大分県の「関サバ」や、青森県の「大間マグロ」のように魚介類のブランド化が進む中、各地自慢の高級海鮮グルメが11月に検索数が急上昇した。
東北・三陸海岸南部に位置する金華山沖が誇る「金華サバ」は例年秋に漁が解禁となり、今年は11月21日が解禁日だったことで、11月のタイミングで検索数が上昇した。また、冬本番に旬を迎える魚介類が豊富な石川県が誇るご当地グルメ、ズワイガニのメスを使った「香箱カニ丼」への注目も集まっている。
三陸沖の魚は旨い! を体現した脂ののったブランド魚「金華サバ」(前月比152%アップ)
東洋一とも呼ばれる、三陸沖の中でも黒潮と親潮が混ざり合う最も良質な宮城県の漁場・金華山沖で水揚げされた、脂ののった大型のマサバのみを「金華サバ」と呼ぶ。近年は漁獲量が減っているため、“幻のサバ”とまで言われている。その重さや脂ののり具合に厳正なブランド基準が設けられ、漁業関係者からの厳しい目で選ばれており、水産都市である石巻港の自慢の一品だ。関東地方などでは1尾2~3万円で取引されることも。
今年は11月21日が「金華サバ」漁の解禁日だったことが、11月にぐるなびでの検索数が前月比で152%も上昇したことに繋がったと考えられる。また、11月に売り上げの一部が東北復興支援への寄付になるグルメECモール『三陸ごちそう玉手箱~復興デパートメント~』がオープンし、そこでこの「金華サバ」を使った弁当「石巻産炙り金華〆サバめし」に注目が集まったことも一因だろう。
「金華サバ」の旬の時期は漁期と同じとなり、まさに今が旬を迎える。〆サバはもちろん味噌煮、塩焼きはお正月にもオススメの肴となる。
石川県に行きたくなる!? カニの誘惑を「香箱カニ丼」が牽引 (前月比146%アップ)
石川県の代表的な冬のグルメ食材といえばズワイガニがまず挙げられるが、実はオスとメスで呼び名が異なる。石川県産のズワイガニは、オスは「加能ガニ」、メスは「香箱ガニ」と呼ばれる。メスが“香箱”と呼ばれる理由は、“卵を持っている子箱”だからとする説や“日本海の潮の香りを持っている”からなど、諸説ある。
オスに比べて甲羅の幅が半分ほどと小ぶりなメスの香箱ガニは、豪華さに劣ることから以前は県外の観光客が口にする機会は少なかったが、2013年1月に開催されたグルメイベント『ふるさと祭り東京2013』の目玉企画「ご当地どんぶり選手権」で「香箱カニ丼」が5位に入賞して以来、その存在を知られるように。
石川県のズワイガニは11月6日が漁の解禁日であり、11月に「香箱カニ丼」の検索数が146%急上昇したことにもうなずける。ちなみに「香箱カニ丼」は、香箱ガニを一匹丸ごと使用した丼で、メスの特徴であり珍味として重宝されている受精前の卵子である内子と、受精後の卵子である外子をたっぷり使用している。この内子と外子はカニの旨味が凝縮されているので人気が高いが、メスの漁期は11月~翌年1月までとオスに比べて約2ヶ月短く、レアな食材となっている。
ちなみに、石川県金沢市における冬の名物料理といえば「金沢おでん」もあるが、一風変わったおでん種として人気が高いのは「カニ面(めん)」だ。こちらも丼と同じく香箱ガニを使って、甲羅に内子、外子、脚の身を詰めた豪華なおでん種。「香箱カニ丼」とあわせて、これからの時季に金沢へ行ったらぜひとも食べたいメニューのひとつだ。
データ集計対象期間:2015年10月と11月を比較