渋谷からたった5駅の知らない街。自由が丘と学芸大の間の超穴場な・都立大のさらにディープな店案内
【幸食秘宝館】#011 グルメサイトでもなかなか表れない、本当は教えたくない至福の隠れ家。街をさすらい、街に愛された賢人だけが知っている、店選びの黄金律。人気のレビューでは辿り着けない、「幸食の秘宝」そっと教えます。
- レストラン
- 祐天寺・学芸大・都立大
- プレミアム記事
- 連載
はてぶ - LINE
- Summary
- 1.オシャレ系の多い東急東横線沿線にあって、ミーハーを遠ざけた通好みの名店が軒を連ねている
2.近年はナチュラルワインと有機野菜が楽しめる店が増えたこの街でも特に隠れ家と呼べる店3選
3.老舗の昭和系カレーから日本酒、そして知らないとたどり着けない小料理屋まで
#011 UKを目指した学び舎の果て、都立大学
隣りの学芸大学駅と同じように、都立大学駅には同名の大学は存在しない。その東京都立大学そのものも、2005年に首都大学東京として改称・再編されたため、2011年春に閉学。西武新宿線の都立家政駅などと同様に、実際には存在しない学校名を持つ駅となった。
もともと、東京都立大学の前身といえる存在でもっとも古いのは、1929(昭和4)年に設置された旧制府立高等学校。内地では一番最後に設立された7年制高校だった。7年制とは、4年間の尋常科と3年間の高等科の一貫教育。つまりは、英国のパブリックスクールだ。都立大はその中でも名門中の名門、イートン校を理想としていた。既に中学進学の時点で、現東京大学への進学が確証される、とんでもないエリート校だった訳だ。
やがて、戦時中に東京は府から都に変わり、都立高等学校と改名。最初、柿の木坂駅だった駅名は、学校名が変わる度に、府立高等前駅、府立高等駅、都立高校駅と変容する。現在の都立大学駅になったのは、1952(昭和27)年のことだった。その後、1991年に都立大が多摩ニュータウンに移転しても、住民たちの意向で駅名はそのままになった。
学生街の面影が残る静かな住宅地、都立大の中核を成す中根という地名は江戸時代から脈々と受け継がれて来た。元来、「根」という名称は、山の峰や尾根から平地に向かった斜面がちょうど平地に届くところ。太古の時代から、人が住みやすい場所だった。
それを物語るように、中根付近にはいくつもの貝塚が発見されている。古墳時代からの名住宅地は、やがてUKのトップを目指した学園都市に変わり、いつか静かな各駅停車の住宅街になった。だからこそ、街にはミーハーを遠ざけた通好みの名店が軒を連ねている。
ナチュラルワインと有機野菜の料理が味わえる『ビストロ ル コントワール ド クエルクス』、同じくナチュラルワインと料理が名高い『マルカン』、代々木上原『Gris』佐々木シェフの独立店『hugo』、隣り駅の人気店の姉妹店『カンティーナ カーリカ・リ』。
今回は、そんな有名店のお膝元で、地元の住民たちに愛されている知られざる至宝たちを紹介しよう。
・全国の名ワンカップとうまいアテが揃う現役ミュージシャンの酒スタンド。
・昭和の文化遺産と言っても過言ではないカレーが美味しい街の喫茶店。
・厳選された日本酒と端正な和食が午前3時まで楽しめる隠れ家小料理屋。
さぁ、そろそろ自由が丘と学芸大に挟まれた控えめなプリンス、都立大学へ。
この記事にはまだ続きがあります
今すぐ続きを読む
すべて読むには、ぐるなびプレミアム会員登録が必要です
はてぶ - LINE