行きつけのお店
私がこれまでの生涯で行きつけのお店としていたのは三軒のみ。
行きつけの定義としては最低でも週に一度はそのお店に顔を出すこと。
少なくとも一年以上通っていること。その二つとしておきます。
行きつけ、その1
最初の行きつけのお店は東急東横線の菊名駅から歩いて数分のところにあった『アカネ』と云う喫茶店。
ママさんが一人でやっているカウンターのみ8席くらいの小さな喫茶店でした。高校生の頃から通い始めて6年か7年くらい、週に何度もそのカウンター席に座って音楽やらバイトやら人間関係やらとにかく色々な話をしていました。先輩がいて同輩がいて後輩もみんなそこにいました。コーヒーはブレンドとストレート各種、アイスコーヒーにミント・ジュレップと云うアイス入りの豪華なヤツもありました。フードメニューはトーストか玉子サンドか。玉子は焼いてあるタイプでトーストしたパンにマヨネーズと一緒に挟んでありました。バイトとバンドの練習に明け暮れる中、『アカネ』にいるのが大切な息抜きになっておりました。それがある時期ひょんな事から足が遠のいて、以来ずっと御無沙汰したままで随分前に閉店されて、ママさんもどうやらお亡くなりになったと云う知らせも聞きました。
30年前のことが全然昔に思えなくて今でも戸惑います。
過去がすぐ自分の手の届くところにあるような気がしてなりません。
そして、二軒目の行きつけのお店は東急東横線の白楽駅から歩いて数分、六角橋交差点を渡ってすぐのところにあった『穂屋』と云うバー。
友人でギタリストのこうちゃんがやっていたお店です。
ここには私が20代の前半から後半まで、やっぱり6年か7年通いました。こちらもカウンターのみで10人くらい座れたかな。音楽仲間が集う場所だったので話題の中心はもちろん音楽。レコードもいっぱいあったのでアレが聞きたいコレが聞きたいとリクエストしたり、持参したレコードをかけてああだこうだと批評したり絶賛したり。ほぼ毎晩集まってはそんな話に興じていました。
こちらは店主のこうちゃんが岩手に引っ越すために閉店。
それからやっぱり20年くらい経ってるんだなぁ。
久しぶりにできた行きつけの店
それ以来、行きつけのお店というのがなかった私ですが、久しぶりに三軒目が出来ました。東急目黒線武蔵小山駅から歩いて数分の『牛太郎』と云う居酒屋です。
ほぼ、週一ペースで通う店
昭和30年創業の老舗にして名店。店内にはコの字のカウンター。昨年、2014年の年明けに伺ってからほぼ週一ペースで通いました。駅から数分でカウンター席と云うのが私の行きつけの共通項(こうやって書いていて初めて認識した)ですが、こちらは昭和の色濃く音楽などはかかっておりません。
店のすべてが好き
私がここを好きなのは、お酒やおつまみの美味しさと、店内の趣と、常連さん達の楽しさと優しさ。もう全部好き。一人でぼうっとも飲めるし、みんなで仲良く飲むことも出来る。時に会計は喫茶店でする時よりも安いくらいで、なかなか1,000円以上にならない。
名物のとんちゃんはガツなどをニンニク、ショウガ、味噌などで蒸し焼きにしたスペシャリテでウマウマ王(ウマウマウーの最上級)。これは現在の私の味覚の中心。好きが高じて自分の曲のタイトル(GTR=牛太郎)にしちゃったりもしてます。50歳を越して行きつけのお店のある幸せ。これからもゆるゆると長く通いたいと思います。美味しかったです! 御馳走様でした!
牛太郎
- 電話番号
- 03-3781-2532
- 営業時間
- 14:30~20:00(土・祝11:30~売り切れ次第)
- 定休日
- 定休日 日曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。