ロンドンの大人気店が日本初出店!『リナストアズ 表参道』は食事も買い物も楽しめる♪

ロンドンで絶大な人気を誇るイタリアンレストラン&デリカテッセン『リナストアズ』の英国外初の旗艦店が、2021 年7月30日、東京・表参道にオープンしました。看板メニューは、店内の工房で作られるフレッシュパスタ。デリカテッセンでは家庭でレストランの味が再現できる「パスタキット」も販売され、人気を集めています。

桑原恵美子

イギリス在住のイタリア人に圧倒的に愛され続けている名物店が、海外初進出

『リナストアズ表参道レストラン&デリカテッセン(以下『リナストアズ表参道』)は、1944 年ロンドン・ソーホー地区で創業し、イタリアンデリカテッセン(食料品店)やレストランとして絶大な人気を誇る『リナストアズ』の初の海外旗艦店。

外観も店内も、『リナストアズ』のシグニチャーカラーであるピスタチオグリーンで統一されている。白い大理石の床や、カジュアルな椅子も本店のスタイルを踏襲。レストランとデリカテッセンを併設した形は、2019年にオープンした『リナストアズ キングスクロス店』をモデルにしている。

シアターキッチンでの調理を間近に見ることができるように設計されたカウンター席は、おひとり様の特等席。そのライブ感につい見入ってしまう。

『リナストアズ表参道』には、本国の店舗にはないプライベートダイニングルームがある。特別感や仲間だけの落ち着いた空間を求める日本人のために用意したという。

おいしいもの好きのイタリア人たちが集まる店として、有名に!

『リナストアズ』という名前の由来は、創業者の名前。イタリアのジェノバ出身のリナさんが1944年にロンドンのソーホー地区にオープンした店で、現在ではソーホーとキングスクロス、ブルームバーグアーケードに4店舗を構えている、超人気イタリアンレストラン&デリカテッセンだ。77年前のロンドンにはイタリアの料理や食材が揃う店がまだほとんどなく、イタリア出身の人たちは故郷の味そのままが手に入るこの店のオープンに歓喜。たちまちイタリア出身者たちのコミュニティの中心となり、ソーホー地区の名所のひとつとなった。

人気の理由のひとつが、店内で作る種類豊富なフレッシュパスタ。イタリア北部ではやわらかいフレッシュパスタが好まれ、自宅で手作りするのが一般的。創業者のリナさんが日常的に作っていたフレッシュパスタを店で提供したところ、名物となった。

現在の『リナストアズ』のヘッドシェフ、マーシャ・レナーさんも、女性がパスタを打つのがあたりまえという土地柄のイタリア・ウンブリア州の田舎で生まれ育ち、10歳の頃からフレッシュパスタを作り続けてきた。『リナストアズ』で提供するフレッシュパスタには、創始者のリナさんのスタイルとともに、マーシャさんが村の女性たちに教わった技と愛情が受け継がれているという。

看板メニューのフレッシュパスタは、店内の工房で10種類を毎日製造

席につくと、水をガス入りにするかガス無しにするか聞かれる。無料でガス入りの水(写真上)が飲めるのは嬉しい。

『リナストアズ表参道』で何をおいても食べて欲しいのは、店内の工房で毎朝、心をこめて作っているフレッシュパスタ。

イタリア製のパスタマシンとイタリア産の小麦粉やセモリナ粉を使用して作るフレッシュパスタは全部で10種類。その形状を最高に味わうためのソースが厳選されていて、ソースを複数のパスタに兼用することは絶対にないとのこと。フレッシュパスタへのこだわりがうかがえる。

全部で10種類あるパスタメニューの中でも、一番のおすすめは「リナストアズ」のスペシャリテであり、シグネチャーメニューとして本国ロンドンでも熱烈に愛されている「フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ」(写真上)。

卵、イタリア直輸入のセモリナ粉2種類を使って平たく製麺したタリオリーニを、トリュフバターとトリュフのピューレで作ったソースで和え、チーズをかけ、フレッシュトリュフをスライスしてトッピングしている(写真上)。シグネチャーメニューだけに季節によってトリュフの産地を使い分け、さらに熟成させ香りを引き出して使用している。

トリュフの香りは、皿が運ばれた瞬間からあたりにただようほど濃厚。薄くスライスされたトリュフをタリオリーニといっしょに口に入れると、フレッシュならではの軽やかな食感。同時にスパイスのような、森の空気のような香りが口の中にパッと広がる。バターとトリュフがひとつに融合した濃厚なソースと、フレッシュなタリオリーニのモチモチ感の相性のよさ。なんと贅沢な一皿だろう。

フレッシュパスタとともに、種類豊富なアンティパストを楽しむのが“リナスタイル”

『リナストアズ表参道』のメニューを見て意外に思うのは、メニュー構成。アンティパスト(前菜)はデリカテッセンの盛り合わせなどを含めて11種類、パスタは10種類あるのに、メインは肉と魚の料理が各1種類だけ。

『リナストアズ』はデリカテッセンからスタートしているため、レストランメニューもデリカテッセンで愛され続けているメニューが多い。さまざまな種類の前菜とフレッシュパスタとともに楽しむのが、『リナストアズ』のスタイルなのだ。

イギリスで特に人気が高い前菜が、「イタリア風茄子のコロッケ」(写真上)。茄子を蒸した後、保温したまま1日寝かせて水分を抜いているため、茄子がトロトロにやわらかくなっている。うまみが凝縮したクリーミィな茄子は、舌が火傷しそうなほど熱々なのに食べるのをやめられないおいしさ!

表参道店だけのオリジナル、ノンアルコールカクテル

イタリア産ワインとともに、イタリアで人気の瓶入りソフトドリンクの種類も豊富だが、本国にはない表参道店だけのオリジナルが、4種類のノンアルコールカクテルだ。

エスプレッソの苦みと甘味が楽しめるコーヒーカクテルや、ノンアルコール・ジントニック、ノンアルコール・スパークリングワインとブラッドオレンジのベリーニ、色鮮やかなフルーツヴィネガーベースのカクテルなど、どれも試してみたくなるものばかり。

「No Gin Timo」(写真上)はトニックウォーターに、バラ、ラベンダー、ジュニパーベリー、タイムなどの香りをつけたノンアルコール・ジントニック。ノンアルコールなのに、ハーブとスパイスのアロマがお酒のような余韻を感じさせてくれる、不思議なドリンクだ。

デリカテッセンには、『リナストアズ』の魅力が凝縮している!

食事が終わったら、ぜひデリカテッセンに立ち寄って欲しい。中央の冷蔵ケースには、前菜やパニーニなどの軽食、そしてスイーツがずらりと並んでいて、まるでイタリアのデリカテッセンにトリップしたよう。14~17時のカフェタイムには、デリカテッセンの一部メニューが店内でも食べられる。

「シシリア発祥のカンノーロ」(写真上)は、生地に甘く仕上げたフレッシュなリコッタチ―ズをたっぷり詰めて、片方はチョコレートチップ、片方は砕いたピスタチオをトッピングしている。

定番の「ピスタチオチップのマリトッツォ」も人気だが、10月1日から発売されている秋の新作スイーツ「マロンのマリトッツォ」(写真上)はとりわけ必食! マロンのクリームとホイップクリームの2層のフィリングは、口に入れた瞬間に溶ける淡雪のような軽さ。さらに驚くのが、レモンとオレンジの皮を練り込んだブリオッシュのおいしさだ。この2種の「マリトッツオ」はブリオッシュ生地が焼きあがる13時以降の販売なので、ご注意を。

9月17日からデリカテッセンで販売を開始し早くも人気を集めているのが、店内の工房で打ったフレッシュパスタとソース、チーズが2人前のセットになった「パスタキットセット」。

「イタリア・ラツィオ州アマトリーチェ由来の辛味トマトソース ビゴリ」(写真上手前)、「3種のたっぷりキノコソース ほうれん草入りマファルディーネ」(同左)、「豚ひき肉とポルチーニの煮込みソース ピチ」(同右)、いずれも2人前。

「ビゴリ」はヴェネト州名産のロングパスタで、日本人好みのもちもち感と強いコシが特徴。「ピチ」はうどんに似た弾力の強い極太麺。いずれも逸品揃いだが、一つだけ選ぶとすれば、日本ではなかなかお目にかかれないホウレンソウ入りの「マファルディーネ」のフレッシュパスタがおすすめ。マファルディーネとは、ふちがフリル状の幅広い平面パスタ。

特殊な口金を付けたパスタマシンで押し出して成型する。

自宅で調理しても、レストランのようなできばえ(写真上)。噛むとこのフリル部分と中央のたいらな独特の食感のコントラストが面白い。「3種のたっぷりキノコソース」は、具もたっぷりで、濃厚なうまみのあるソースがフリル部分によくからむ。これが自宅で食べられるのはありがたい。

グロッサリーには、思わず買い占めたくなるオリジナルフードがいっぱい

グロッサリーには、ここでしか買えない『リナストアズ』オリジナルフードや、イタリア中から集めたハイクオリティな食品がずらりと並んでいる。イタリア産の原料を使用し昔ながらの伝統的な製法を守ったオリジナルのドライパスタも6種類あり(写真上左)、イタリアのさまざまな地方のオリーブオイル(同右)など、何時間でも見ていられそうなほど豊富で楽しい品揃えだ。

大切にしているスピリッツは、日本食にとても近かった

『リナストアズ』が海外進出の1号店として日本を選んだのは、季節の食材を用いたシンプルで風味豊かな料理を志向する点、上質な食材とプロフェッショナルな職人技を尊重する姿勢が共通していると常々感じていたためだという。確かに『リナストアズ表参道』で味わう料理は、すべてが素材をいかしたシンプルな調理法でありながら、職人の技が随所に感じられるものばかり。イタリアに旅行した気分に浸りながら、日本食との意外な共通点に気づかされる。

オシャレで、居心地がよく、おいしいだけではない。その深い魅力に触れるたび、もっと知りたくなり、また訪ねたくなる。

【メニュー】
フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ 2,000円
イタリア風茄子のコロッケ  850円
カンノーロ 200円/1個 ※レストラン:700円/3個
No Gin Timo 850円

◎テイクアウト
イタリア・ラツィオ州アマトリーチェ由来の辛味トマトソース ビゴリ(2人前・BOX付) 1,600円
豚ひき肉とポルチーニの煮込みソース ピチ(2人前・BOX付) 1,800円
3種のたっぷりキノコソース ほうれん草入りマファルディーネ(2人前・BOX付) 1,950円
マロンのマリトッツォ 500円 

LINA STORES 表参道

住所
〒107-0061 東京都港区北青山3-10-5 スプリングテラス表参道1F
電話番号
03-6427-3758
ぐるなび
ぐるなびページhttps://r.gnavi.co.jp/322zk6wz0000/

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※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。