食体験とアート体験を「同時」に味わうと、人はどうなる? NAKEDが始動。最先端体験型レストラン
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- Summary
- 1. 食とアートを完全に融合させた新体験レストランが代々木公園にオープン
2. アーティスト村松亮太郎氏が総合監修した最新鋭アート空間で、おいしい食事を楽しめる
3.料理はブルックリンスタイルのレストランカフェ『HOFF』、デザートはパリ発のモダン・パティスリー『HUGO&VICTOR』が監修
おいしい食とアートギャラリーの体験をつなぐ、新感覚の空間
食とアートが融合する新体験レストラン「TREE by NAKED yoyogi park」が、2017年7月28日にオープンした。
人間の身体的で普遍な「食べる」という行為と、精神活動の「アート」をみごとにつないだ、全く新しい体験が待ちうける。プロジェクションマッピングや映像などの演出があることにより、感覚が研ぎ澄まされ、食べることそのものに全神経が集まる。余計な先入観なく自分が感じるままに食べられることにも新鮮な驚きと発見がある。
手掛けるのは、株式会社ネイキッド 代表の村松亮太郎氏。東京駅3Dプロジェクションマッピング『TOKYO HIKARI VISION』、『新江ノ島水族館ナイトアクアリウム』などで世を席捲した、日本を代表するアーティストの一人だ。映画製作からスタートし、長編/短編作品と合わせて国際映画祭で48ノミネート&受賞を果たすなど、多分野でその才能を発揮している。
「先日LEDを使ったダンスパフォーマンス集団SAMURIZE from EXILE TRIBEと狂言師野村万蔵氏とを結び付け、舞いとダンスが融合したショーを演出させていただいたんです。伝統と先進という相異なるテーマが根底にあるなかに存在する共通点は“踊る”ということでした。
食とアートも同じですね。テクノロジーは急速に発展していくし、AIも台頭している。でもその一方で、食べるという行為は変わらない動作。一見、食とテクノロジーは相反するもののように見えるかもしれないけど、『どちらも続いていき、拡張し続けるもの』という共通点があるから、僕には一緒に見えるんです」(村松氏)
「食×アート」という食×テクノロジーの未知なる体験
食がおいしいことは絶対、との思いから、料理は日頃から村松氏がよく足を運ぶという渋谷区初台にあるニューヨーク/ブルックリンスタイルの『HOFF』が監修する。デザートは『SWEETS by NAKED』で共演を果たしたパリ発のモダン・パティスリー『HUGO&VICTOR』とのコラボレーション。
そして、レストランは食事だけでなく、空間作りも重要。ここに村松氏らしさが全開になる。VR、映像、プロジェクションマッピング、音響、美術と、最新鋭のテクノロジーを駆使し空間全体をプロデュース。食とアートを無理やり同じ空間に置くのではなく、「食×アート」という1ジャンルとして緻密に設計。アーティストとシェフという畑のちがう者同士、何度もトライアルとコミュニケーションを重ね、ようやく実現へとこぎつけたという。
体験レストランの、物語のはじまり。
その「食×アート」の世界を、少しだけ紹介しよう。
まずは地下1階の「WAITING ROOM」へ。食前酒をいただきながら観るプロローグの映像が、我々を物語の世界へといざなう。
イントロが終わると、同フロアの「MAIN SPACE」へ移動。ここから誕生、刺激、拡張、幻想、一体という構成からなるコース料理のはじまりだ。
感覚そのものが動かされる食事、五感を使って自由に感じる
料理は1ジャンルに留まらず、洋の体裁でありつつも、器や食材に和のテイストも感じられるフュージョン料理を提案する。食材はオーガニックなど、良いものを当たり前に使いたいというモットーのもと、そろえられている。
今回は特別に、冒頭の「誕生」「刺激」「拡張」の3つの料理を紹介しよう。
まずは一皿目、「誕生」だ。目の前には黒いお皿に盛られた土と、種が用意される。満月の映像とともに、カカオの甘さがふんわり香ってくる。実は、この土としているものは、ココアと小麦をあわせたもの。種はスペルト小麦で表現されている。
そして、合図とともにお皿に添えられた小さな鍬で土を耕し、種を植え、上からそっと土をかぶせる。ここでVRを装着するよう促され、見ると今まさに植えた種子に満月の光が注がれ、力いっぱい天に向かって伸びていく様子が映し出される。
VRを外すと目の前には、「ツブ貝とスペルト小麦 マイクロリーフ添え」がサーブされる。先ほど植えた種(スペルト小麦)からマイクロリーフが芽吹き、新芽に見立てたキュウリが誕生を喜ぶかのように皿を飾る。球状に固めたオリーブオイルが、プロジェクションマッピングと呼応してひときわ神秘的に輝いている。ツブ貝のみずみずしさが生まれたての無垢さを感じさせ、コリっとした食感が身体に響いてくる一皿だ。
次は「刺激」。外界からの刺激を受け成長しようとする命は、初めて実感する「生きている」という感覚に、喜びと驚きが入り混じる。テーブルや目の前に映し出される映像と、我々を包み込むような音響で、まるで宇宙の中を漂っているような感覚に。そしてサーブされるのが、「雲丹とカスタード 青柚子のジュレ」だ。
キャビア、ウニ、イクラがカスタードの上に宝石のように散りばめられ、青柚子のジュレのさっぱり感が、生まれたての初々しさを感じさせる。卵づくしの洋風茶碗蒸しといった一皿は、刺激によって細胞分裂する躍動感を表しているかのようだった。
3皿目の「拡張」では、目の前にサーブされたお皿に水が注がれる。何が始まるのだろうという期待感が高まるなか、ブルーの水の中から3匹の稚魚の姿が現れる。指で触れると、元気に大海原へと旅立っていく。テーブルの周りを魚たちが泳ぎまわりどんどん成長をしていき、やがて成魚になると、「本日の鮮魚 フェンネルと百合根のソース」として我々のお皿の中に戻ってくる。
真鯛(魚は本日の鮮魚をご提供)の肉厚な身とふっくらした食感が魚の成長を実感させ、添えられた百合根のソースにより、味にふくよかさが増す。生命の営みの壮大さ、その命が自分の身になっていく感覚。食物連鎖を彷彿とさせ、食べるという行為の根源的な部分が浮き彫りになる。
4皿目の「幻想」へと進むが、紹介はここまで。
画像から察するに、どうやら中にスモークを閉じ込めた料理が登場するらしい。
「体験型レストランの世界」を、少しだけ動画でご紹介!
「空腹を満たすだけなら、わざわざレストランに行く必要ってないじゃないですか。食べることを通して、どのように人と社会と関わっていくのかということを体験する場でもあります。だから、料理もパフォーマンスもまだまだ進化していきますよ。手づかみしたり、匂いをかいだりと、次の物語はもっとアナログな動作を増やしていきたいですね」(村松氏)
代々木公園に続き、10/11岐阜県の多治見駅前にも体験型レストラン『TREE by NAKED tajimi』のオープンが決定している。
テクノロジーの発達で、疑似体験がいとも簡単にできる時代になったが、食べることは実体験が伴わなければ成就しない。『TREE by NAKED yoyogi park』は、訪れたものにしか得られないことがあり、その体験をきっと誰かと共有したくなるはずだ。
【メニュー】
Dinner Course 6皿 15,000円
Dinner Course 6皿+Pairing Drink 18,000円
※価格はすべて税込
TREE by NAKED yoyogi park
- 電話番号
- 03-6804-9038
- 営業時間
-
完全予約制【 第1回】 doors open 17:30、start 18:00、end 19:30 (lounge out 20:30) 【第2回】 doors open 20:00、start 20:30、end 22:00 (lounge out 23:00)
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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