ザリガニ料理専門店『蝦道(シャドウ)』が高田馬場に誕生!中国で爆発的人気のザリガニ料理の魅力とは?

高田馬場のザリガニ料理専門店『蝦道(シャドウ)』をご紹介。中国で大ブーム中のザリガニ料理は、低脂質高タンパク、そのヘルシーさが女性に大ウケ。エビよりもギュッと身の詰まった食感と、中国料理ならではの刺激的な味付けがクセになると、オープン直後から口コミでじわじわ評判に。開店直後から席が埋まっていくので、来店の際は予約がおすすめ。テイクアウト利用もできるので、シーンに合わせてザリガニ料理を楽しもう!

桑原恵美子

Summary
1.中国で大ブームのザリガニ料理専門店「蝦道(シャドウ)」が、高田馬場にオープン
2.気になるそのお味は? 初心者~上級者向けまで、難易度別におすすめメニューを紹介
3.テイクアウトも可能! 食べきれなかった料理も密閉容器で持ち帰りOK

中国ではファストフード店より多い⁉ 「ザリガニ料理専門店」が高田馬場に誕生

ここ数年、中国で爆発的に人気が広がっているのが「ザリガニ料理」。

ザリガニ自体は欧米でも食べられていて、なかでもスウェーデン人は大のザリガニ好きで有名。その人気は、ザリガニ漁が解禁になる8月には多くの家庭でザリガニパーティーが催されるほどだそう。

中国でも以前から食べられていたが、近年、ファストフード店をしのぐ勢いで「ザリガニ料理専門店」が急増中! そんな中国流のザリガニ料理が味わえる専門店『蝦道(シャドウ)』が2020年9月4日、高田馬場(西早稲田)にオープンした。

『蝦道』があるのは、JR「高田馬場駅」から早稲田通りを数分歩いたところ。ザリガニが描かれた大きな看板が目印だ。

半地下の店は34席。オープンとほぼ同時に席が埋まっていくので、予約は必須。客層は中国の若い人、特にお洒落な女性が多い印象だ。

テーブルには、殻をむく時に汁が飛び散ってもいいように、ビニール製のクロスが敷かれている。さらにビニール製の手袋やエプロン付き…と、ザリガニ料理を思う存分楽しむための心遣いが徹底されているのは、専門店ならでは。

日本語が堪能なスタッフが、食べ方を丁寧に教えてくれる!

この店のオーナーは、東京近郊でいくつかの飲食店を手掛けている中国出身の実業家。ザリガニ料理が大好きだが、日本に専門店がないことを惜しみ、専門店を開いたという。

店長の許鑫磊(キョ キンライ)さん(写真上)は、ハルビン市(中華人民共和国黒竜江省)出身で、日本に来て13年目。日本語が堪能で、ザリガニ料理の食べ方でわからないことは気軽に聞けるのがありがたい。

「中国のザリガニ料理店は、日本でいうと焼鳥屋さんのような感じですね。どこの街にもたくさんありますし、みんな大好きです。私も大好きで、中国に帰ると必ず食べますよ。若い女性のお客さんが多いのは、タンパク質が多く脂肪が少ないため、ダイエット中でも安心して食べられるからではないでしょうか。いろいろな味があるので、もちろん男性や年配の方にも人気です」(キョさん)

調理前のザリガニ(写真上)は、一見、エビのよう。

中国から冷凍のものを取り寄せていて、なかでも大連(中華人民共和国遼寧省の南部)や山東省のザリガニが多いとのこと。

中国のザリガニ料理店はほぼザリガニ料理だけなので、1軒目で軽い食事を済まし、2軒目でザリガニ料理を思いっきり楽しむ人が多いそう。『蝦道』のメニューは30種類ほどあり、その1/3がザリガニ料理。店長のキョさんに、ザリガニ初心者~上級者までのおすすめの料理を聞いた。

【初級者向け】ザリガニと野菜の餡がたっぷり! 殻をむかずに食べられる「ザリガニ丼」

「ザリガニ料理は初めて!」という方は、むき身のザリガニをうずら卵や野菜とともに醤油味の餡で煮込み、ご飯にかけて食べる「ザリガニ丼」(写真上)から試してみるのがおすすめ。

ザリガニ料理は殻をむいて食べる料理が多いが、むき身なので食べやすく、味も穏やかなので誰にでも好まれるおいしさ。一人で食べ切れるサイズのため、「一人で来店されるお客様に人気です」(キョさん)とのこと。

食べてみると、エビよりも弾力があり、甲殻類特有のうまみがぎゅっと凝縮されている印象。「中国では、エビよりもザリガニの方が好きな人が多い」というキョさんの言葉が、この一品でも十分わかる。

【中級者向け】殻むきでザリガニ料理の醍醐味を味わう「五香ザリガニ炒め」

「もっと本格的なザリガニ料理を味わいたい!」という方には、「五香ザリガニ炒め」(写真上)がおすすめ。
(※通常は頭無し、頭付きは要予約)

ビールで煮込んでザリガニの臭みを抜き、中国特有のスパイスを複数使って炒めている。殻をむくとこってりとした味噌がたっぷりつまっているので、むき身よりもさらにザリガニ特有のうまみと香りが濃厚。刺激的なピリリとした辛みと複雑な香りもあり、食べ始めたら止まらない味!

しかし、ここで気になるのが殻のむき方。慣れれば簡単だが、むき方にはコツがあるので、キョさんに見本を見せていただいた。

【ザリガニの殻の上手なむき方】

① 頭付きのザリガニの場合はまず、頭をはずす。ここは大胆にいこう。

② 次に、頭近くの部分を片手で押さえながら、もう片方の手で尾の部分を持って軽く引く。そうすると、身の部分だけがスルリときれいに抜ける。

2~3尾でコツを掴むと、徐々に身が抜けるのが快感になってくる。この爽快感も、食べるのが止まらなくなる理由のひとつだろう。

【中級者向け】女性に大人気! 殻ごと味わう「塩漬け卵黄ザリガニ炒め」

同じ“殻をむいて食べる料理”でも、殻ごと口に入れ、枝豆のように歯でしごいてむくのが、「塩漬け卵黄ザリガニ炒め」(写真上)。

アヒルの卵黄を塩漬けにしたものをたっぷり使って、甘辛い味のタレを絡ませて炒めている。コクのある卵黄の甘み、ザリガニの味噌のうまみ、甘辛いタレがミックスされたやさしい甘さ。歯でしごいて食べるので殻をむくより食べやすく、殻をしゃぶる食べ方もワイルドで楽しい。辛い味が苦手な方にもおすすめ。

【上級者向け】中国人客の人気No.1メニュー「マーラーザリガニ炒め」

「もっとパンチのある辛さがいい!」という方は、中国出身のお客人気No.1という「マーラーザリガニ炒め」(写真上)に挑戦してみてはどうだろうか。

赤トウガラシと青トウガラシ、ニンニクなどの香辛料が、ザリガニが見えないほどたっぷりかけられていて、見るからに辛そうだ。

「日本の方は、あまり食べたことがないレベルの辛さだと思います」(キョさん)という言葉どおり、舌にピリピリ痛みを感じるほどの辛さだが、食欲をそそるニンニクの香り、山椒の痺れ感が、ザリガニの濃厚なうまみをさらに引き立ててくれる。

そのほか、キョさんが「ザリガニ料理を食べ慣れている人でないと、本来のおいしさは味わえないと思う」と言うのが、「ザリガニの塩コショウ炒め」。ザリガニを殻ごと揚げて塩胡椒をしただけのシンプルな料理で、殻ごとガリガリ噛んで食べるスタイルだ。殻ごと食べるのに慣れている人でないとハードルが高いが、かといって殻をむいて食べるとおいしさが半減し物足りなく感じるそう。

2020年11月から登場しているのが、「ザリガニ火鍋」(写真上)。

四川省の代表的な鍋料理で、唐辛子、山椒をベースにしたピリ辛のスープに、殻つきのザリガニとたっぷりの野菜を入れて食べる。

ザリガニ以外の料理もおすすめ! 本場四川の前菜も逸品揃い

ザリガニ料理に合う前菜も、おすすめしたい逸品が多い。

「牛センマイ第三胃の辛子漬け」(写真上)は、センマイ(牛の第三胃)のコリコリとした食感とたっぷりのラー油がクセになりそうな味。

「牛スネ肉とハチノス和え」(写真上)は、やわらかく煮込まれたハチノス(牛の第二胃)を甘辛いタレで和えたもので、ナッツがいいアクセントになっている。

ほとんどのメニューがテイクアウト可能!

店内で提供される料理は、鍋料理などを除いてほとんどがテイクアウト可能。長く持ち歩いても汁漏れしない密閉容器(電子レンジ対応)に入れてくれるので安心だ。

テイクアウトのみを利用するお客も多く、取材当日も予約注文のテイクアウトを受け取りに来る人がちらほら。イートインで食べきれなかった料理をテイクアウトして持ち帰れるサービスがあるのも、ありがたい心遣いだ。

ザリガニ料理の魅力は、一度食べればわかる!

実食する前は「ザリガニって食べられるの?」という程度だった取材班。中国で大人気だと知り驚いたが、食べてみてその魅力がわかった。エビよりも濃厚な味わいだが、特有のクセもあるので、パンチのきいた味付けが多い。それが若い層に受けるのだろう。

また行儀もテーブルを汚すことも気にせず、ワイルドに手づかみで食べる解放感、むいた殻が積みあがっていく達成感も大きい。

「オープン当初はほぼ中国のお客さんだけでしたが、最近はどんどん日本人のお客さんが増えています」(キョさん)とのことなので、この味と楽しさを知る人が増えれば、日本でも大ブームが起きるかもしれない。


【メニュー】
・ザリガニ丼 1,280円
・五香ザリガニ炒め 2,280円
・塩漬け卵黄ザリガニ炒め 2,580円
・ザリガニの塩コショウ炒め 2,280円
・マーラーザリガニ炒め 2,480円
・ガーリックザリガニ炒め 2,480円
・そうめん(ザリガニ炒め用のつけ麺) 200円
・薬膳ザリガニ炒め 2,480円
・鶏肉とザリガニの四川風煮込み 1,280円
・ザリガニ火鍋 2,480円(1人前) ※2人前から注文可
・牛センマイの辛子漬け 780円
・牛スネ肉とハチノス和え 780円

撮影:岡崎慶嗣

ザリガニ専門店 蝦道(シャドウ)

住所
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3-21-2 足達ビルB1F
電話番号
03-5272-6080
営業時間
17:00~23:00
定休日:無休

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。