薪で焼く「土佐あかうし」が絶品すぎる! 神戸・北野坂沿いのお洒落なイタリアン『erre』
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- 1.名店『サバティーニ』『アロマフレスカ』出身の実力派シェフが独立オープン
2.建築家、陶芸家、デザイナー、農家、薪調達プロなどとタッグを組んだこだわりの店
3.“原始的な調理法”を巧みに取り入れ、素材のうまみを存分に味わえるイタリアンを提供
北野坂に誕生した、古色とモダンを織り交ぜた空間
西洋風の建物が建ち並ぶ異人館街へと続く神戸・北野坂沿いのビルに、2017年12月13日、イタリアンレストラン『erre -エッレ-』が誕生した。
薪が高く積み上げられた入口を入り、レンガ造りのアプローチを抜けると、北野坂を望む大きな窓から明るい光が差し込む開放的な空間が広がる。
厨房を見渡すことができるL字型カウンターはコンクリート製。窓際に並ぶテーブルは木製。ナチュラルな素材が醸し出すあたたかみと、モダンなテイストが織りなす店内にいると、思わずここが神戸であることを忘れてしまう。
名店出身シェフと、あらゆるジャンルのプロたちがプロデュース
オーナーシェフ・濱部隆章さんは調理師学校を卒業後、イタリア・ローマに本店を持つ『リストランテ サバティーニ青山』を皮切りに、銀座にある『アロマフレスカ』、『アルマーニ/リストランテ』など名だたるイタリアンで腕を磨いた。その後、カジュアル系イタリアンの料理長として大阪へ。仕事としてまっとうしなければならないことと、自分の料理や想いを探求することの間にギャップを感じ、独立することを考えるように。とはいえ自分の店を持つことは情熱だけではできない。不安を感じ、悩んでいる時に濱部さんの背中を押したのは、企画制作会社を営む奥様、玲美さんの「やったらいいやん!」という一言だったとか。
「一人でやるより、たくさんのプロフェッショナルの方々と店を作ったら、より面白いレストランが作れるのでは」と‟Team erre”を結成。飲食店のブランディングの経験が豊富な奥様はクリエイティブディレクターとしてサポート。建築家、施工管理、陶芸家、デザイナー、レストランオーナー、写真家、農家、林業のプロフェッショナルなどとタッグを組んで、『erre』を立ち上げた。
薪焼きや発酵など原始的な調理法を見直す「Respect the roots」が合言葉
店のコンセプトは「Respect the roots=根源を敬う」。店名の『erre』は、それぞれの言葉の頭文字“R”をとり、イタリア語での発音を英語表記したものだ。火・水・土・空気という、かつて料理が生まれて大切にされてきた調理法の起源を再考し、進化させたイタリアンを提供している。
「火」とは、加熱調理の根源である薪を熱源として肉や野菜などに火を入れる料理。「水」は、煮炊き料理に不可欠だが、ここでは食材を茹汁としてパスタを茹でたり、ソースに加えたりして、水を媒介にすることで食材を余すことなく使い、一皿の一体感を表現している。「土」は、土の中の微生物と共に、食材を生まれ変わらせる発酵料理のこと。キャベツやカブ、ニンジン、ブロッコリーなどをレストランで発酵させて、自家製のリコッタチーズを作っている。食材を何倍にも膨らませて豊かな風味に替える「空気」の力で、自家製パンも提供する。
水分を逃がさないからしっとり柔らかく、ジューシー
では火・水・土・空気を巧みに取り入れた調理法で仕上げる同店のディナーコースから、料理をご紹介しよう。
まずは火の皿のひとつ「土佐あかうし サーロイン」(写真上)。赤身のコクが堪能できるのが一般的なあか牛の特徴だが、「土佐あかうし」は、赤身とサシの2つのおいしさが絶妙なバランスで共存しているところが特長。それを熾火(おきび)の上で約10分間焼き続ける。炭焼きに比べて薪焼きは、表面をしっかり焼き固めつつ、内部にじっくりと熱を伝え、食材の水分を必要以上に奪わずに調理可能。そのため、口に含むと表面はクリスピーながら、噛むとしっとりとした柔らかさとジューシーさを感じることができる。
野菜が持つ力強さや甘さがぐんと引き立つ!
続いてこちらも火の皿「薪で焼いた野菜たち カ・フォルム社の水牛のモッツァレラ」(写真上)。事前に低温調理しておいた約12種の野菜を、薪で焼き上げる。この日は紫キャベツ、丹波の冬ニンジン、パプリカ、トマト、アスパラ菜、芽キャベツ、大阪白菜、高知ナス、安納芋、淡路のタマネギが盛り付けられて色とりどり! 新鮮な野菜が持つ力強さや甘さが、豪快な薪焼きによって見事に引き出されている。シャキシャキ、サクサクと食材ごとに異なる食感や、ほとばしるみずみずしさなど楽しさがいっぱいだ。
サクサク生地と甘い発酵キャベツの組み合わせがたまらない
土と空気の皿は「発酵ちりめんキャベツのリコッタとコロンナータ村のラルド、クロスティーニ」(写真上)。自家製のクロスティーニの上に、自家製リコッタチーズ、ラルド(豚の背脂の塩漬け)とちりめんキャベツが和えられている。サクサクとした自家製パンの生地の食感と、ほんのりと感じる塩気、キャベツの甘みが見事に融合したおいしさ。
パスタに野菜の汁を含ませて一体感を構築
水の皿「丹波トレビスの水を含ませたスパゲットーロ あか牛の白ワイン煮込みとタレッジョ ピンクペッパー」(写真上)。パスタは、丹波ワインとビネガーで煮込んだトレビスの水を、パスタに含ませることでトレビスの味をまとわせている。
程よく苦みが抜けて柔らかくなったトレビスと、肉感のあるあか牛のラグーを絡めて召し上がれ。パスタは金ダイスで押出すことで表現した、乾麺とは思えないもちもちした食感がたまらない。
同店で使用している食材は「生産者の顔が見えるメニューを提供し続けたい」と濱部シェフ自らが兵庫、三重、岡山、高知などの生産者のもとへ足を運び、吟味したものがほとんど。「生産者さんのしっかりとした物づくりやその想いもいっしょに調理して、みなさまに届けていきたいです」と濱部シェフは言う。
人の「おいしい!」を刺激する調理法を生み出した先人たち、自然や生産者が育んだ食材、あらゆるジャンルのプロフェッショナルたちへの敬意が生む、滋味深きイタリアンの誕生だ。
【メニュー】
ディナー erre-エッレ-おまかせコース 8,500円~
(メインが新潟県産 雪室熟成豚 ロースの場合)
*北海道産ワインラム 骨付きリブロース + 1,700円
*土佐あかうし サーロイン + 3,000円で提供)
ランチ 2,500円~
※価格は税別
erre -エッレ-
- 電話番号
- 078-862-6674
- 営業時間
-
ランチ:12:00~15:00(L.O.14:00)、ディナー:18:00~22:30(L.O.21:00)
定休日:毎週火曜日 ※他月2日程度不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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