自由が丘の『レキシノイチブ』は気軽に行ける日本料理店! 料理人は『賛否両論』で修業を積んだ実力派
自由が丘の『レキシノイチブ(rekishi no ichibu)』は気軽に行ける日本料理店。和食の人気店『賛否両論』の元料理長が独立して開いたお店です。農家で育った店主の目利きと職人技が光る和食はどれも美味しく、旬を感じる逸品ぞろい。夜の料理は、「おまかせコース」6,500円のみで、色彩豊かな「先付・お椀・お造り・魚・八寸盛り・蒸物・障子・デザート」の8品で構成。絶対行きたい一軒です。
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- 1.和食の人気店『賛否両論』の元料理長が東京・自由が丘に『rekishi no ichibu(レキシノイチブ)』をオープン
2.農家の実家で育った店主の目利きと名店の技が光る日本料理
3.夜の料理は、「おまかせコース」6,500円のみ!
ひょんなことがきっかけで和食職人の世界へ
店主の和田祐治さん(写真下)は、茨城県出身。実家が兼業農家を営んでいて、米をはじめ、ダイコン、白菜、ホウレン草、長ネギ、アスパラ菜、豆類など、幅広く食材を生産している。その様子をそばで見ていて、自身も家業を手伝いたいと思いながら、照れ臭さもありなかなか言い出せずにいたという。
小学生時代のある日、昼食時に自宅へ戻ってくる両親のために、「せめて食事の用意ぐらいしよう」と作ったところ、「おいしい!」と予想以上に喜んでもらえたのだとか。
「その時、作ったのって……、そうめんだったんですけどね」と、目尻を下げながら話してくれる和田さんだが、それが料理人の道を目指すきっかけとなった。そして和食の人気店であり名店でもある『賛否両論』で修業をはじめ、着実に実力をつけていく。恵比寿店で料理長を務め、名古屋店のオープニングにも料理長として携わった。
やがて10年が過ぎた頃、”そろそろ独立かな…”というタイミングが訪れ、『賛否両論』を卒業。2018年11月にこちらの店をオープンさせた。それが『rekishi no ichibu(レキシノイチブ)』だ。
店名は、「数あるお店の中から選んで来てくださったお客様の、ほんのちょっとですけど人生の一部になれたらいいな……、と。”あの時、寒いなか行って良かった”とか、ふとした時に思い出していただけるようなお店にしていきたいと思っています」と和田さん。
場所は東急電鉄・自由が丘駅から徒歩5分ほどの住宅街の中。モダンな外観に加え、カウンター席12席で構成される店内は、ゆったりとした上質な空間が広がる。
夜の料理メニューは「おまかせコース」のみ!
「高級な食材を使って高い値段でおいしいものを出すのは当たり前だと思うんです」と、和田さんは語る。実家から届く新鮮な野菜をメインに、磨き抜かれた職人技を駆使し、創意あふれる逸品へと仕上げていく。
夜の料理メニューは、旬の食材を贅沢に使った「おまかせコース」のみ。色彩豊かな「先付・お椀・お造り・魚・八寸盛り・蒸物・食事・デザート」の8品で6,500円。“税込、サービス料なし”という値段設定にも、和田さんの人柄と心意気が伺える。
毎月、前半・ 後半でコースメニューの内容を変えている。また、その日の仕入れの状況によって内容は多少異なる。この日の先付は、ホウレン草のおひたしが添えられた「新たまねぎ豆腐」(写真上)。
新タマネギをスライスして油で炒め、トロトロになったところでホタテとともにミキサーにかけ、コクを出すため葛を加えて蒸し煮する。口の中でとろけ、鼻から新タマネギの香りがふわ~っと抜けていく。
続いては、お椀の「エビの飛竜頭(ひりゅうず)」(写真上)。天使のエビ、豆腐、ニンジン、きくらげが入った飛竜頭は、つなぎに卵白と山芋を使い、具材それぞれの食感を楽しむ一品。うるいと丹波しめじのおひたしとともに温められ、香り高い湯気が昇っていく。
自らの目利きで仕入れる新鮮な「お造り」も絶品!
造りは「金目鯛・アオリイカ・黒ソイ」(写真上)。脂がのっていて甘みが強い金目鯛に、弾力があり柔らかなアオリイカ。そして黒ソイは、シコシコとした食感で噛むほどに白身魚ならではのうまみが広がっていく。青芯(せいしん)大根と黄色のミニトマトが彩りを添える。
「八寸盛り」(写真上)は、左から「菜の花のおひたし」「サワラ幽庵焼き」「蟹と根みつばのみぞれ和え」「大黒豆」「ねぎ餅」「里芋のおかき揚げ」。
だしの風味がやさしい菜の花のおひたしに、丁寧につけ焼きされていながら、さっぱりとした爽やかな味わいのサワラ幽庵焼き。蟹と根みつばのみぞれ和えは、「蟹には脂分がないので、ダイコンおろしにポン酢と太白ゴマ油を入れてから和えています」と和田さん。
そして、実家で育てられた大黒豆は蜜煮に。ねぎ餅は、ネギをスライスして炒め、香りを出してからだしで煮立て、上新粉とコーンスターチを混ぜ、蒸してから揚げられる。まさに餅のような食感とネギの香りが後を引く。里芋のおかき揚げは、柿の種をミキサーにかけて衣として使い、里芋にも下味がつけられているので、ソース要らずで味わえる。
なお、アルコール類は、サワー系を除き幅広く揃う。日本酒は、「国権/俺の出番 特別本醸造」「賀茂金秀 純米吟醸 雄町」「鳳凰美田 辛口純米」「AKABU 純米」の定番4種(写真上)のほか、その時におすすめの銘柄を2種ほど追加するそう。
そのなかから、広島県『金光酒造』の「賀茂金秀 純米吟醸 雄町」(写真上)をチョイス。ほどよい酸味と深みのある甘さにコクが感じられ、米のうまみや吟醸香がしっかり伝わってくる。
「器は着物だと思っているので、“いいな”と思ったものを見つけては買い揃えています」と和田さん。猪口もコレクションの中から好みのものを選べる(写真上)。
野菜たっぷりの身体にやさしい料理と店主の人柄に癒される
とても穏やかな口調で終始にこやかに話す和田さん。ご本人曰く「話すのがあまりうまくないので……」とのことだが、食材などについて質問すると、とてもわかりやすく丁寧に説明してくれる。そんな人柄を含め、早くも週に3度訪れるリピーターもいるのだとか。
和田さん1人で切り盛りしていて12席しかないため、「当日でも大丈夫ですので、電話してから来てくださると有難いです」とのこと。2019年3月4日からは、ランチ営業もスタートした。前菜5種盛・メイン(肉or魚から選択可)・ご飯・味噌汁・漬物で1,500円。プラス300円でデザートも楽しめる。ランチは基本的に事前予約なしでOKだが、念のため電話してから来店することをおすすめしたい。
身近な食材を至極の逸品に仕上げる職人技と、隠れ家のような落ち着く空間。訪れた人はすでに誰もが ”教えたいけど、本当は教えたくない店”と感じていることだろう。
【メニュー】
▼ランチ
コース 1,500円
デザート 300円
▼ディナー
おまかせコース 6,500円
▼日本酒 (一合)
国権/俺の出番 特別本醸造 1,000円
賀茂金秀 純米吟醸 雄町 1,200円
鳳凰美田 辛口純米 1,000円
AKABU 純米 1,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込みです
撮影:小野千明
レキシノイチブ (rekishi no ichibu)
- 電話番号
- 03-6421-3660
- 営業時間
-
ランチ 11:30~14:00(L.O.13:30) ディナー 17:30~23:00(L.O.21:00)
定休日:日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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