日比谷『ウラドラ』はコース6品5000円の高コスパイタリアン！実は…『DRAスタンド』の裏レストラン

東京メトロ有楽町駅・日比谷駅・銀座駅から徒歩5分圏内という赤レンガのグルメ街「日比谷グルメゾン」。いま日比谷エリアのグルメスポットとして話題のエリアだ。この「日比谷グルメゾン」の中でも注目したい飲食店が『DRAスタンド』と『ウラドラ』。2つのエリアで使い分けを楽しむことができるレストランだ。

扉を開けてすぐの手前側が、ピザを中心とするメニューを楽しめる立ち飲みスタイルの『DRAスタンド』、奥側が、コース料理でゆっくりとした時間を堪能できる『ウラドラ』だ。

2つで1店舗。「スタンド（写真上）を待ち合わせに使う方もいらっしゃいますし、『ウラドラ』でコースを楽しんだ後、もう少し何か飲みたいとスタンドを利用される方もいらっしゃいますね」。そう明かしてくれるは、店長を務める吉野圭祐さんだ。

『DRAスタンド』には、同店専用として作られた苺のセゾンスタイル「ドラスタンドオリジナル」、わさびを使ったJPA「わびさび」、ベリー風味のサワービール「シエラネバダ」をはじめとするクラフトビールが多彩にラインナップ。さらに、「NINJINサワー」（写真上・左）、「BEETSサワー」（同・右）などのベジタブルサワーもそろう。

メニューのイチオシはピザ。トマトソースにサラミやピーマンがのった「ディアボロ」（写真上）など、いずれもオーダーを受けてから目の前で焼き上げてくれるため、冷たいドリンクとともに熱々を楽しめる。

“DRAスタンド”オリジナルで配合された粉で作ったピザ生地は、もちっとした食感が魅力。薄く伸ばした生地にたっぷりの具材とソースがトッピングされているので、軽く腹ごしらえしたいときにもぴったりだ。

店内奥で『ウラドラ』を切り盛りしているのは、フレンチ出身の笠間豪シェフ。スペインの料理学校で学んだ後、帰国してからはフレンチの重鎮、三國清三シェフのレストランなどで腕を振るっていたが、『ウラドラ』で手掛けているのはイタリアン。ただし、ソースにこだわった、フレンチのようなメニューぞろいだ。

メニューは、オープンから21時までは全6品のコースのみ。21時以降はアラカルトのメニューも提供している。

コース1品目に登場するのは前菜2点盛り（写真上）。取材日は、「金目カルパッチョ ウニ添え」および「ブラータチーズのカプレーゼ」がセットになっていたが、内容は月に1度変更する。表面を炙ったカルパッチョにトッピングされているのは、濃厚なウニと紫蘇の赤ちゃんである「紫芽」。最後にすりおろしたワサビを散らしているため、日本料理のようなニュアンスも楽しめる。

ブラータチーズにトッピングされているフルーツトマトは、ドライにしているため、甘みがぎゅっと凝縮されているのが特徴的。キャビアの塩味との相乗効果で、うまみもぐっと際立っている。

コース利用時には、料理の品数と同じ6品がセットになったペアリングのオーダーがおすすめだが、和をイメージしたカルパッチョが前菜として登場する場合、だしの香りがするワインをチョイスすることもあるのだとか。しかも、料理ごとに2～3種類のワインから好きなものを選ぶことができるので、ソムリエの説明を聞きながらより好みに合ったものを試せるのもうれしい。

笠間シェフのフレンチ仕込みの腕前を存分に堪能できるのが、「フォアグラのソテー」（写真上）。マディラ酒とフォンドヴォーで作ったペリグーソースをたっぷりとまとわせ、トリュフを散りばめられたフォアグラのコク深さは圧巻。下に敷かれているさつまいもと一緒に口に運んでもおいしいが、ソースの味を最後まで噛みしめたいなら、おかわり自由のパンを活用してすっかりぬぐってしまうのもオツである。

さつまいもは、香りが強い「新さつまいも」を90℃以上のお湯で2時間半かけてゆっくりと茹でているため、甘みが増して濃厚な味わい。フォアグラのコクと相性ばっちりで、ワインのお供としても最適だ。

パスタの人気は、「究極のナポリタン」（写真上）。何が究極かというと、玉ネギとピーマン、ニンニクを1時間かけて炒めた後、ケチャップを入れて30分煮詰めて、その後さらに、トマトソースを加えて30分煮詰めるという工程そのもの。肉は一切使っていないため、野菜の甘み、うまみを存分に堪能できる。

麺の量を調整してもらえるのもポイント。パスタは、コースのうしろから2番目に位置づけられているため、「あとどのくらいお腹に余力を残しておきたいか」を考えやすく、ちょうどいい腹具合で最後まで楽しむことができる。

全6品で税込5,000円というリーズナブルな価格設定ゆえ、友だち同士で日常的に利用するお客さんも多いというが、エリアごとに違った気分を味わえるのもまた魅力だろう。「1度で2度おいしい店を作りたかった」と吉野さんは明かすが、はしごすることなく同じ店の中で、異なる雰囲気と異なる料理を満喫できたら確かに楽しい。

駅からも近く帰りも楽なので、終電ギリギリまでおしゃべりに花を咲かせたい夜にもぴったり。銀座の夜を遅くまで堪能したいなら、同店を利用しない手はなさそうだ。

【メニュー】
▼『DRAスタンド』
・NINJINサワー　500円
・BEETSサワー　500円
・ディアボロ　1,100円
＊価格はすべて税別です
▼『ウラドラ』
・コース　全6品5,000円
・ペアリング　全6杯5,000円
※価格はすべて税込です
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです

撮影：佐々木雅久