炉釜焼きの肉に感激!熟練の技で焼き上げる極上神戸牛ステーキは唯一無二の旨さ『GINZA KOKO炉』

千葉泰江

Summary
1.日本で生まれた調理法、炉釜焼きステーキのレストランが銀座にオープン!
2.ステーキの火入れはこの道30年のシェフが担当
3.こだわりの海の幸、山の幸がふんだんに盛り込まれたコースは贅沢の極み

近年のステーキブームが止まらない! 昨今炭火や薪火で焼き上げた赤身熟成肉ステーキの人気が高いが、独自の調理法である“炉釜焼き”のステーキ店も忘れてはいけない。炉釜で神戸牛を焼き上げる『神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉』が、2018年8月に満を持してオープンした。

日本で進化した炉釜焼きという調理法

シックで高級感あふれる店内カウンターの前に鎮座する炉釜は、耐熱煉瓦を積み上げた釜に銅製の重量感ある扉をつけた特注品。炉釜焼きとは、1956年に神戸で創業したステーキレストラン『麤皮(あらがわ)』が生み出した調理法。炉釜内に紀州備長炭を敷きつめ、炭の表面は1,000℃もの高温で、炉釜内は180℃ほどに調整し、遠赤外線効果で肉を焼き上げる。火の調整には熟練の技が必要だが、その味わいは唯一無二のもので、美食家の中でも一目置かれている。

『神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉』の総料理長を務めるのは平田勝則さん。「ホテルパシフィック東京」(現在は閉館)や「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」のフレンチレストランで料理長を務め、渡仏し南東部プロヴァンス地方にあるレストランでも研鑽を積んだ経歴をもつ。その後、銀座7丁目の『神戸牛炉釜炭焼ステーキ IDEA 銀座』で腕を振るっていた時に、同店で焼き職人として働いていたもう一人のシェフ菅井政勝さんと出逢った。

「菅井シェフは『麤皮』出身で、30年もの間肉の火入れに特化してきた火入れのプロです。前の店でも彼の火入れだからと訪れる人がいるほどファンは多いですよ」と平田さん。

肉焼きを一手に担当する菅井政勝さんは、卒業後、料理人を目指しながらも人と違うことがしたいとの思いで、新橋の『麤皮』の門をたたいた。こちらで13年勤めあげ、3店舗新店の立ち上げにも関わったという。その後、『ドン・ナチュール』や『トロワフレーシュ』など、数々のステーキの名店でその腕前を披露した後、『神戸牛炉釜炭焼ステーキ IDEA 銀座』で平田さんと出会い、昨年『神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉』を立ち上げた。

ステーキ以外の料理は平田さん、「神戸牛 炉釜ステーキ」の火入れは菅井さんと、それぞれのプロがタッグを組んでコース料理を織りなしている。

但馬で育った世界に誇る神戸牛にこだわる

ステーキ肉は、神戸牛にとことんこだわった。「これまでさまざまな黒毛和牛を食べてきましたが、やはり神戸牛は肉の持っている風味と脂のうまみが格別なんです。脂の融点が低いので、口に入れた時に脂がサラリと溶けだし上品な風味が口の中に残ります」と神戸牛に惚れ込んでいる菅井さん。

『GINZA KOKO炉』では、まず訪れたお客さんにその日に仕入れた肉の部位を見せ、食べたい部位を決定してもらう。この日は、左上から右へ松坂牛シャトーブリアン、ランプ、イチボ、左下から右へ神戸牛シャトーブリアン、サーロインを用意。部位によってコースの値段が変化するという設定だ。

ステーキを焼き続けて30年のプロによる火入れはファンも多い

肉は100gから注文を受ける。そして50g単位で好きな分量をプラスできる。串を刺した肉にしっかりと塩を振ってから炉釜へ入れる。

一度釜に入れたら、火に最も近い場所で四方をこんがりと焼き上げる。釜に窓はついていないため、菅井さんの長年の感覚で時間を計りひっくり返していく。表面を焼き上げたら火から肉を離し、じっくりと待つのみ。「あと10分ほどです」と菅井さんから平田さんへ焼き上がりの時間が告げられ、その時間に合わせて平田さんは付け合わせの野菜を焼き上げる。まさに二人三脚で生み出される一皿なのだ。

「菅井シェフの火入れのすごいところは、表面は焦げ目をつけてこんがりと焼き上げているにも関わらずその表面は1mmほどと、ごく薄い火入れが可能なことです。中は火が通っていながらも美しく赤い発色を保っています。この火入れが彼の真骨頂です」と平田さん。

この日に焼いてもらったのはサーロイン(左)とシャトーブリアン(右)だが、写真で見てもその焼きの精密さが分かることだろう。菅井さんの火入れで焼かれた肉は、口に入れると最初にさっくりとした抵抗がありながらも、あとはスーッと無抵抗で、その舌触りはステーキの概念を覆すほど。サーロインは赤身のやわらかさとサシの力強さが特徴で、シャトーブリアンは赤身とサシのコントラストの繊細さが際立っている。世の中にステーキ店は数あれど、火入れの素晴らしさでシェフを指名される店はなかなかないだろう。

最高級の食材をふんだんに取り入れたコース料理で贅沢な時間を過ごす

コース料理も順にご紹介しよう。まず、登場するのは平田さんによるアミューズ。「北海道産生うに 最高級天然ベルーガキャビア 本マグロ」(写真上)。最高の素材をコースの中で贅沢に味わってほしいと厳選した生ウニとキャビア、本マグロのマリネが美しく盛りつけられている。目の前でキャビアを盛りつけてくれる演出に食欲がそそられるだろう。添えられたソースは、ジャガイモとタマネギ、ポロネギを、神戸牛から取った極上のコンソメでペーストにしたもの。お好みでウニと共にいただきたい。

前菜に舌鼓を打った後は、3つのメニューから一皿をセレクト。「神戸牛バーグ 奥久慈卵 イタリア産トリュフ」(写真上)、「神戸牛で作ったコンソメスープ」、「カナダ産活けオマール海老 ビスク イタリア産トリュフ」から選べるというが、一番人気は「神戸牛バーグ」。シャトーブリアンに近い部位を手切りした肉をタマネギと合わせて焼き上げる。

ソースは神戸牛のエキスで作るトリュフソース。ここに濃厚な味わいの奥久慈卵の半熟目玉焼きを添えて、トリュフをふんだんに振りかけた。

力強い肉の味わいを感じられるハンバーグは、神戸牛のおいしさのバリエーションを感じられる一皿だ。

選べる2皿目の次には「黒牛タン炉釜ステーキ」「有機野菜のサラダ」を挟んだ後、メインのステーキが登場。そして〆には、シェフの遊び心がふんだんに盛り込まれた「KOKO炉 特製カレーパスタ」(写真下)が出てくる。

こちらのカレーパスタは、神戸牛のエキスがたっぷりと入ったスープにスパイスを合わせた一品。滋味深い味わいながらもどこか懐かしさも覚える味わいで、食事の最後に思わず笑みがこぼれてしまう。満腹のお腹にもスルスルと入っていくから不思議だ。このコースにデザート、コーヒーまたはティーが付いて、食事の時間は終わりを告げる。

「うちのレストランに来た時は、最高級の食材を使った料理で、贅沢な食事の時間を過ごしてほしい」と平田さん。厳選した食材が織りなす料理と、熟練の火入れで焼き上げる神戸牛ステーキ。二人のシェフが手がける料理は、極上の食事体験をもたらせてくれる。

撮影:千々岩友美


【メニュー】
コース/20,000円コース~、13,800円コース~
神戸牛炉釜ステーキ(お好きな部位を選択)100g~
※神戸牛サーロイン、シャトーブリアン、フィレ等より、お選びいただく部位とグラム数によって金額が変わります
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税・サービス別です。

神戸牛炉釜ステーキ GINZA KOKO炉

住所
東京都中央区銀座1-8-7 VORT銀座DDI B1
電話番号
050-5487-6527
営業時間
17:00~22:30
(L.O.20:00)
定休日:日曜日
祝日
ぐるなび
ぐるなびページhttps://r.gnavi.co.jp/smxrv33e0000/

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