イタリアンの鬼才と『壁の穴』がコラボ! 1品500円から楽しめる本格イタリアン『アンティパストバー』
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- 1.小林幸司シェフと老舗パスタ専門店のコラボが話題! 東京・阿佐ヶ谷『Antipasto Bar(アンティパスト バー)』
2.こだわりはリストランテ級! 一品500円からのコスパ抜群メニューがずらり
3.世界最高クラスの麺で作る〆のパスタをはじめ、至福のパスタメニューも必ず食べたい
使い方は自由自在! 気楽に立ち寄れるカウンタースタイルのイタリアンバー
大勢のプロからリスペクトされ、日本イタリアンの鬼才とも呼ばれる小林幸司シェフ。その小林シェフが新しい挑戦を始めたとあって、さっそく話題を集めている店がある。
2019年7月にオープンした『Antipasto Bar di Buco di Muro Koji Kobayashi(アンティパスト バー ブッコ ディ ムーロ バイ コウジ コバヤシ)』(以下『Antipasto Bar』)だ。
場所は東京・阿佐ヶ谷!
場所はJR中央線・阿佐ヶ谷駅直結の商業施設「ビーンズ」内。店の前には立ち飲みもできるテーブルが置かれ、大きなガラス張りのドアや窓からうかがえる店内の活気ある風情に、駅へと急ぐ人がふと目を止めていく。
店内はカウンター10席とテーブル6席。シンプルな内装の中でイタリアンレッドのカウンターがパッと目を引く。カウンターでサクッと一杯楽しんだり、テーブルで仲間とワイワイ過ごしたりと、こぢんまりとしているが様々なシーンで活用できそうだ。
日本イタリアンの鬼才と、日本パスタの草分け的存在の『壁の穴』によるコラボ店
小林シェフといえば、イタリア最高峰のレストランと評される、ウンブリア州『リストランテ・ヴィッサーニ』に入店し料理長を務めた後、中目黒に1日1組完全予約制の『フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ』をオープン。1年先まで予約が取れない店と評判を集めた同店を、究極の料理とサービスを提供するために軽井沢に移転。現在も、遠方からのお客が後を絶たないという、まさに“カリスマシェフ”である。
その小林シェフが、日本のパスタ専門店の草分け的存在である『壁の穴』とのコラボレーションでオープンした店こそが『Antipasto Bar』。
“アンティパスト”とは、イタリア語で“食事の前”という意味。耳慣れないかもしれないが、“アンティパスト バー”という店名には小林シェフの想いが込められている。
「誰でもいらっしゃいという店です。これまで僕は、コースがメインのリストランテを中心でやってきました。でも、もっと広く楽しむことも必要。これまでと真逆のスタイルを提供し、『イタリア料理にはこんな楽しみもあるんですよ』というのが僕の提案なんです。バールのように気軽に立ち寄れて、それでいてきちんとした料理が食べられる。そういう店があれば、暮らしに彩りが生まれると思うんです」(小林シェフ)
リストランテクオリティの「アンティパスト」を自由に楽しむ
さっそく『アンティパスト バー』の主役たちをご紹介しよう。どのメニューも驚きのコスパでありながら、小林流のこだわりが端々にまで詰まった、同店でしかいただけないものばかりだ。
「メニューにある料理はすべて、順番も量も自由自在。前菜やメインといった決まりごとを取っ払えば、食事がもっと楽しくなるでしょ?」(小林シェフ)
例えば「パイナップルのマリネ」(写真上)。
薄くスライスしたパイナップルを、アニス(甘い香りが特徴のスパイス)やウイキョウ(フェンネル)などが入ったリキュールに漬け込んだ一品。このままデザートにもなるが、オリーブを添えればワインのおつまみに。リキュールでマリネすることで味わいに深みが増し、爽やかなスプマンテなどと相性抜群だ。
パイナップルに添えているのは「オリーブのストゥファート」。オリーブは、品質の高さで知られるイタリア・リグーリア州『アルドイノ社』のもの。そのまま食べても十分おいしいところを、さらにローストしたニンニクとドライトマトと共にシェリー酒で煮るひと手間をプラス。
“ストゥファート”というのは、小林シェフが得意な調理法。弱火のオーブンでじっくりと蒸し煮のように煮上げ、素材に煮汁のうまみが染みこむように仕上げていく。この手法で、食べ慣れたオリーブも一品料理へとランクアップ。
小林シェフが厳選した、イタリア産ハムの盛り合わせ
「アッフェタータミスト」(写真上)は、小林シェフが同店のために厳選した5種類のイタリア産ハム類の盛り合わせ。
しっとりした食感が魅力的なノンプレスタイプの「パルマ産生ハム」や、小ぶりなサイズ感が食べやすい「モルタデッラ」など、量もたっぷりあり、食感や香り、味もバラエティに富んでいる。
スタートのおつまみにも、色々つまんだ後のメインにも、そのときの気分で自在に“使える”メニューだ。
トマトのうまみを染み込ませた「子羊のトリッパ」は、鮮度抜群で歯切れのよい食感
同店で一番手間暇がかかるという「仔羊のトリッパ」(写真上)。
仔羊の胃袋(トリッパ)は、小林シェフとは長年の付き合いのある北海道の牧場から直送。鮮度抜群のトリッパを丁寧に下ごしらえしているため、臭みはまったくない。
トリッパは供される直前にチーズをトッピングし、オーブンで焼いて仕上げる。トロリととろけたチーズの香りと焼き色がなんとも食欲をそそる。
「同じトリッパでも、他とは違う『アンティパスト バー』ならではのメニューを作ることが大切」(小林シェフ)
ここでも活躍する調理法は“ストゥファート”。水分を飛ばしながらトマトベースのスープのうまみをトリッパにじっくり染みこませていく。出来上がったトリッパは、煮込んでいない分、弾力があって歯切れが良い。トリッパの“煮込み”とは食感がガラリと異なる、食べごたえのあるメニューだ。
メニューごとに麺の種類も変えるこだわり! 特におすすめのパスタメニュー2品
小林シェフのおすすめは、あれこれ楽しんだ最後に食べたい「〆パスタ」(写真上)。
食事の締めにパスタを食べるというのは、本場イタリアにはないスタイル。でも、日本人なら飲んだ最後に炭水化物でお腹を落ち着かせたいと考える人は多いだろう。そんなリクエストに小林シェフが応えてくれた粋なメニューだ。
まず、こだわりが半端ない。パスタは、小林シェフが軽井沢のリストランテでも使っているイタリア最高級の『マルテッリ』の乾燥パスタ(写真上・左)。U字型(写真下・左)をしているのは、棒に引っ掛けて天然乾燥させるため。昔ながらの製法で職人によって作られ、パスタの表面が白っぽくざらざらしているのが特徴だ。
ざらざらした部分にソースがまるで染み込むように絡むのだが、調理時間がわずかに長いだけでも表面の小麦粉が溶け出し、ソースがモッタリしてしまう。とびきりのクオリティを持つが、扱いにもシェフの技量が問われる実にハイレベルなパスタだ。
具材はカラスミとニンニク、イタリアンパセリのみ。味付けも、パスタを茹でるときの塩と、カラスミの塩気のみというシンプルさで、パスタの存在感がぐんと際立つ。モチっと歯に絡みつくような食感、噛むほどに増す味わいは、他のパスタとは一線を画す。食後にじんわり余韻が残る、最高の〆メニューだ。
チーズ2種をたっぷり使ったカルボナーラは、ニンニクの刻み方にもひと工夫
小林シェフの代名詞とも言える「真実のカルボナーラ“スパゲッティ”」(写真上)。こちらは『壁の穴』のグランドメニューとしても人気のパスタで、本場イタリアのレシピ同様、生クリームを使用せずに調理。ニンニクも包丁を使って2ミリ角の正六面体で揃えるなど、細部にまでこだわったメニューは、家庭では味わえないおいしさだ。
使用するパスタは、イタリアの老舗『ファブリ社』のもの(写真上・右)。先ほどの「マルテッリ」と比べて表面がつるっとしているが、小麦粉の味が濃いのが特徴。
小林シェフのレシピでは、グアンチャーレ(熟成させた豚ホホ肉)とニンニクをオリーブオイルで炒め、ペコリーノ・ロマーノとパルミジャーノ・レッジャーノの2種類のチーズと卵でソースを仕上げる。そしてさらに、トッピングにも同2種類のチーズをたっぷりと削る。
テーブルに運ばれたら、よく混ぜることがポイント。混ぜるほどにソースのとろみが増し、つやつやとパスタに絡みつく。トッピングしたチーズも徐々に溶け出し、チーズの豊かな香りがふんわりと漂う。
生クリームを使っていないため、コクがありながらも、食べ心地は軽やか。グアンチャーレのパンチのあるうまみと黒コショウのアクセントも絶妙だ。冷めても固まることはなく、むしろ、さらにチーズの味わいが濃くなっていくのでまた違ったおいしさを味わえる。シンプルながら、その完成度の高さに唸る逸品だ。
イタリアンを“ちょっと立ち寄って楽しむ”スタイルを広めたい
とびきりの料理に欠かせないコスパ抜群のワインもボトルの他にグラスやデキャンタと多彩なスタイルで楽しめる。ちょっと贅沢をしたい日には、小林シェフおすすめの上質なスプマンテもある。
“誰でも楽しめる”ようにノンアルコールタイプのワインもラインナップ。きちんとグラスでサーブしてくれる。
▲左から小林幸司シェフ、平将直シェフ、『壁の穴』総料理長の柳田慎一シェフ
日々のキッチンを担当するのは、小林シェフ(写真上・左)が「ストレスなく任せられる」と全幅の信頼を置く平シェフ(同・中央)。小林シェフスタイルの料理のこだわりをしっかり一皿に盛り込んでいる。
「リストランテ一歩手前にある腕のいい脇役的な存在になればいいと思います。ちゃんと食べたい人、ちょっと飲みたい人、家族連れでも、仕事帰りでもどんなシーンにも対応できる店なんです」(小林シェフ)
仕事帰りに立ち飲みで一杯もOK。しっかりと食べたければ、1~2品頼んで、最後にパスタで締めてもお財布に優しいプライスで収まる。今後は、国内あちこちに増やしていきたいと語る小林シェフ。気さくに味わえるとびきりのアンティパストたちに逢いに出掛けよう。
【メニュー】
「パイナップルのマリネ」(単品) 500円
「オリーブのストゥファート」(単品) 600円
「アッフェタータミスト」 1,500円
「仔羊のトリッパ」 1,200円
「〆パスタ(ボッタルガ)50g」 800円
「真実のカルボナーラ〝スパゲッティ″」1,500円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
Antipasto Bar di Buco di Muro e Koji Kobayashi(アンティパスト バー ブッコディムーロ バイ コウジコバヤシ)
- 電話番号
- 03-5929-7275
- 営業時間
-
11:00~23:00(LO 22:00)
定休日:『ビーンズ阿佐ヶ谷』休館日に準ずる
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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