五反田の沖縄料理店でいただける、小野瀬スペシャルの正体とは?

【連載】クレイジーケンバンド小野瀬雅生の想う店・想う味 第6回 クレイジーケンバンドのギターにして、その食情報の確かさで多くのグルメなファンも持つ、小野瀬雅生さん。彼の愛する店、どうしても食べたくなる料理を教えていただく。

2015年12月25日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • パスタ
  • 品川・五反田・大崎
  • 連載
  • 沖縄料理
  • 洋食
五反田の沖縄料理店でいただける、小野瀬スペシャルの正体とは?
Summary
・五反田にある懐かしい味
・小野瀬さんのオーダーから生まれた

ナポリタンは懐かしい食べ物、か?

ナポリタン問題の根は深い。ナポリタンを懐かしの味と思うかどうか。それが根深い問題なのであります。私的には懐かしいと思わないはずなのです。
それはナポリタンにピーマンが入っていたから。子供の頃はスパゲティーと云えば即ミートソースを意味しました。ですからミートソースは懐かしいと思います。素直にそう思う。ところが何故か懐かしさ係数はナポリタンの方が高い。
どういうこっちゃ。イメージ的な刷り込みが大きいのだと思いますが定かではありません。その懐かしさを自分にしっかりと植え付けたナポリタンがありました。

15年ほど前の事ですが、私が所属するクレイジーケンバンドは箱根の旅館を貸し切りにしてお客様達と共に泊まり込みライブ(箱根ヨコワケハンサムワールド)を開催しておりました。現在も形を変えてそのイベントは存続しております。夜の夜中までプレイボーイプレイガール達が浴衣姿でどんちゃん騒ぎ。それはともかく、そのイベントが終わりまして翌日昼に箱根芦ノ湖畔のお土産も買えるレストハウスで昼食を戴きました。そのレストハウスが昭和そのものと云うか時代に取り残されていたと云うか、ラーメンもそばも洋食も中華も定食も丼モノも何でもある。全て懐かしい味がするものばかり。

その中でひときわ輝きを放っていたのが銀皿に盛られたナポリタン。バターの香り濃く、少し薄味で甘めの味付け。ケチャップだけでなくもう少しピザソース方面の複雑系な味わい。もちろんスパゲティーは太麺でアンチアルデンテ。
ああ、これは何と懐かしい味なのだろう。懐かしさの根拠もないのに懐かしいと思ったのです。それであれだけピーマンが嫌いで食べなかったはずなのに、ナポリタンにピーマンの風味がしないと懐かしく感じないと云うパラドックス。

この辺りの問題も根深い。その時にナポリタンの懐かしさとはかくあるべしと云う確固たるイメージが出来たのですが、その箱根芦ノ湖半のレストハウスは閉店。以来あちこちでナポリタンを食べ歩いておりますが二度とあの懐かしき味わいに出逢う事がありません。懐かしさは幻の彼方へ。熱海駅前の洋食店に似たようなナポリタン発見しましたが、今回ご紹介するのはそうした懐かしさを超越したナポリタンです。

沖縄そばがナポリタンに?

五反田に今年開店10周年を迎えた沖縄料理居酒屋『やなわらバー』があります。ここで戴けるナポリタンはスパゲティーではなく、沖縄そばの麺を使ったナポリタン焼きそばです。

これ、私がリクエストして作ってもらったところレギュラーメニューに昇格。10年ほど前に沖縄で食堂に入って焼きそばを注文したところ「味は醤油、ソース、ケチャップ、どれにする?」と訊かれ、そりゃあもちろんケチャップでしょとオーダーして食べてみたところ、沖縄そばの麺とケチャップの相性が抜群なのを発見。
以来沖縄そば焼きそばはケチャップ味と決めてかかっておりますが、こちら『やなわらバー』のナポリタンは自分の中で最高峰。ケチャップ多めでニンニクがしっかり効いているのがヒジョーに嬉しい。マッシュルームもたっぷり。味は濃いけれどトゥーマッチではなく、全体のバランスがとても素晴らしい。食べ出すと止まらない。ウマウマウー。

こちら沖縄料理の店ですが、個性豊かな風貌のマスターの出身地は北海道。北海道的な味の充実感(特に洋食系にあるやつ)も兼ね備えているんです。なるほどね。他のお料理もお酒も美味しくて居心地の良いお店。美味しかったです! 御馳走様でした!

沖縄料理 やなわらバー

住所
〒141-0031 東京都品川区西五反田2丁目10−8 ドルミ五反田ドゥメゾン
電話番号
03-6417-9944
営業時間
12:00~14:00、18:00~翌4:00
定休日
定休日 土・日・祝日

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。