フレンチ仕立ての絶品「餃子」に騎士団オフィシエも唸った、最強のマリアージュを仕掛けた一軒!

みんな大好き「お酒」だけれど、もっと大人の飲み方をしたいあなた。文化や知識や選び方を知れば、お酒は一層おいしくなります。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエによる「お酒の向こう側の物語」
♯「餃子」と「シャンパーニュ」のマリアージュ

Summary
1.シャンパーニュ騎士団オフィシエが唸った! 「餃子」と「シャンパーニュ」という組み合わせ
2.マリアージュには合うもの、合わないものがある!
3.「餃子」と「シャンパーニュ」のマリアージュを提案する、絶対行くべきお店がここ!

シャンパーニュ騎士団オフィシエも驚きと納得。「餃子」×「シャンパーニュ」という発見

ワインと食の組み合わせは「マリアージュ」、つまり「結婚」と呼ばれるのは周知の通り。今回はシャンパーニュ騎士団オフィシエが驚き・納得の「餃子」×「シャンパーニュ」というマリアージュが楽しめる、とっておきのお店を紹介する。

「マリアージュ」。それは個性によって合う相手、合わない相手がいる

「マリアージュ」。それは、とてもロマンティックだし、特別で、美しい関係だ。シャンパーニュももちろん素敵なマリアージュがある。ただ、さすがフランス発祥の考え方。ある有名シャンパーニュメゾンのオーナーはこう言った。

「結婚だからね。そりゃあいい結婚もあれば、悪い結婚もあるよ(ニヤリ)」。

結婚しなければわからない末永い良い関係もあれば、恋愛段階だからトライできる、ちょっとハラハラな関係もある。恋愛の国、美食の国フランスらしくマリアージュの考え方は、王道を推奨するばかりではない。

ワインと食、シャンパーニュと食のマリアージュも、鉄板なものもあればチャレンジングなものもあるし、もちろんそれぞれのメゾンの個性によって合う相手、合わない相手も出てくる。

例えば映画の名シーンとなった「いちごとシャンパーニュ」。これが本当に良いマリアージュなのかというのは議論があって、僕の感覚では、こと一般論として味覚的なペアリングとしては、合わない。それでも見た目に気分が上がることは素敵だし、少しスイートなロゼシャンパーニュなど意外にしっくりくる組み合わせもある。

同様に「チョコレートにシャンパーニュ」などスイーツ系も難しいのだけれど、これも「お!これはいける」というペアリングもある。定番と言われているキャビアとのペアリングも実は難しい。魚卵とシャンパーニュは意外と合うものが少ない。逆に言えばそれがピンポイントで合うシャンパーニュを見つけたときの喜びはたまらない。

一般的にはホタテや牡蠣に甲殻類という組み合わせが定番だが、現在、シャンパーニュとの組み合わせで注目されているのは、和食、寿司、天ぷら。20年前にはあまり聞かれなかったものだが、現在は、鉄板中の鉄板。

数多くのメゾン関係者、ワインメイカーたちにインタビューしてきたが、彼らは口をそろえて推奨する。実際によく合う。最近ではより深く、天ぷらならなに? 寿司ならなんのネタなのか? と聞くこともあって、日本通の関係者は、事細かに、甘エビ、イカ、鯛、マグロの赤身、天ぷらなら春野菜や夏野菜などと粋に答えてくれることもある。一方で、地酒っぽさを残すシャンパーニュなら、豚のテリーヌや、鳥の胸腺、濃い目のロゼなら鴨肉やジビエと、素敵な関係を探すのは実に楽しい。

「餃子」×「シャンパーニュ」というマリアージュを仕掛けた一軒とは?

その楽しい組み合わせに意外なものが加わった。餃子だ。繊細、華麗、セレブリティといったイメージのシャンパーニュと、大衆食の代表ともいえる餃子。最初に聞いたときには「?」が3つも4つも頭の上に並んだ。ハラハラしながらも失敗を恐れずに踏み込む恋愛…は嫌いな方ではないが、さすがにこの恋愛の先に幸せな結婚があるとは思えない。なんでもやればいいというものではないんじゃないか。と思っていたのだが、これが…試してみてごめんなさい。素直に受け入れた。

ではなぜこの組み合わせが良かったのか? 今やすっかり僕のお気に入りの店となった、シャンパーニュ×餃子という幸せな結婚を仕掛けた一軒を紹介しながら、その理由を書いていこう。

こちら、餃子×シャンパーニュをメインに据えたカジュアルな店。オーナー曰く、「餃子は言ってみれば豚肉料理。フレンチでは豚肉料理は定番ですし、それを気軽に食べられると考えたら自然と餃子にたどり着いたんです」。

中華の餃子ではなくフレンチ豚肉料理のファストフードとしての餃子。だからシャンパーニュと手を取りあうための工夫が随所にある。

「ニラは使っていません。青っぽい風味とブドウ品種のシャルドネは相性が悪い。ニンニクの量も弱すぎては餃子として物足りないし、強すぎるとシャンパーニュの風味を壊してしまう。こうしたことも追求しました」。

気軽に合わせてほしいからこそ徹底的に考える。白菜ではなく、お好み焼きなどで使われる甘みの強い、大阪・泉州の「松波キャベツ」を使う。シャンパーニュの余韻の甘やかさと楽しく絡み合う。

おススメシャンパーニュはハッピーアワーで500円~! グラスと箸がとまらない

タレも面白い。チェリートマトのペースト、胡麻みそだれ、柑橘の出汁ポン酢、さらに白トリュフオイルと岩塩など、選んだシャンパーニュのアロマやテイストに寄せながら合わせることができる。サイズ感もシャンパーニュグラスとのバランスがいい、こぶりだけれど一口ではもったいないという絶妙さ。女性でも2皿(12個)は軽々、その間にシャンパーニュも4杯、5杯と進む。

追加メニューでお勧めしたいのは、これも最初は「?」が浮かぶ「シャンパンに合うキムチ盛り合わせ」。季節のフルーツを使ったキムチだが、甘酢の優しさと、辛さというよりも香りのスパイスがシャンパーニュと手を取り合ってくれる。これもグラスも箸も止まらない関係だ。

餃子という大衆的なアイテム。もちろんその思考錯誤や創意工夫はおいしさの中から伝わってくるが、どこか、それでも餃子は餃子という気軽さがある。それが高級酒と思われるシャンパーニュを気軽に楽しめる存在にしてくれる。

ハウスシャンパーニュやおススメシャンパーニュはハッピーアワーでは500円~というリーズナブルさ。「ビールよりも安い値段で楽しんでいただき、次はこんな感じのシャンパーニュを飲もうと思っていただければうれしいです。5年後、10年後、シャンパーニュを楽しむ方がもっと増えて欲しいので」と、オーナー。そんな同店の名は…

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