日本酒でよく聞く「山田錦」「五百万石」って何? 日本酒の味わいを決める「酒米」について
日本酒の基礎知識
♯8:日本酒用のお米「酒造好適米」について
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- 1.日本酒用のお米「酒造好適米」について解説
2.「山田錦」「五百万石」「美山錦」「雄町」「出羽燦々」が有名!
3.同じ銘柄でも米の違いで飲み比べてみるとおもしろい
連載:日本酒の基礎知識
近年、再び脚光を浴びている日本酒。気軽に日本酒が飲めるバーや、日本酒を楽しむ野外イベントなども増えてきた。とはいえ、「日本酒は敷居が高そう」「飲んでみたいけど難しそうでよくわからない」と思っている人も多いのではないだろうか。
そこで本連載では、日本酒を詳しく知らない初心者の方に向けて、知っておきたい日本酒の基礎知識から、日本酒を気軽に楽しめる飲食店やイベント、さらには注目の銘柄などを紹介していく。
今回は、日本酒用のお米「酒造好適米」について解説しよう。
日本酒の味を構成する大事な要素である「酒造好適米」
日本酒の原料は、米・米麹・水の3つ。日本酒に使うお米のことを「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼ぶ。酒造好適米の特徴には、以下の要素が挙げられる。
・粒が大きく、穂高の背が高い
そのため倒伏しやすく、丈夫な稲を育てるには高度な栽培技術が必要となる。
・粒の中心にある白濁した心白(しんぱく)という部分が大きい
たんぱく質と脂質が少なく、また吸水性がよく、醪(もろみ)に溶けやすいなど、日本酒を造る上で好条件となる。
普段口にしている食用のお米とは品種が異なり、炊いて食べてもパサパサしておいしくないという。そんな酒造好適米の品種は、現在100種類以上あり、全国各地で栽培されている。
中でも一番の生産量を誇るのが「山田錦」である。山田錦は、「酒米の王様」と呼ばれる品種で、2001年に酒造好適米の作付面積1位となった。兵庫県が最大の生産量を誇る。また、たんぱく質の含有量が少なく、雑味が少ない芳醇な味わいに仕上がりやすい。
そのほか、有名な品種をいくつか紹介しよう。
・五百万石(ごひゃくまんごく)
全国各地で栽培されているが、中でも新潟県で主に作られている。淡麗ですっきりした味わいに仕上がりやすい。
・美山錦(みやまにしき)
長野県で開発された品種で、耐冷性が高く、寒冷地での栽培も可能。五百万石に近い淡麗ですっきりした味わいに仕上がりやすい。
・雄町(おまち)
1866年に岡山県で誕生して以来、100年以上途切れず栽培され続けている唯一の品種。山田錦や五百万石のルーツでもある。芳醇でコクのある味わいに仕上がりやすい。雄町ファンのことを「オマチスト」と呼ぶ。
・出羽燦々(でわさんさん)
1995年に山形県で開発された品種。スッキリとした軽やかな味わいに仕上がりやすい。
このように使うお米も、日本酒の味を構成する大事な要素となる。また同じ銘柄の日本酒でも、使っているお米が違うこともある。色々な銘柄を飲み比べるのもいいが、1つの銘柄のお米の違いを感じながら飲み比べるのも、日本酒の奥深さが知れておもしろいだろう。
【まとめ】
・日本酒用のお米のことを「酒造好適米」という。
・酒造好適米は100種類以上あり、中でも「山田錦」「五百万石」「美山錦」「雄町」「出羽燦々」が有名。
・同じ銘柄でも使っているお米違いの日本酒もある。
さて、日本酒について少し勉強したところで、実際においしい日本酒を飲みに行ってみよう! 今回は、初心者大歓迎であり、1人でも入りやすい東京・赤羽にある日本酒バー『日本酒BAR しじゅうごえん』を紹介しよう。
<参考文献>
・『新訂 日本酒の基』日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)著/NPO法人FBO
・『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』NPO法人FBO 著
・『ゼロから分かる!図解日本酒入門』山本洋子著/世界文化社
・『もっと好きになる 日本酒選びの教科書』 竹口敏樹監修/ナツメ社
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