みんな、何かをやる前はありもしないことに不安になるんだよ。実際にその出来事が訪れてみると不安って思ったほど不安じゃないというか。みんなが不安に思っているのは、自分の作った妄想。現実にそれが起こるとは限らない。実際に生きてみると思ったほど不安って当たらないよね。思ってもみない災害は多いけれど、思ってた不安がその通りになることって逆に少ないんじゃないかな。
不安は妄想! なるようにしかならないから。不安を解消するために普通とは逆の発想をシミュレーションしてみるだけで問題は解決されると思うよ。
――ありがとうございます。具体的なアドバイスをもらってもやもやしていた気持ちが晴れてきました。まずは行動に移したいと思います。
相談者に限らず、新しいことに取り組むときには、誰にでも不安はあるはず。しかし、江川さんが言うとおり、思っていた不安がその通りになることは稀なことかもしれない。相談者のヒロシさんも毒舌の中に潜む江川さんの優しさにパワーをもらったようだ。
【協力店:星空の中へ】
新宿高層ビルの50階に佇む『星空の中へ』は新宿の夜景が一望できる絶好のロケーションに店を構える。個室やテーブル席、宴会席など多彩なフロア構成で幅広いシーンに対応。素材そのものの味を引き出す和をベースにした料理は、その味わいもさることながら華やかな彩りも魅力のひとつだ。
オススメは「国産牛サーロイン肉溶岩焼き」(写真上・左)。厳選した国産のサーロインを溶岩石の器で提供し、遠赤外線効果でうまみをギュッと閉じ込めた一皿となっている。さらに「トロ鮪のレアカツレツ イクラ卸しと山葵卸し」(同・右)も絶品。こちらはマグロのうまみを引き出す調理を施し、外はサクッ、中はしっとりレアに仕上げており、“イクラ卸し”もしくは“山葵卸し”と共にいただく一品。人数に合わせていろいろなシーンで利用したい一軒だ。
【メニュー】
彩り野菜の冷製バーニャカウダー 1,280円
[極]お造り五種盛合せ 2,980円
トロ鮪のレアカツレツ イクラ卸しと山葵卸し 1,800円
国産牛サーロイン肉溶岩焼き 3,200円
雲丹とイクラの合わせ飯 UNIKURA丼 2,980円
※価格は税抜
星空の中へ
- 電話番号
-
050-5485-6423
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
-
ランチ 11:30~14:00
(L.O.13:30)
ディナー 17:00~23:00
(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:00)
木
17:00~23:00
《年始特別営業時間》2025-01-02(木)
定休日:不定休日あり
年末年始(2024年12月31日・2025年1月1日)
※施設に準ずる
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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