【日本初上陸】骨付き肉とスパイスたっぷりスープで身体がポカポカ!「バクテー」を一度は食べてみるべし

中村結

Summary
1.シンガポールのローカルフード「肉骨茶(バクテー)」の専門店がオープン
2.スパイスや漢方をふんだんに使った無化調のオリジナルレシピ
3.ライスや揚げパン、細麺などさまざまな組み合わせも楽しめる

日本初上陸! 本格派の肉骨茶(バクテー)専門店が赤坂にオープン

東京メトロ赤坂駅から徒歩3分、赤坂通り沿いに2017年4月、『新加坡肉骨茶(シンガポールバクテー)』がオープンした。

「肉骨茶(バクテー)」とは、マレーシアやシンガポールに伝わるローカルフード。豚のスペアリブをさまざまなスパイスや漢方、香辛料とともに煮込んだもので、もともとは中国系の肉体労働者たちが栄養補給のために食べていたものが始まりだそう。
今でも現地では、滋養たっぷりのスタミナ食として根強い人気があり、朝食やお酒のシメなどに最適な食べ物として広く愛されている。

『シンガポールバクテー』では、シンガポールの『松發肉骨茶』(ソンファバクテー)や『亜華肉骨茶』(ヤーファバクテー)、『發起人肉骨茶』(ファウンダーバクテー)など数々の人気店の味を研究。何年も試行錯誤を重ねて開発したオリジナルレシピを基に、満を持して日本初のシンガポールバクテー専門店をスタートさせた。

コラーゲンたっぷり!ヘルシーな無化調バクテーにやみつき

同店オリジナルレシピで完成したシンガポールバクテー(写真上)。一般的に、漢方や中国醤油で煮込むことにより黒っぽいスープであることが多いマレーシアのバクテーに対し、シンガポールのバクテーは透明ですっきりしたスープが特徴。豚のダシが効いたさっぱり味が楽しめる。

そして、このオリジナルバクテーの最大の特徴は、無化学調味料で作り上げていること。現地では多くの店が化学調味料を使っているのに対し、同店では完全無化学調味料のバクテーのレシピを創りだすことに成功。よりヘルシーかつ滋養溢れるスープを味わえる。

作り方は、まず大量の骨付き塊肉(写真上)を下茹でして余分な脂や臭みを取り除いた後、漢方やスパイス、国産のうまみ素材と共にじっくりと火入れを行っていく。ポイントは、湯温100℃未満をキープし、コトコトと弱火で6~8時間煮込むこと。そうすることで、スペアリブ自体のコラーゲンやうまみ成分を残しつつも脂っこさがおさえられ、身はホロホロと骨離れのよい状態に。十分なほどコクがありながら、さっぱりしたスープに仕上がるのだという。

味の決め手となるスパイスと漢方は、たっぷりの白コショウと黒コショウ、皮付きニンニクのほか、冷え性改善や整腸作用のある桂皮(ケイヒ・写真上・上)や、血の巡りを良くする西洋当帰(セイヨウトウキ・同右下)、胃の働きを健やかにする八角(同左下)など、約10種類以上を季節に応じて使用。
血行促進作用によるむくみ改善やホルモン活性化効果など、スープを飲むことによりさまざまな美容・健康効果が期待できるのもうれしい。

身体がポカポカに温まる!クセになるスパイシーな味

バクテーには骨付きと骨なしの2種類がある。バクテー単品でオーダーする以外に、ライスや「油条」(ヨウティヤオ)と呼ばれる揚げパン(写真上・左下)、極細の小麦麺「ミースア」(同左上)など好みのサイドメニューを組み合わせることもできる。

一番人気はバクテー×ライスのセットだが、いろいろ食べてみたい!という人には、バクテーにサイドの中から3品を組み合わせることが可能な「肉骨茶満喫セット」(写真上)がおすすめだ。

まずはスープをひと口飲んでみると、コショウが効いていて、予想していたよりもずっとスパイシーな味に驚く。そしてピリッと刺激があるだけでなく、これまでに経験したことのない複雑な風味と奥行きが口いっぱいに広がる。

次に骨付きバクテーを手に取り、勢いよくかぶりついてみると、実にさっぱりと嫌みのない味わい。余計な臭みや脂肪分が抜けており、肉そのもののうまみが味わえる。

シンプルな味に変化をつけたくなったら、備え付けの唐辛子入りブラックソイソースを付けて食べてみてほしい。本国から直接取り寄せているという中国醤油を使ったソースの、まろやかでコクのある味わいで、ほどよいアクセントになってくれる。

ライス、油条、ミースア。どれも絶品なバクテーのお供

バクテーそのものを堪能したら、ライスをレンゲに取り、スープに浸して食べてみよう。
力強くもサラッとしたスープとライスが絶妙にマッチし、体調不良や二日酔いなどで食欲がない時でも負担なく食べられること請け合いだ。なお、ランチタイムにはライスがおかわり自由なのもうれしい。

続いて、「油条」(ヨウティヤオ)をスープに浸して食べてみる。「油条」とは、中国で朝食に欠かせないメニューとして広く親しまれている細長い揚げパンのこと。同店では本国のレシピを元に店内で手作りしている。たっぷりとスープの染み込んだパンはじゅわっと口中で溶けていき、ライスとはまた違ったおいしさが楽しめる。

〆は中国の細麺「ミースア」。現地では米粉を使ったビーフンのような麺がポピュラーだが、同店では小麦粉を使った極細麺を使用している。スープに浸してすすってみると、こちらはコショウの効いた豚骨ラーメンのようで、親しみやすい味わいだ。ラーメン好きな日本人には、この組み合わせはたまらない。

こうした炭水化物類のほかに、「肉骨茶満喫セット」の付け合わせとして「春菊」をセレクトすることもできる。これは常連客からのリクエストで新たに加わったというサイドメニューで、もし糖質制限を実行中の身であれば、「バクテー」×「春菊」という組み合わせは理想的な選択といえるだろう。

こうしてさまざまな組み合わせを堪能しながら食べ進めるうちに、身体がポカポカしてきて、次第にじんわり汗が噴き出してくることに気づく。まさにそれこそが現地で長きに渡ってバクテーが愛される理由だ。スープの滋養と薬効により、血の巡りが良くなり、身体が温まる。バクテーは日々の活力をチャージしてくれる、パワフルなエナジーフードなのだ。

「”今日は二日酔い気味なので”とか、”風邪を引いちゃったから、治したくて来ました”といって来店くださるお客様も多いです」と話すのはスタッフの平野義幸さん(写真右端)。「バクテーはまだまだ日本でポピュラーとは言い難いですが、少しでも多くの方においしい!と好きになっていただくため、手間暇をかけて無化学調味料にこだわっています」と話してくれた。

シンガポールからの赴任者や、現地駐在経験者からも「本場のバクテーを超えた!」と高い評価を受け、すでに多くのリピーターを生み出しているという『シンガポールバクテー』。ちょっと元気が足りないとき、エネルギーをチャージしたいときの新たな選択肢として、ぜひバクテーを味わってみてほしい。

撮影:岡本寿

【メニュー】
肉骨茶満喫セット 1,280円
肉骨茶ライスセット 900円
肉骨茶セット(油条) 980円
肉骨茶セット(ミースア)1,080円  
(以上ランチタイムのみ)
肉骨茶単品(骨付き・骨なし)780円
パクチートッピング 200円
辛味噌ホルモン 350円
春菊スープ   350円
※価格は税抜

新加坡肉骨茶(シンガポールバクテー)

住所
〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-14
電話番号
080-4734-1128
営業時間
月~金11:30~23:00(L.O.22:30) 土日祝11:30~21:00(L.O.20:30)
定休日:不定休(公式Facebookにて告知)
公式サイト
公式ページhttps://www.facebook.com/sgbkt/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。