外国人への手土産として敬遠されていた○○に今、秘書が注目?!

dressing編集部では、様々な大手・IT企業の役員秘書が集うぐるなびネットワーク「こちら秘書室」で開催されているスキルアップセミナーに潜入し、秘書の最前線トレンドをキャッチ。今回のセミナーテーマは、「秘書であれば知っておきたい 日本酒の魅力」。世界へと羽ばたく日本酒の魅力、そこに秘められた新たな可能性をあなたはご存じですか?

2015年12月03日
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外国人への手土産として敬遠されていた○○に今、秘書が注目?!
Summary
・外国人への手土産として日本酒が敬遠される時代はもう終わり!その理由とは?
・飲み方の提案ひとつで、外国人も「無関心」から「興味津々」へ
・こんなものが合うの?!日本酒との意外なマリアージュ

お客様との会食で飲食店や手土産を選ぶのも秘書の大切な仕事。そのチョイスの良し悪しによって、ボスの印象が変わるため、秘書にとってはセンスと万全の準備が必要となる。

秘書が選ぶ定番の手土産としては、お菓子やお酒、自社製品などが挙げられる。手土産を選ぶ時は、日持ちをするか、手渡す相手だけでなく、そのご家族も好まれるかなど、秘書ならではのきめ細やかな配慮も必要だ。例えば、夜に手渡す時は、そのままご家庭に持って帰ることを想定したり、会社に持ちかえる時間帯なら職場で配れるような個包装のお菓子にするなど、渡す時間帯やシチュエーションまで考えなければならない。

お酒が手土産の定番に挙げられるのは、そもそもお酒好きの方が多いから。相手がお酒好きな外国人ならば、日本酒を贈るのが日本流の“おもてなし”といえるだろう。しかし、日本酒は味、造り方、伝統など、相手に説明するのが難しく、無難なワインに逃げがちというのが現状だ。

さらに、おしゃれじゃない、飲み方がわからない、帰国した時にどんな料理と合わせたらいいのか案内できない、ということも敬遠されてきた理由となっている。おいしくいただいてもらえるか、手渡した後のことも考えるのも、秘書ならではの配慮だ。

しかし最近では、その問題も解決されてきており、秘書も積極的に日本酒を選ぶようになってきているそうだ。なぜ、日本酒が手土産のトレンドになりつつあるのか。今回は、その理由を紐解いていく。

オヤジ臭さを一新!世代交代でデザインがスタイリッシュに

ドーンと迫力のある一升瓶に、無骨なラベル。今までの日本酒は、どうしてもオヤジ臭いイメージがつきまとっていた。オシャレでもスマートでもない独特のビジュアルも、海外の方へおすすめできなかった理由のひとつだ。

しかし最近では、酒蔵の世代交代によって若い後継者がデザインにもこだわりを見せるようになった。スマートなボトル、ワインを思わせるようなスタイリッシュなラベルであれば、海外のお客様も興味を示してくれる。

さらに、多くの酒蔵でスパークリングの日本酒を作り始めたことも、日本酒が見直されている理由となっている。外国の方にとってシャンパンやスパークリングワインはとても身近なもの。それだけに、飲むシーンのイメージが湧きやすく、親しみを持って「飲んでみたい」と思わせることができる。

秘書のみなさんは、ビジュアルがおしゃれになったことで手土産として渡しやすくなったと語る。さらにスパークリングであれば、それだけで話のネタになり、お客様に提案しやすくなったことも、日本酒が選ばれる理由になっているようだ。

こんな飲み方アリ?ワインのように日本酒を楽しむ

木製の升、徳利とお猪口。日本酒のスタイルは世界的に見ても独特だ。
普段はグラスでお酒を飲むのが海外の方の習慣であるため、そのスタイルひとつ取っても“なんだかよくわからないお酒だな”と思われてしまうのだろう。

しかし、最近では日本酒の飲み方もいろいろ。お店によってはワイングラスで日本酒を出すところもある。さらに、ワインと同じように、日本酒にも色や香りだけでなく、時間経過による味の変化などを楽しめるものも。

慣れ親しんだグラスを使い、普段と同じような楽しみ方ができるというだけで、安心する方もいるだろう。海外からのお客様をもてなす秘書のみなさんにとっては、外国人が飲みやすいスタイルを提案するのも、日本酒に親しんでいただくための秘策になっているのだ。

身近な食材との意外なマリアージュで、日本酒の魅力が花開く

私たち日本人は「日本酒にはこれが合う」というマッチングを知っているが、日本酒を飲んだことのない外国人にとってはまったくわからないもの。もし手みやげとして日本酒をチョイスするのであれば、お客様が国に帰った後でも調達できる「おつまみ」まで案内するのがベストだ。

今回のセミナーの講師で、日本酒のエキスパートでもある平出淑恵さんは、日本酒のおつまみとして、「マーマレード」、「チーズ」、「チョコレート」の3品をご提案。チーズは純米酒に、マーマレードは純米大吟醸酒に、チョコレートは古酒に合わせてご用意いただいたそう。どれも意外な組み合わせであるが、驚くほど日本酒によく合うのでぜひお試しいただきたい。

海外の大事なお客様に日本酒をお渡しするのであれば、こういった身近な食材とのマリアージュの提案も大切なおもてなしの一つ。帰国後も日本酒を楽しんでいただきたいと願う秘書のみなさんにとっても、日本酒をおいしくするプラスαの知識をお客様にお伝えできることが何よりもありがたいと語っていた。

「世界一」、「最上級」という肩書きひとつでおいしさ倍増

海外からのゲストを日本酒でもてなす時、大吟醸や純米酒など、国によって好みの傾向はあるのだろうか? セミナー講師の平出さんは、ふだん飲み慣れているものに近いもの(国で親しまれているお酒の味に近いもの)を提案するのがいい、と語る。

さらには、「人間の味覚は知識が大きく影響している」というご意見も。つまり、「世界一の日本酒ですよ」などという特別感のある情報があれば、自然とおいしく感じてしまうという理論だ。

お贈りする相手に、飲むだけで味を判断させるのは“ある意味”誠実ではない。予備知識として、「貴重な日本酒」「海外で賞をとったお酒」などと伝えるだけで、味は違って感じるものだ。

また、「リースリング(※)に似ていると思いまして」といったような、相手に味が伝わるような情報を添えるのも効果的。古酒のなかにはカルヴァドス(※)やグラッパ(※)を思わせる銘柄もあるので、調べてみて食前酒におすすめするのも一案だ。

やはり日本酒は説明するのが難しいと語る秘書のみなさん。しかし、ある種の肩書きがあれば、お客様に提案しやすいだけでなく、“特別な物を贈っていただいた”というスペシャル感も付け加えることができるのだ。

※リースリング=主にドイツやフランス、アルザス地方で生産されている白ワイン用のブドウ品種
※カルヴァドス=りんごを原料とする蒸留酒
※グラッパ=ポマース(ブドウの搾りかす)を発酵させたアルコールを蒸留して作る、イタリア特産の蒸留酒

今まで、外国人への手土産として敬遠されることが多かった日本酒。
しかし、その魅力を世界へ発信すべく、海外に向けてさまざまな取り組みを行うなど、日本酒も時代とともに大きく変化している。
その結果、秘書のみなさんにとっても、お客様への手土産にふさわしいものになってきたということだ。

日本酒は日本の食文化には欠かせないものであり、ワインのように世界に誇れるもの。
今回ご紹介した、外国人でも気軽に楽しめる飲み方のスタイルやマリアージュ提案で、日本人である我々だからこそできるおもてなしを実践してみてはいかがだろうか?


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