昼から飲める!世界ナンバー1のバー『The SG Club(エスジー クラブ)』が日本上陸【渋谷】
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- 1.昼下がりから飲める1階、18時に幕が開くスペシャルな地下。2つの顔を持つカクテルバー
2.ノンアルコールカクテルも丁寧に作り、お酒を飲まずとも親しめる
3.コンセプトには1860年のサムライの渡米に始まるストーリーを秘める
世界1のカクテルバーが日本へ! 店名の、「S」と「G」に込められた思いとは?
渋谷の表通りから1本入った路地。自然にエイジングされた古い建物に『The SG Club(ザ エスジー クラブ)』は誕生した。外席とテイクアウトのコーナーもあり、一見、バーの外観とは思えないが、開店4カ月を過ぎ渋谷の街に馴染みはじめている。
こちらのお店について語る前に、まずはFOUNDER&PROPRIETOR(創業経営者)の後閑信吾(ごかんしんご)さんを紹介しよう。後閑さんは2006年に渡米。下積みを経てニューヨーク『Angel’s Share』のヘッドバーテンダーとなり、2012年にカクテルの大会「Bacardi Legacy Cocktail Competition」に米国代表として出場、優勝した。その後、2014年に上海で『Speak Low』を開業し、世界トップ10のバーに。そして昨年、『Sober Company』を開業。瞬く間に人気になり、Tales of the Cocktail で「International Bartender of the Year」を受賞した。渡米から12年の歳月を重ね、いよいよ日本上陸と相成ったのだ。
店名のゆかりを単純に、「Shingo Gokan」と思うなかれ。実は、もっとずっと深い意味が秘められている。「S」はゆっくり飲む「Sip」。「G」はゴクゴク飲む「Guzzle」。同地の番地を記した扉の向こうには、「S」と「G」、2つのカクテルバーがあるのだ。
1階はゴクゴク飲む「Guzzle」。ノンアルコールも充実の、みんなのバー
スケルトンだった縦長の空間に25席を配置した1階は、スタンディングもOK。昼下がりにオープンするので、明るいうちから気軽に飲めるし、お子様連れもウエルカム。メニューはお茶割りやレモンサワーといったカジュアルで飲みやすい、ハイボリュームのカクテルを中心に、バリスタが淹れるコーヒー「モクテル」も充実する。モクテルとはMock(擬似の意)とCocktailを合わせた造語で、単にノンアルコールカクテルと表現できない創意工夫のある飲み物のこと。お酒を飲めなくても楽しめる、「みんなのバー」なのだ。
巷のバーはメニューがないことが多いが、同店はメニューブックを充実させ、どんな材料を使っているかを明記している。「メニューにあるのは、自信作ばかりです。ぜひよく読んで選んでください」と、後閑さんは言う。
見た目、組み合わせ、味、食感のすべてが新しい!
しかし、読めば読むほどどれも惹かれて、迷ってしまう。そんな時は、「茶割」がおすすめ。月替りの茶割から、バカルディ、水出し阿波番茶、ソーテルヌワインを使った「葉月の茶割」(写真上・取材時の8月限定)を注文。ひと口含むと、驚くほどまろやか。角がすっかりとれた優しいテイストの理由は、水出しの阿波番茶でバカルディ、ソテールヌワインを、なんと、前割り(事前に割って一晩以上寝かせておくこと)しているからだ。
丁寧に抽出する、自家製ノンアルコールジンでモクテル
ノンアルコールの「ジントニック」は、ノンアルコールジンを時間をかけて抽出するところから始まる。お酒のカクテルより手間もコストもかかるが、「ノンアルコールカクテルを丁寧に作るからこそ、バーをみんなの場所にできるんです」と、後閑さん。本当にノンアルコールなのだろうか? と思うほど、お酒を飲んだ感じがする。「モクテル」とは、お酒を飲める人も十分に楽しめるノンアルコールカクテルなのだろう。
「セクシーコラーダ」(写真上)は、バカルディ、パイナップル、ココナッツウォーター、フレッシュのライムをスムージースラッシュマシンで、ゆっくりまわしながら凍らせたカクテル。果実をくり抜いたパイナップルがそのまま器なので、運ばれると注目の的になるカクテル。隣席にも笑みが伝染しそうだ。
カクテルを気軽にテイクアウトもできる
テイクアウトコーナーがあるのも、バーの新しい試みと言えよう。腰を据えて飲むにはまだ早い時間や、散歩のお供におすすめは、アールグレーを使った「ティーボール」(写真上)。バリスタ兼バーテンダーで、シューシャイナーでもある堀口洋輔さんが接客にあたる。「麻婆豆腐をトッピングしたホットドッグのテイクアウトも、おすすめですよ」。
18時にオープンの地下へは店内階段を降りる
階段を降りると、バー店内までの間に、遊び心で作ったシューシャインブース『Sip and Shine』(写真下)がある。
シューシャインコースは3種類あり、一番クイックな「梅」(所要時間約10分)は、ブラッシング、クリーム、ワックス、さらに仕上げのウイスキーボリッシュで完了だ。高くなったシートに座り、シューズを履いたまま、シューシャイン。履いたまま触れてもらうとフットマッサージ的な効果があり、カクテルを味わう前のリラクゼーションになる。
6月16日にオープンした理由がメニューブックに
「東京での出店を考えた時、あるストーリーが浮かんだんです」と、後閑さん。それは、「日本で初めて本場のカクテルを味わったのは、幕末にアメリカへ渡ったサムライだったかもしれない」という、ロマン溢れる仮説だ。
メニューブックにある古い写真は、1860年6月16日のもの。渡米したサムライたちを迎えるパレードに5万人を超える人々が集まった光景だ。これが、6月16日にオープンした由縁。メニューを綴る書体も、1860年代のものを採用している。
地下は、畳や行灯、格子戸、障子を取り入れ、1860年に渡米したサムライの時代を彷彿させる。額に入っているのは、かの時代の着物の染め型だ。注目すべきは空間を照らす灯りだが、銀箔を利用して光量を増やしつつも、開店時間以降、徐々に暗くなるよう仕掛けが施されている懲りようだ。
地下はゆっくり飲む「Sip」。独創的なカクテルをしっとり味わう
より落ち着いた空間の地下では、後閑さんの感性が隅々まで息づく、繊細かつ大胆で独創的なカクテルに出逢える。
1階、地下の共通点として、カクテルの提供がスピーディーだ。実際、カクテルは基本「1分で作る」を、心がけている。後閑さん曰く、「僕がまだ駆け出しで、ニューヨークで働いていた頃は、とにかく忙しくてオペレーションに追われて、表現したいことが思うようにできなかったのです。その経験を踏まえ、営業前に下ごしらえを完璧にしているんです」。その分、カウンター越しにたくさん会話ができるというわけだ。
自信作の1つ「トマトツリー」は、1本の木をイメージしたカクテル。グラスのふちを纏うのはマルドン海塩、中央に浮かぶのは蜂蜜に漬けたチェリートマト。色のコントラストにうっとりしつつ口に含むと、すーっと清々しさを感じる。花酒や樹液酒などが重なり、後からトマト香の余韻が、ふっ。透明なのに幾重にも重なる表情の伸びやかなこと!
「バーホッパー(1晩に複数のバーをハシゴする人たち)はもちろん、フーディ(真においしい料理を求める美食家たち)にこそ来店していただきたい。レストランにも詳しい人はバーにも詳しい、またその逆も言えるのです」と、後閑さんは語る。東京のバー・シーンに新風が巻き起こる予感がするインタビューのラストは、世界共通のことわざ、「酒は妙薬。楽しく飲んで医者いらず!」で締めくくってくれた。
次の展開は、会員制のシガーバー。Coming soon!
【メニュー】
▼1F「Guzzle」
茶割 1,200円
レモンズサワー 1,200円
ナンバーワンカップ 1,200円
ノンアルコール・ジントニック 900円
ノンアルコール・モスコミュール 900円
COEDO SESSION IPA(ビール) 1,000円
TOKYO CRAFT PALE ALE(ビール) 1,100円
ティーボール(テイクアウト) 700円
麻婆ドッグ 650円
▼地下「Sip」
セントトーマス 1,700円
ホワイトコーヒーフィズ 1,700円
トマトツリー 1,700円
シャンパンアンドアイスクリーム 2,300円
*地下はサービス料10%
▼SHOESHINE「Sip and Shine」
梅(所要時間約10分)1,000円〜
ブラッシング、クリーム、ワックス、ウイスキーポリッシュ
※価格は税込
The SG Club(ザ エスジー クラブ)
- 電話番号
- 03-6427-0204
- 営業時間
-
14:00~2:00(Sipは18:00オープン。金土は3:00クローズ。)
定休日:不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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