西荻窪の『タリカロ』は絶対行くべきスパイスカレーの名店! カレーほぼ全部入りプレートは必食だ
古都・奈良から、中央線・西荻窪へ上陸した『對馬流南インド系辛口料理店 タリカロ』が、早くもスパイス好きを魅了! 『タリカロ』の魅力が詰まった「タリカロ・カリー(ほぼ全部入り)プレート」は必食です。また北海道でのびのび育った羊肉を一頭買い。うまい羊肉を余すところなく使うスパイス料理が続々登場。全種類を一度に味わえる夜限定プレートで、明日も食べたくなる飽きないカレーを体感しよう!
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(※お酒の提供については、国や自治体の要請に準じています)
カレーの激戦区・西荻窪にやってきた! カレーの名店『タリカロ』
カレー文化が色濃く根付くJR中央線沿線。なかでも西荻窪駅周辺は、人気カレー店が林立する、カレー好きがわざわざ降り立つ街だ。この街に、奈良、いや関西地方で注目されたカレーの名店『タリカロ』が、引っ越してきた。
西荻窪駅南口から徒歩2分ほど、いかにも古いビル1階奥に、奈良から運んだ手書きの木製看板を掲げて2021年1月26日に移転開店と相成った。
迎えてくれるのは、店舗と一緒に西荻窪へ引っ越してきた、對馬(つしま)啓太郎さん・里香さん夫妻。「西荻窪の人は皆さんいい人で、これからが楽しみです」と、新天地での商売と暮らしをスタートさせている。
店内は、カウンター席を合わせて18席ほど。奈良の店舗より規模を縮小し、ゆったり明るい雰囲気を醸し出している。が、カウンター背後にはアルコールが並び、「スパイス料理とお酒を楽しんで」という、夫妻の想いが伝わってくる。
『タリカロ』の魅力が大集合の贅沢プレート
初来店ならばオーダー必須のメニューが「タリカロ・カリー(ほぼ全部入り)プレート」(写真上)。常連客がこちらのプレートを目当てにやってくる看板メニューだ。インドのアーンドラ・ブラディッシュ州伝統の辛いカレーをモチーフにしつつ、研究に研究を重ねた對馬流のスパイスワールドをこのプレートに落とし込んでいる。
カレーは右回りに、豆のカリー「ダール」、当店ではマイルドな「エビカリー」、中辛の「チキンキーマカリー」、最も辛い「チキンカリー」。中心のスパイスライスはかなりの大盛り、手前の骨つきチキンは「チキンカリー」のチキン。そのほか、ヨーグルト、ボリヤル、アチャールなども添えられている。
「複雑な味と言われますが、スパイスの種類はそんなに多くなく、実はシンプル。何種類使うかより、組み合わせの妙を大切にしているんです」と、啓太郎さんは話す。
たとえば、「ダール」と「エビカリー」は、クミンとカレーリーフ。「チキンキーマカリー」はローリエ、コリアンダー、クローブ。「チキンカリー」はクミン、コリアンダー、グローブを主に使っているという。辛みは、チリと玉ネギの量がポイントになる。
プレートを注文すると、先に對馬流の食べ方メモが運ばれてくるので、厨房で作っている間に、食べ方のイメージトレーニングをしておこう。
まず、スパイスライスを崩し、骨つきチキンをほぐしてライスに混ぜる。圧力鍋を使ってやわらかく仕上げたチキンは、骨と身がスーッときれいに離れ、ほぐしやすい。
辛みが穏やかなダールから右回りで味を確認して、同様に穏やかな辛みの順にライスと絡めて味わう。
「チキンキーマカリー」、「チキンカリー」は、混ぜると辛さが倍増になるので注意!
辛みの口休めには、ヨーグルトや副菜を。間違っても水を飲まないほうがいいかも。水は辛さを激増させるから。飲むなら、ソフトドリンクならチャイやラッシー、お酒ならワイン、あるいは……
(※お酒の提供については、国や自治体の要請に準じています)
強めのアルコールが得意なら、一見ラッシーのように見えるカクテル「バング・ラッシー」を!
直訳するとマリファナ入りラッシーだが、当然、ジョーク。さて、何が入っているかは、飲んでみてのお楽しみ。決してごくごく飲まないように。
ディナーは一頭買いの羊肉を使った一品料理が充実!
さて、ディナー帯に訪れたら、カレーの前に一品料理を味わうのがおすすめ。感覚的には、そば屋でそばの前に気の利いた肴と日本酒をゆるゆるやる感じ。カレーの前にスパイス料理でお酒を楽しもうではないか。
一品料理は日替わりで10種類前後用意するが、中でも鶏の砂肝をスパイスオイル漬けにした冷前菜「チキンギザード・マサラ」(写真上)が定番だ。ひとりでもちょうどいい量なのがうれしい。
お供には、北海道の生ビール「ソラチ」も惹かれるが、インドを代表するワイン「スラ・ヴィンヤーズ ソーヴィニヨン・ブラン」と合わせるのも一興。「チキンギザード・マサラ」の、噛むほどに広がるうま辛パンチを、このインドワインが爽やかに柔軟に受け取めてくれる! スパイス料理とインドワインの相性の良さに唸る。
北海道「茶路めん羊牧場」で育つ貴重なマトンは絶品!
「国産のマトンを使いたいとずっと思っていたところに、北海道で羊を育てている武藤浩史さんに出逢いました。2011年のことです」と、里香さん。
以来、武藤さんが営む「茶路めん羊牧場」からマトン(3歳以上の羊)を分けてもらっていて、夫妻で牧場を訪ねることもある。
「武藤さんの羊は、脂が甘くておいしい。だから、シンプルにグリルで焼き上げて、スパイスで味わうのが一番!」と、お二人。
一押しの「“まぼろしのマトン”のスペアリブのロースト」(写真上)は、メニューにあったらぜひ注文してほしい(事前予約も可能)。運ばれる皿からは、マトンのジューシーな香りとスパイス香、さらに爽やかな香りが混ざり合う。
爽やかさの元は、刻んだパクチーとライムを合わせたトッピングだ。マトンの周囲は、辛み広がるマスタードソース、さらにムングダールを煎って挽いたパウダー状を散らしている。
トッピング、ソース、パウダーを自在に絡めながら口に運ぼう。口中でスーッと溶ける脂は甘く、思いのほかさっぱりとしたあと味に驚かずにはいられない。
羊は一頭買いで仕入れており、啓太郎さんが厨房で解体し各部位に分けている。「マトンカリー」はもちろん、スペアリブ、ステーキやスープ(「ニハリ」や「マラック」)にも、羊肉がお目見えするのでぜひ試してみて。
スパイスが縁で出逢い「對馬流」を極めた二人
對馬啓太郎さん、里香さん夫妻。今回、東京進出を思い立ったのは、里香さんだ。
「実は、大学時代に住んでいた高円寺で、おいしいインドカレーに出逢ってカレーに目覚めたんです。コロナ禍でいろいろ考える時間ができて、もう一度大きなチャレンジをしようと、思い入れのある中央線沿線にやってきました。彼の料理を東京の人にも食べてもらいたくて」(里香さん)。
啓太郎さんは北海道出身。本場スープカレーに親しんで育ち、大学時代に京都でカレーの世界にはまっていったという。
辛いカレーをこよなく愛する二人が出逢い、一緒に食べ歩きをしながら、自分たちの理想の味を追求しはじめた。それは、辛いだけでなく「おいしい」をちゃんと感じられる味。研究に研究を重ね、「對馬流南インド系辛口料理」が完成。みんなに食べてもらおうと奈良で開業したのは2014年のこと。奈良での数年の月日を経て、2021年、東京でのチャレンジが始まった。
食べながら体温がぐんぐん上昇する辛さは、想像以上。しかし、食後の達成感、安心感、心身がすっきりして視界が広がる感が渦巻く不思議。
翌日、あれ? 今日もまた『タリカロ』のカレーが食べたい!
【メニュー】
<昼のメニュー>
・合いがけ(チキンカリー×チキンキーマカリー) 1,250円
<夜のメニュー>
・夜のタリカロ・カリー(ほぼ全部入り)プレート 2,200円
・北海道産・マトンカリー 1,350円
<本日の一品>
・チキンギザード・マサラ 700円
・「まぼろしのマトン」のスペアリブのロースト 2,600円〜
<ドリンク>
・生ビール ソラチ 600円
・インドビール 700円
・インドワイン(白、赤) グラス700円/カラフェ1,900円/ボトル3,900円
・ラッシー 400円
・マサラチャイ 450円
・カクテル 600円〜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格は税別です。
※お酒の提供については、国や自治体の要請に準じています。
對馬流南インド系辛口料理 タリカロ
- 営業時間
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11:30〜14:00(13:50 L.O.)/ 18:00〜22:30(21:30 L.O.)
定休日:月曜・木曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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