紅茶にもコーヒーにもない日本茶の奥行きを京都で知る。
秋の京都、街歩きがとてもたのしい。
先斗町に『茶香房 長竹』というお茶の専門店がある。久しぶりに昼食を摂ることにした。
「うちは13時からの営業で、昼のご飯は15時まで注文できます」と主の長竹俊三さん。そして出してくれたのは茶葉が入った茶碗。普通は急須に茶葉を入れ、そこにお湯を注ぐのだが「こうすると茶葉の色合いも楽しめるし、急須も要らないのです」と。確かに茶葉は緑の光沢を放ち、時間の経過とともに葉は開き、透明から緑色にお湯も変化する。
ご飯は茶飯の炒飯にする。茶飯とは茶葉をご飯と一緒に炊いたもの。これをまた炒飯のように炒めるのだ。上には柔らかな玉子焼きが乗っかる。なんともホッとする味わい。そこからお茶に関する会話が始まる。
「茶碗に入っている茶葉は最終的にご飯にかけてもいいし、そのまま食べていいんです」「お茶は手間をかける楽しみもありますが、このように楽に飲めておいしいものも。同じお茶でもいろいろな楽しみ方がありますよ」などなど。これまでお茶に対して抱いていた概念が変わるのだ。そんな意味でもここのカウンターで長竹さんと言葉を交わすことをおすすめしたい。
茶香房 長竹
- 電話番号
- 075-213-4608
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
錦糸卵がすべてを隠すちらし寿司
三条通り新町近くの『すし善』という寿司屋に知人を誘って出向いた。ランチ、ここではちらし寿司を食べるべし!と仲間からの指令である。
僕はちらし寿司、知人は穴子ちらしを頼んだ。カウンター内でご主人と息子さんらしき人物がせっせと注文のちらし寿司を作っている。
カウンターに二つのちらしが並んだ。
外観だけでは、どちらのちらしか判断がつかない。というのは錦糸卵の分量が半端でないぐらいにたっぷりなのだ。具材やご飯がすっぽり隠れ錦糸卵と生姜だけが見えている。
「多い時は、一日100個以上卵を使うこともあります」と。それが納得できるぐらいの金糸卵の分量だ。それをかき分けると中から具材が出てくる。
ちらしはマグロやタコなどが入り、穴子ちらしはどっさりと穴子だけという潔さ。少し甘目の寿司飯もちらし寿司には欠かせない味わい。
このちらし寿司はなかなか他では出会わない一品だけに是非とも召し上がっていただきたい。ちなみに出前も相当数こなされているようだ。
すし善
- 電話番号
- 075-221-3848
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京大生も愛する地元の味・中華
京都大学がある百萬遍から少し北に行ったところの『華祥』。ここのオーナー・田口茂雄さんは中華料理界の大御所。名店やホテルの料理長を歴任の後、学生にリーズナブルな中華料理を食べてもらいたいと京大のそばでカウンターだけの小さな店を開いた
。だが、その味わいと価格であっという間に人気店へ。息子さんが手伝うことになり移転し、2階席もある現在の場所になった。
メニューも多彩で迷う。この日は鶏のフライ ネギ生姜風味と春雨と牛肉の辛子入り煮込みをまず食べる。鶏はサクッと軽やかで、そこに生姜風味でアクセントが生まれる。春雨は少しピリッとしたスパイシーさに牛肉と干海老のうま味もプラスされ、食べる速度がどんどん速まる。
メインは担々麺と卵白あんかけ炒飯とした。炒飯は炒飯と卵白のマッチングが素敵な一品。客席の年齢層の広さには驚くばかりである。
今回は、京都に根付いて京都人からずっと愛されている店のラインナップとなった。
※門上武司さんのスペシャルな記事『恥をかきたくない人のためのオトナの京都の遊び方【うつわ編】~何度通っても常連になれない貴方のために~』はこちら
華祥
- 電話番号
- 075-723-5185
- 公式サイト
- http://www.kasyou.jp/
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