北ブルゴーニュにおいてFrançois ECOTフランソワ・エコ(ワイン生産者)と並ぶもう一人の奇才Jérôme BIGOTジェローム・ビゴ。彼との最初の出会いはいつだったか。確か去年の夏頃François ECOTフランソワ・エコの蔵訪問をすっぽかされて、次の予定まで中途半端にぽかっと時間があいてしまって途方に暮れていた時に、フランソワが紹介してくれたような気がする。
パリからは車で2時間弱。オーセールより少し手前の出口で高速を降りてから30分ほど畑と森を抜けると辿り着けるLindryランドリー村にぽつんとある一軒家レストラン。
フランソワのおすすめということで期待7割、「こんな田舎に、、、」という不安3割を抱いて店に入るとセンスの良い内装が目に飛び込んでくる。もともと画家でありグラフィックデザイナーだったジェロームは、料理人としての修業経験を特に積むこと無く、20代半ばくらいから抱き続けて来た料理に対する愛情、パッションを少しづつ具体化していき、ついに2012年に人口1,300人にも満たないランドリー村に自分のレストランをオープンしたのだった。
何度も訪れた中でも今年最高は牛肉のひと皿
料理は「選び抜かれた食材の素材の良さを活かしたもの」と言えばまあよくある話だが、ジェロームの料理はそれだけでは無い。食器、皿の上の料理の色、食材の組み合わせ、食感/テクスチャーの組み合わせ、温度、そのすべての要素においてセンスがよく、高いレヴェルでバランスが取れていると感じる。そして、もちろん美味しい。料理の外見だけを見れば、数年前から流行のスタイルで括られてしまうことが多いだろうが、他とは似て非なるもの。パリの同種のものからは感じ取れない卓越したものを強く感じる。ワインはもちろん自然な味わいのものばかりが揃う、これまた素晴らしいセレクション。
アヌシーではどんな料理が待っているのか?
今年だけでも既に何皿ジェロームの料理を堪能しただろうか。写真を見返してみると、その中から一皿だけを選ぶのはなかなか難しかったが、思い切って選んだのは牛肉の一皿。この一皿にジェロームのセンス、知恵、工夫が凝縮されている。全ての皿に通底している、酸の利かせ方も巧み。今週末で現在の地での営業を終え、新天地アヌシーでのさらなる活躍に期待。
(2015年12月でこの地での営業は終了。アヌシーへ移り、ワインバーまたはレストランを始める予定との事。)
Les Grès
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- 2015年12月でこの地での営業は終了。アヌシーへ移り、ワインバーまたはレストランを始める予定との事
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