知らないの? 日本酒でよく聞く「新酒」について 【日本酒の基礎知識】
日本酒の基礎知識
♯7:日本酒の「新酒」について
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- 1.【日本酒の基礎知識】日本酒でよく聞く「新酒」とは?
2.「新酒」は搾りたて! 新鮮で爽やかな香味が特徴
3.抽出工程によって呼び名が変わる(「荒走り」「中汲み」)
連載:「新酒」とは何か?【日本酒の基礎知識】
近年、再び脚光を浴びている日本酒。気軽に日本酒が飲めるバーや、日本酒を楽しむ野外イベントなども増えてきた。とはいえ、「日本酒は敷居が高そう」「飲んでみたいけど難しそうでよくわからない」と思っている人も多いのではないだろうか。
そこで本連載では、日本酒を詳しく知らない初心者の方に向けて、知っておきたい基礎知識から、日本酒を気軽に楽しめる飲食店やイベント、さらには注目の銘柄などを紹介していく。
今回は、「新酒」の意味について解説しよう。
10月~3月頃によく聞く「新酒」とは?
秋から冬にかけて、「新酒」という言葉を耳にする機会が多いのではないだろうか?
新酒とは、読んで字の如く「新しくできた日本酒」のこと。本来は、酒造年度内(毎年7月1日~翌年6月30日)に造られた日本酒のことを指すため、年度内に出荷されたものであれば、すべて「新酒」にあたる。
しかし日本酒は昔からの習慣で、秋に収穫したお米を使って、冬~春にかけて造られることが一般的であり、10月~3月頃にかけて、新米で造られた日本酒が各蔵から出そろう。そのため「新酒」は、この年に収穫された新米で造られたお酒という意味で使われることも多い。
だから、秋から冬にかけては「新酒」という言葉を耳にする機会が多いのだ。とはいえ、今では温度管理などの技術が発達しているため、季節を問わず、年中日本酒を造っている蔵も存在する。
新酒の抽出工程によって呼び名や味わいが異なる
新酒は、新鮮で爽やかな香味を特徴とする。しかし新酒の中でも、抽出工程によって呼び名や味わいは異なる。
まず、日本酒を搾る、いわゆる“上槽”の際、最初に出てきた日本酒は「荒走(あらばし)り」と呼ばれる。ここで抽出された日本酒は薄い濁りがあり、おり(お米の破片などの固形物)も多い。アルコール度数はやや低めで、香りが高い。
その次に抽出されるのが、「中汲み(中取り)」と呼ばれる日本酒である。色味は透明で、味と香りのバランスが優れているため、日本酒の鑑評会に出品される酒は、「中汲み(中取り)」が多いという。
日本酒の銘柄に「荒走り」「中汲み(中取り)」と書かれていることもあるため、そういった表記から味を想像してみるのもいいだろう。
また酒蔵に飾られている、杉の葉を球形に束ねた酒林(さかばやし)も新酒に関係している。というのも、酒林は、新酒ができあがったことを知らせるサインを担っているからだ。そして吊るされた時は青々としている酒林も、徐々に枯れて茶色に変化するのだが、この色の変化が新酒の熟成度合いを示している。今度、酒林を見る機会があれば、色にも注目してみよう。
【まとめ】
・本来「新酒」とは、酒造年度内(毎年7月1日~翌年6月30日)に造られた日本酒のことを指す
・しかし現在は、新米で造られた最初の日本酒のことを指すことが多く、10月~3月頃にかけて各蔵から発売される
・新酒は搾りたてなので、新鮮で爽やかな香味が特徴
・抽出工程によって、新酒の呼び方が「荒走り」「中汲み(中取り)」と変化する
・酒林は、新酒ができあがったことを知らせるサイン。色によって新酒の熟成度合いを表現している
関東の日本酒を堪能する! 東京・銀座『TOKYO SAKE DEPARTMENT』
さて、日本酒について少し勉強したところで、実際においしい日本酒を飲みに行ってみよう! 今回は、初心者大歓迎であり、1人でも入りやすい東京・銀座にある日本酒バーを紹介する。
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<参考文献>
・『新訂 日本酒の基』日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)著/NPO法人FBO
・『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』NPO法人FBO 著
・『ゼロから分かる!図解日本酒入門』山本洋子著/世界文化社
・『もっと好きになる 日本酒選びの教科書』 竹口敏樹監修/ナツメ社
編集協力:名久井梨香
写真提供元:PIXTA
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