星付きシェフ監修の香港料理が350円から!コスパが最強すぎる立ち飲み中華『馬車道8』【関内】

横浜・関内、ミシュラン一つ星シェフが監修する香港屋台料理の立ち飲み中華『馬車道8(エイト)』をご紹介。1品350円からというカジュアルな価格でハイクオリティーな香港グルメが楽しめるとあって、地元でも幅広い層から大人気。横浜で日常的に食べられる中華料理“馬車道中華”を食べにふらりと立ち寄ってみてください。

桑原恵美子

“焼物の魔術師”と呼ばれる星付きシェフが、立ち飲みの香港料理店を監修!

これまで一部の人たちしか味わえなかった美食体験を、日常的にカジュアルに楽しめる形で提供する…。そんなコンセプトの店が最近増えている。 2020年12月1日にオープンした『香港キッチン馬車道8(エイト)』(以下『馬車道8』)もそのひとつ。

横浜市営地下鉄「関内」駅から徒歩5分ほど、マニアックな飲食店が点在する太田町通り。黒とゴールドで統一されたファザードからは、立ち飲み店とは思えない高級感がただよう。

香港の屋台を彷彿とさせるう立ち飲みスタイルだが、希望があれば椅子も貸し出す(200円)。すっきりした空間デザインで、通路は広く個別のテーブルもあるため、女性の一人客も多いという。

同店の料理を監修している横尾博志さんは、横浜の伊勢佐木町出身の“浜ッ子”。「高輪プリンスホテル」(東京都港区)で中華料理のキャリアをスタートさせた後、ウェスティンホテル東京『龍天門』」の焼物料理長を務め、ミシュラン一つ星を3年連続で獲得。“焼き物の魔術師”の異名を持つ。その後さらに香港シェラトンホテル『天宝閣』で腕を磨くかたわら、中華料理では使用することの少ない食材「ふぐ」の調理免許を取得するなど、常に新しいスタイルに挑戦している。

そんな横尾さんの料理に惚れこんだのが、横浜市中区の馬車道にオフィスを構えるオーナーだった。愛着のある地元に「馬車道で食べるおいしい中華料理」をコンセプトにした高級中華料理店『水綾閣(すいりんかく)』を2021年4月にオープン。『馬車道8』のスペースは当初、オープン前にさまざまな料理を試作するためのテストキッチンとして使用されていた。しかし場所がいいこと、適度な広さがあることから、「香港の本物のB級グルメを、カジュアルな価格で楽しんでもらえる店を開きたい」と考え、『水綾閣』オープンに先立って『馬車道8』をオープンした。

メニューは60種類以上、どれも正真正銘の”一流店の味”

『馬車道8』のメニューはすべて横尾さんが監修。レギュラーメニューは「前菜」「野菜料理」「点心」「豚肉、鶏肉」「海鮮」「鉄板」「麺・飯」「デザート」と幅広くカバー。最も種類が多い「前菜」は、「クラゲ」「生ザーサイ」(各350円)から「極厚豚トロのセロリソルト巻き」(940円)まで16種類。ほかも7~8種類あり、レギュラーメニューだけで50種類近くある。

さらに黒板には、その時季限定の「おすすめ」メニューが10種類前後。初めて訪れた人は品書きを見て、「ここは本当に立ち飲み店?」ととまどうだろう。

“焼きの魔術師”と呼ばれる横尾シェフ直伝の、「上豚のスペアリブ叉焼(チャーシュー)」(写真上)。自家製の叉焼醤に24時間以上漬け込み、200度の温度に保ったオーブンで、焼き加減を細かくチェックしながら裏返すことを繰り返して完成させる逸品だ。

ひと口食べて「一流店の味!」ということがわかる、奥行きのある上品な味わい。仕上げにかけた特製ハチミツの甘みが効いていて、スペアリブとは思えないやわらかさ。これを味わうためだけでも、『馬車道8』を訪れる価値がある。

「正宗麻婆豆腐 土鍋仕立て」(写真上)もまた、熱烈なファンの多い一品。

下茹でで余分な水分を抜き、味を染みこみやすくした豆腐に、7種類ほどの調味料をブレンドした「自家製麻婆醤」をからめてしっかり炒め、さらに「自家製麻婆醤」を加えた挽肉、辣油、ゴマ油、ネギなどを加えて仕上げている。

最後まで熱々で食べられるように熱した土鍋で提供している。刺激的な辛さの後に、複雑な余韻が残る。「家庭で食べる麻婆豆腐とは明らかに違う」と感じる味だ。

味変用に添えられている、唐辛子を漬け込んだ特製酢もぜひ試してみて欲しい。辛さがやわらぎ、うまみが深まって、一段とおいしくなる。また麻婆豆腐は冷めると重く感じられることが多いが、この特製酢を加えることで、最後までさっぱりと味わえる。

香港の冬を代表するご飯料理「ポーチョイ飯」!

冬に訪れたらぜひ食べて欲しいのが、香港を代表するご飯料理「ポーチョイ飯」(写真上/冬季限定)同店では「鶏肉と中華サラミ」(同上)、「スペアリブ」(同下)の2種類を味わえる。

本来は小さな土鍋で30分から40分ほどかけて蒸しあげるのが本式。だが、注文したものがパッと出てくる立ち飲み店の良さを活かすため、石焼き鍋を使用して蒸し時間を短縮している。混雑状況にもよるが、注文後10分~15分くらいでできあがるという。

タレをからめたスペアリブとともに炊き上げ、青菜を添えた「ポーチョイ飯 スペアリブ」(写真上)。全体をよく混ぜて、おこげといっしょに味わうのがおすすめの食べ方だ。

何より驚くのはスプーンで軽く押しただけでトロトロにくずれていく、スペアリブのやわらかさ。ほぐれた肉を混ぜこむほどに、骨付き肉特有のうまみと脂がご飯にからんで一体化し、ツヤツヤになっていく。ゴマの風味がきいた絶妙なピリ辛味のタレがさらにそのうまみを引き上げている。たっぷりの「豆鼓(トウチ)」もいいアクセントで、ひと口食べたらスプーンを止めるのは不可能なおいしさ。香港の人々が夢中になる気持ちがよくわかる。

おおぶりにカットした鶏肉や筍、ほんのり甘い中華サラミなどの具がゴロゴロ入っている「ポーチョイ飯 鶏肉と中華サラミ」(写真上)。ボリュームのある鶏肉はもちろん、ほんのり甘めの中華サラミには豚のうまみが凝縮されていて、一切れでもお酒の肴になる存在感。全体を混ぜてご飯との一体感を味わうのもいいが、具を肴にお酒を飲み、最後にタレがからまったご飯でシメるのもおすすめだ。

ハッピーアワーには、メガサイズのハイボールが290円!

「馬車道8(エイト)オリジナル紹興酒」(写真上左)、「メガ角ハイボール」(同右)。オリジナルの紹興酒は選び抜いたものを甕(かめ)ごと買い付けているので、タイミングがよければ開けたてのフレッシュな香りの紹興酒が味わえる。「メガ角ハイボール」は特大ジョッキにたっぷり入って通常450円とコスパ抜群だが、平日14時から、土日祝日は12時からのハッピーアワーにはさらに安い290円に。

中華街の中華料理とは違う、地元民に愛される“馬車道中華”を広めていきたい

「馬車道」という地名は、横浜の地元民に古くから馴染んでいる通称。厳密にいえば関内駅近くの吉田橋から本町通り交差点まで続く「馬車道通り」を指すので、『馬車道8』があるエリアはほんの少しはずれている。それでも『馬車道8』という店名にこだわったのには理由がある。

「横浜の中華といえば中華街というイメージが強いですよね。でも中華街の中華だけではなく、横浜の地元民が日常的に食べられる中華料理を“馬車道中華”として広めたいと考え、この店名にしました」と、店長の服部真継(まさつぐ)さん(写真上)は語る。

「近くに横浜スタジアムがあるので、イベントやデイゲームがある日にはハッピーアワーにここで飲んで軽く食事をされてから、球場に行く方もいらっしゃいます」と服部さん。なんと贅沢で幸せな休日だろう。「こんな店が自宅近くに欲しい…」と、心から羨まずにはいられない。

【メニュー】
上豚のスペアリブ叉焼 940円
正宗麻婆豆腐 土鍋仕立て 600円
ポーチョイ飯 (スペアリブ/鶏肉と中華サラミ)680円

メガ角ハイボール 450円 
※ハッピーアワー(平日14:00~18:00 土日祝日12:00~15:00)は290円
馬車道8(エイト)オリジナル紹興酒 グラス(150ml)480円

※お通し代 220円

※メニューの価格は取材当時のものです。

香港キッチン 馬車道8

住所
神奈川県横浜市中区太田町2-30 みどりビル1F
電話番号
050-5494-5533
営業時間
月~金
14:00~23:00
(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:00)

土・日・祝
12:00~21:00
(L.O.20:00、ドリンクL.O.20:00)
定休日:月曜日・火曜日
その他(2024年8月16日)
その他(2024年9月18日)
その他(2024年9月25日)
その他(2024年10月16日)
年末年始(2025年1月1日~2025年1月2日)
※9月16日は休まず営業いたします
※9月23日は休まず営業いたします
※10月14日は休まず営業いたします
ぐるなび
ぐるなびページhttps://r.gnavi.co.jp/j1r9pz8m0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。