京名物?ネギナーラ
京都駅からほど近い梅小路地区は近年の再開発で水族館や中央市場などが集まり、多くの人が押し寄せている。その一角にある『KYOCA会館』という建物の1階にこの「ピッツァ メルカート」はある。こちらのピッツァイヨーロ・東郷智宏さんはピッツァの世界大会でアジア地域の優勝者した実力者。
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ピッツァの味はもちろんだが、実は野菜も旨い。適切に火入れされたタマネギ、カボチャ、ししとうなどはしっかりとした旨みとコクがあり、昼間から満足感ある仕上がりを見せる。
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ぜひオーダーしたいピッツァは、基本中の基本であるマルゲリータと京都の特産である九条ネギをトッピングしたネギナーラがオススメ。2つともさすが、チャンピオンといえる仕上がり。
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マルゲリータは安心の一枚。ネギナーラは、ネギの青々しさと九条ネギならではのとろみのある甘さが加わり、他では味わえない逸品。チーズとネギ、ネギとトマト、ネギとニンニクという組み合わせが、美しく開花した。
東郷さんは、「これからもっともっと京都の食材を使いこなして、新たなピッツァを作りたいと思っています」と大きな身体をゆすらせながら話した。京都という街の特性を生かしながらも、イタリアンの本質をきちんと追求する一軒だ。
ピッツァ メルカート
- 電話番号
- 075-353-4777
- 営業時間
- 11:00~L.O.14:00、17:00~L.O.21:00(土・日・祝は11:00~L.O.21:00)
- 定休日
- 定休日 水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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京都の中心で鮨を食べる
夜はに四条河原町近くの「鯛壽司」へ。こちらの素晴らしさは、お客さんの層の幅広さである。地元のビジネスマングループと若いカップル、中年の夫婦、観光客などがカウンターで一緒になることが珍しくない。それがなんの違和感もなく、極々自然な雰囲気を作りあげている。
そこで出される寿司は、大胆素敵だ。
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いい素材をがっつり食べて欲しいという店主・中川末春さんの思いが詰まった姿。タコとイカ。ネタも寿司飯も迫力あり。雲丹もイクラも豪快である。
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そして必ず食べたいのがねぎま汁。これは、小さな土鍋に昆布を入れ出汁を取り、その中に直火で炙ったトロを放り込み、軽く火入れをしてたっぷりのネギを加えた一品。トロの脂分も適度に落ち、ネギやダシとの融合でクセになる味わいである。
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鯛寿司 (タイズシ)
- 電話番号
- 075-221-6598
- 営業時間
- 17:00~22:00
- 定休日
- 定休日 木曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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京町家でモーニングを
翌朝は今秋開店したばかりの五条坂に近い『市川屋珈琲』で朝ごはんはどうだろう?
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築後200年以上経過した京町家をリノベートした店内は、カウンター、吹抜け空間のテーブル席など座るところですべて表情が異なるのが楽しい。
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店主・市川陽介さんは京都の老舗珈琲店で長年働かれ、自ら焙煎に興味を持ち学び、独立を果たした人物。店内に設置された大きな焙煎機も店の象徴となっている。そこから生まれるコーヒーはネルドリップで抽出される。取材時に僕が選んだ「馬町ブレンド」は適度な苦みとコクがある。
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そして朝食セットがかなりのお値打ちだ。「近くのパン屋で買い求めただけ」と謙遜するパンを使ったトーストは、やや甘みもあり弾力具合が見事。添えられたベーコンも無添加で作られた、これまた近所のハム屋さんのもの。「近くに素晴らしいお店があるので、できるだけ近隣のものを使いたいですし、街に溶け込んだコーヒー店になりたいと思っています」と。
代々陶芸家の家系で、器は父親や兄が焼いたものを使う。焼き物の街・五条坂にある居心地のいいコーヒー店の誕生だ。
市川屋珈琲
- 電話番号
- 075-748-1354
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 定休日 火曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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並ぶ価値はある
昼は寺町夷川通りにある「蕎麦 ろうじな」という店を。ここにはお昼のおきまりがあり、もりそば、しょうがとおあげの炊きこみご飯、おひたし、だし巻き玉子、漬け物がセットとなる。寺町通りは骨董屋や和紙の店があったりして散歩にはもってこいの通り。その散歩の途中に軽く食べるにはありがたい。
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蕎麦はのど越しの楽しみがある。手繰る。喉を通る。つゆと絡んだ旨みが通過する喜びを満喫する。そこに京都らしいおばんざいが重なる。一軒の蕎麦屋で食べているのだが、なんだか友人の家で食べているような不思議な感覚に包み込まれる。お昼はホントに人気なので並ぶ覚悟は必要かもしれない。でも、並ぶ価値はある蕎麦屋としてすすめたい。
蕎麦 ろうじな
- 電話番号
- 075-286-9242
- 営業時間
- 11:30~L.O.14:00、18:00~20:30
- 定休日
- 定休日 月曜
- 公式サイト
- http://www.roujina.jp/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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熟成肉の達人によるハンバーグ
全国の肉好きには非常にうれしい店が登場した。
知恩院そばの「京都 中勢以 月」という熟成肉の店。
「中勢以」といえば、熟成肉を日本中に世間に広めた一軒である。
本店は醍醐の精肉店だが、ここはカジュアルな洋食屋。
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なかでもオススメはハンバーグだ。
枝肉熟成させた但馬牛と中勢以厳選の豚を使った、“肉味”を強く感じる粗挽きハンバーグである。
まさに肉を喰らうというイメージの一品だ。
オーナーの加藤謙一さんは「醍醐の本店を改装しまして、ショーケースをなくしたんです。いわば呉服屋のようにいろいろお客さんの要望をお聞きして、なかから肉を取り出すというスタイルにしました」と話してくれた。
これは興味深い。そちらにも足を伸ばしたいところだ。
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こちらはハンバーグ以外にも、牛スジの煮込み、コロッケ、ベーコンの盛り合わせがあり、酒飲みにおすすめしたい。
※門上武司さんのスペシャルな記事『恥をかきたくない人のためのオトナの京都の遊び方【うつわ編】~何度通っても常連になれない貴方のために~』はこちら
京都 中勢以 月(ニクヅキ)
- 電話番号
- 075-748-1429
- 営業時間
- 11:00~L.O.14:30、17:00~L.O.22:00
- 定休日
- 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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