焼肉界の新星
焼肉… お隣は韓国から日本に入ってきて独自の進化を遂げた肉料理。そして近年焼肉屋のOPENが目覚ましい。ただうまい肉を食べられるというだけでは生き残れないこの業界。焼肉屋に求める価値観は一体何なのか!?
そんな中、西麻布にこの激しい争いに産声をあげた焼肉界の新星を紹介します!
まだOPENして間もないこちら!なぜそんな店名なのか!?まずはその店内に入ると驚く…ん??店??そう、ここは全室個室なのである。
こちらの店名は「ケンシロウ」。
西麻布=お忍びのイメージと言わずとも大切な接待やプライバシーを大事にする人にはありがたい要素。まあ個室焼肉というカテゴリーは近年珍しくはないのかもしれないがここ「ケンシロウ」のスゴイところは「全て焼いてくれる」こと。焼肉の一番難しいポイント、それは最高の肉が出て来ても最後は自分でこれを焼かなくてはならないということ。己の焼き技術が全てを左右してしまう。しかし、これは焼肉店にとって人件費を抑え、その分原価の高い肉に回すという業界では基本的な部分。「ケンシロウ」はこれを壊しにかかる!
この日はケンシロウスペシャルを頂きました。
まず先付けとして出て来たのが「安納もみじのすりながし」
焼肉ではなく肉割烹
ホクホクとした優しい甘みでのどごしがいい。そして冷えた体を優しく温めてくれた。
肉割烹的なアプローチでスタート!
続いてはお造り、カメノコ刺しです。
モモに近いシンタマの中でも赤身の甘みが魅力のカメノコ。
これを刺しで頂きます。繊細なキメの細かい脂身が口の中の温度で溶けて旨味になります。
お皿には一口ユッケ仕立ても。仕事が細かいです。
これまでの流れもですが器も美しいこれぞ日本料理と言わんばかりです。
ここから焼き物です。日本料理ではありえない焼き物がここから続く事になります。
希少な松阪牛のタンも
まずは松坂の牛タン。見事な厚切りカットです。しかも松坂牛の牝牛のタンとは珍しいです。
通常正肉とホルモンは市場でも別々に取引されてますので焼肉屋さんでもこの両方を最高のもので揃えるのは中々難しいのです。しかも松阪のタンともなると希少中の希少かと…
「ケンシロウ」の本気が伺える仕入れです。そしてこの「ケンシロウ」という店名は一体!?
店名はオーナーシェフで岩崎健志郎 さんから取ったものです。
お父様の影響で料理の道を志しそこから、宿命に導かれるまま「肉道」という弱肉強食の乱世に覇をとなえる強敵に戦いを挑む若き戦士です!(『北斗の拳』な感じになってしまいました。笑)
この日はそんなケンシロウさんに特別にお肉を焼いて頂きます。
見事にプリッと焼き上がったタンです。頂きます!うーんたまらない弾力。そして上品な味わい。
肉の旨みが繊細なタンです。実は包丁細工によって開いた部分と別々の食感を楽しむ事が出来ます。そう包丁1つで肉の味わいが変わります。
今度はその場で短時間薫製の島根県産ヒレのお出ましです~~!
煙の中からヒレ~~派手な登場!こういった演出も大事です。
柔らかい、箸に力を入れなくても切れます…和牛の中でも最高峰のヒレ。。。そのままで食べてもうまいのに薫製にするとはかなり傾(かぶ)いたメニューです。ある意味挑戦です。
好みは分かれると思いますが僕的にはありでした。トリュフ塩で頂きます。
付け過ぎに注意です。
尾崎牛3兄弟
続いては尾崎牛3兄弟のお出ましです!この日はクリ、テール、ササミのお出まし。
九州は宮崎から世界に発信の尾崎牛!!僕も大好きな銘柄です。
まずは腕のミスジに近いクリと呼ばれる部位。
これを泡醤油で。尾崎牛の赤身の濃い肉味に甘い脂が絶妙のハーモニーです。幸せ。
そして付け過ぎないための配慮である泡醤油が優しい香りだけを残してくれます。
そして珍しいテール焼き。
ホルモンの店にあったりします。噛めば噛む程系なのですが手を添えてガシガシ食べる感じ?
この日は違います。ケンシロウスタイルではじっくりと焼きます。
基本お肉全般に言える事ですが、肉はあまり火を入れ過ぎると固くなります。
ところがこのテール、じっくりを火を入れる事によって驚くほどの食感になります。
歯でほどよく噛み切れ、そして尾崎牛の味が噛めば噛む程口の中で繰り返されるという
無限ループに近い味わいを実現これはスゴイ!
ササミも鮮やかな肉色。サシが強いと思いきやここが尾崎牛のスゴイところ。
赤身に寄り添う融点の低い牝牛の脂です。赤身が優しくエスコート…
普段あまり飲まない僕でも赤ワインが欲しくなります。
肉汁が流れないホンモノのメンチカツ
ここで揚げ物挟みます!なんとメンチカツの登場~~
しかもシャトーブリアン!!!勿体ない~~~気もする。ここでもあえて傾いてきます!!
割ってみると~~レアな輝きを放つシャトーブリアンがお出ましです!!
断面見事~そして肉汁…
出ません!
あの肉汁ジュワーは小手先なパフォーマンスです。
だって旨み全部流れてしまいますもん。
本物はじっくり肉汁を回しながら落ち着かせお肉全体に広げていきます。肉汁100%閉じ込めたメンチ頂きます!
キメの細かいパン粉でがっしりと中をキープしてるだけあって歯ごたえのいい衣の中からフワッとシルクな食感と赤身の食感。その間に肉汁が噛むとジュワッと噛んだ時だけ広がります。
あえて均一に挽かない粗挽き感で肉のコントラストが楽しめます。
そして味わいの奥にトリュフがいる~~芳醇な香りが絶妙に絡んでます。
この味のオーケストラをキッチリとあますことなく衣がキャッチ…メンチカツ脱帽ものです。
焼きはハラミのたまり醤油焼き、そしてシビレをワサビで頂きました。
肉のウマさはもちろんですが部位毎に同じタレを使うということがないんです。
それぞれで提供のスタイルが変わるこの手間のかかり具合。
〆の塊肉!
そしてラストは大きな塊肉ドラゴンさがりです!!
そう!最後にケンシロウが戦うのはラオウ級のどデカい肉です!!
こちらは濃厚なミソでの味付け、焦げないようにケンシロウ火入れをしていきます!
そして頃合いを見て伝家の宝刀(まあハサミですけど)カット~~~!!!
「アーーーーータたたたたたたたたたたたたたた~~~~」← すいません(笑)
これを玉子に付けて頂きます。
うーん、うまくない訳がない。分かってます。
トローリ玉子がミソと口の中でスパイラル〜そして程よい弾力とジューシーさと
肉のうまみが見事な共演です。いやー焼き物お見事です!
〆にはコムタンスープのうどん。興奮した肉の響宴を堪能した胃を優しく包んでくれます。
デザートには丹波の栗とフランスのアイスを使った最中が〜
これは女子のハートも逃さない手を一切抜かない素晴らしいクライマックスでした。
とにかく素晴らしい内容でした。アラカルトでも注文は出来ますが
是非その日吟味された部位を楽しめるコースがよろしいかと。
焼肉善(¥8,000)と赤身焼肉善(¥12,000)があります。
どちらも肉が10種近くも入ってしかも全て焼いてくれます。個室料金もかかりません。
段階を得るなら是非1度このどちらかのお好みのコースを、そして2度目は
「けんしろう特選善」を召し上がってください。(¥20,000〜)
決して安くはありません。でもその内容と満足度を考えたら高くもありません。
特別な時に特別な方と喜びをシェアするそんなコースだと思います。
健志郎さんの挑戦はまだまだ続きます。今回思ったのは肉割烹ではなく、日本料理としての肉の道を目指しているのかな?とも感じました。きっとこれからも進化していくんだと思います。
完成された魅力もありますがその道を見守る楽しさもありますね。
通う毎にその進化を感じられたらと思います。
焼肉 西麻布 けんしろう
- 電話番号
- 050-5787-9551
- 営業時間
- 17:00~24:00 (L.O.23:00)、12月31日 ラストオーダー 21:00
- 定休日
- 定休日 無 ※12月は休まず営業いたします(営業時間:17:00~24:00) 1月以降 定休日:日曜日(※日曜日が祝前日の場合は連休最終日にお休みを頂いております) / 1月1日はお休みになります / 1月2日~通常営業致します。
- 公式サイト
- http://kenshiro.tokyo/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。