わずか3カ月で予約が取りにくい人気店の仲間入り! 西麻布『山﨑』はすぐ行くべき話題の日本料理店
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- 1.オープンからわずか3カ月で『ミシュランガイド東京 2019』の一つ星に輝いた大注目の店
2.スペシャリテは温泉育ちのスッポンの炭火焼
3.極限まで追究し苦しみ抜いて生まれた絶品料理の数々!
早くも予約が取りにくい店に! わずか3カ月で栄誉に輝く
すごい炭火焼のスッポンを食べさせる店があるとの噂があり訪れたのが、西麻布にある『山﨑』。
しかしここはスッポン料理の専門店ではない。となると相当な“焼きの名手”なのか? これは気になるところだ。
店主の山﨑志朗さんはまだ31歳。早くから将来のビジョンを明確に持ち27歳で独立。今年の2018年8月に自身の名前を冠した『山﨑』をオープンしてたった3カ月、その日本料理が『ミシュランガイド東京 2019』の一つ星に輝いたという、今、注目の料理人だ。取材当日は偶然にも『ミシュランガイド』の掲載店発表の日。料理人となってからずっと待ち望んでいたので本当に嬉しいと満面の笑顔。
「スペシャリテとはお客さまが決めるものだと思っています。ただ、和食で毎回“これがある”という店が少ないので、このスッポンの炭火焼がスペシャリテになったら良いなと思ってお客さまにお出ししていました」と話す。幸い、高い評価を得て『山﨑』の「スッポンの炭火焼」を目当てに訪れる者も多い。
山﨑さんの皿には“構成力”がある。シンプルを極める日本料理だが足すべきものは足して“おいしいものは何か”を際立たせている。以前はお客さまの意向に添う事ばかりを考えていたが、自分の思う“いちばん”をコースに組み込むことに考えを変えた。
提供するすべての食材が最高級のものだけでは疲れてしまう。緩急、つまり料理の流れがあってこそおいしいと感じることに気づかされる。山﨑さんのコースははじめにだしのおいしさを味わってもらう。すると塩分や油分が欲しくなる、そこで揚げ物や濃厚な味わいのものを出すことで食べ手の欲求を満たしていく。それは泡から白、そして赤へと流れるワインに似ている。さて、その“流れ”を味わってみよう。
理にかなったおいしさの流れは構成力にあり!
白子をさっと蒸してから炙り、上から蕪と柚子餡をかけた「鱈の白子と蕪のすり流し」(写真上)。ひと口飲んでみる。蕪の優しさが空っぽの胃を一気に温める。白子は炙ったおかげで表面は膜が張ったようになり、噛むととろんとしたコクのある液体がその膜を破ってゆっくりと広がってくる。なんと滋味深いのだろうか。
「白イカの素麺仕立て」(写真上)。細く切った白イカと千切りした長芋の昆布締めを一緒に和え、上にはコノコ(なまこの卵巣)とライム、穂紫蘇、カイワレ大根の葉をのせる。すべてを混ぜていただくと白イカのねっとり感もさることながら、ライムが非常に良い働きをした爽やかなひと皿という印象で、見た目と味のギャップに驚かされる。
お椀は「甘鯛」(写真上)。湖に氷が張った様子をイメージした。山﨑さんはとにかく水にこだわる。「いろいろお店に伺っておいしいと思うと水が違っていた。だから思い当たる水すべてを試して、この岐阜の水にしました」と話す。
決め手は口に含んだ時の硬度とバランス。確かに甘鯛の脂がなかったかのようにスッキリとした味わい。なのに舌触りが“丸い”のだ。葉の上にのった朝露のように丸みを感じる。そして最後に飲み干すまで冷めることはない。こうまで違うと山﨑さんがこだわる理由は明確だ。
夢のような競演! 上海蟹と香箱(こうばこ)蟹、時期限定のスペシャルな組み合わせ。上海蟹の味噌と卵、香箱蟹の脚や外子も入り名実ともにふたつの蟹の“いいとこどり”。酢は食材の持ち味を生かすよう控えめにしている。これは、日本酒を飲まずにはいられない。
京都産の「海老芋」は一度しっかり炊いてから揚げているので熱々。「食感を残す為に餡は下に敷きました」と山﨑さん。箸を入れるとサクッ、パリッという音とともに中から湯気が立ち上る。シンプルを極めたこの皿がどれだけ技術と味のセンスを必要とするか。食べたものだけがわかる嬉しい特権だ。
焼きの名手による最高の火入れで異次元のおいしさに!
『山﨑』の代名詞とも言える「スッポンの炭火焼」(写真上)。青森県の『東北すっぽんファーム』が低温の温泉で5年かけて1.1kgほどに育てられたものだ。手づかみでかぶりつく……、ぷるんとした肉質、脂はたっぷりのはずなのにクドさがまったくない。添えられた「肝」は史上稀にみるやわらかさ。素晴らしい! こんな焼き方ができるとは!
新潟の「真鴨」(写真上)。山﨑さんが深紅色の美しい鴨肉を丁寧に骨から外す。目の前に置かれた皿を見ると、ここが和食の店だということを忘れてしまいそうだ。シェリービネガーソースを下に敷き、黒ニンニク、鴨の骨、醤油を煮て濾したソースを上にかけ、仕上げには黒七味をパラリと振りかける。この組み合わせがこの鴨を唯一無二と感じさせるほどの味わい。
やわらかい肉の中から香りがどんどん立ってくる。噛めば噛むほどとはよく言ったものだ。本当に噛むごとに味がおいしく変わっていくのだ。それほどまでにポテンシャルが高い鴨であるのは事実なのだが、手前にレアに焼いたものを置くという山﨑マジックに“してやられた”ということか。
食事は3種類用意されている。炊き込みご飯の後は好みでオーダーする。もちろん炊き込みご飯のお代わりも可能という太っ腹。新潟の米「新之助」を使った「クエの炊き込みご飯」(写真上)には九条ネギと生姜と山椒を散らした。
ざっくりと混ぜると山椒がふわりと香る。九条ネギがクエの脂を吸って爽やかなコクがシメに心地良い。
炊き込みご飯の他に白飯も用意されており、「鶏そぼろ」「卵黄の漬け」「筋子」がお供。どれも食べたくなるラインナップで悩んでいると山﨑さんから「そぼろは卵黄と一緒に召し上がっていただけますよ」のオススメ通りそぼろに卵をオン! 米と同じ固さにしたかったと66℃の温泉卵を漬けにした。ねっとりとそぼろと白飯に絡む、これはすごい卵だ。
筋子は、酒粕を甘酒でのばしたものに2週間ほど漬け込む。すると粒が凝縮されかなり小さくなる。酒の肴としても最高の逸品だ。
非常にテンポが良くあっという間の2時間半だった。「好きなものを嫌いになるまでとことん追求してしまう。そこまで苦しむとおもしろいものができる。自分がおもしろいと思わない料理はお客さまもつまらないに決まっている」という山﨑さん。これを出しておけばおいしいと思われる及第点の料理ではなく、ありそうでないものでおいしいと言われる料理を作りたいと話す。
西麻布の交差点から外苑西通りを歩いて5分ほど、ちょうど二股に分かれる辺りに店はある。店の横にはこれから育つであろうもみじの木、同じように『山﨑』もまたどんどん大きく育っていくのだろう。
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コース 22,000~円
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山崎
- 電話番号
- 050-3466-5953
- 営業時間
-
火~日 ディナー:17:30~23:00(L.O.20:30)
定休日:毎週月曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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