東京から移住のローフード美女が福岡でハマったはしご酒の楽しさ

【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」第六夜  福岡の酒飲みは1軒では帰らない。ほぼ必ず2軒目に行くし、2軒目を出たら次の店…。職住近接ゆえ終電や終バスを逃しても笑顔で楽しく飲んでいる。“はしご酒”文化が根付くこの街の遊び方を毎回伝授いただく。

2016年02月14日
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東京から移住のローフード美女が福岡でハマったはしご酒の楽しさ
Summary
1.まずは、はしご酒に備えた体にいいジュースから
2.福岡でも孤高の存在と言えるビストロをハシゴ
3.いい音といい空気感が漂うバーへ

第六夜:ablab.主宰 成田愛子さん

今回のはしご酒案内人は、大阪出身の成田愛子さん。幼少期より手仕事が好きで、学生時代は現代工芸と美術を、大学卒業後は服飾専門学校でパターンを学び、アパレルメーカーでアシスタントパタンナーとして活動。結婚を機に上京し、ご主人が当時営んでいたインテリアショップや知人の店で自作の服を売っていたという。

2010年、ご主人とともに千駄ヶ谷に『FRUCTUS』をオープンし、自然派フルーツジュースや自家製グラノーラを提供していたが、東日本大震災を機に福岡へ移住。福岡を拠点に『FRUCTUS』としてジンジャーコーディアルやグラノーラの卸売を展開していたが、昨秋よりケータリングやイベントで、ローフードやロースイーツの販売やケータリング、ローフード教室などを行う『ablab.』の活動をスタート。早くも注目を集めている。

現在もローフードを基本とした食生活を送る愛子さんだが、福岡で暮らし始めてからの“はしご酒”の楽しさを知ったという。

「はしご酒って、悪いオトナがするものだと思っていたけれど、悪いオトナでもない(と思っている)自分が、気付けばやっちゃっていた、みたいな(笑)。福岡に来るまで、はしご酒の経験はほぼ0だったけれど、はしご酒は本当に楽しいし、安くて美味しいお店がたくさんあるし、みんないい案配の距離感を持ち合わせているし、それをちゃんと察してくれるところがいいなと思います。しかも、ひとりで行っても、行った先でいろんな人と仲良くなれる、それがまたいいですね」と、愛子さん。

福岡で暮らし始めてまもなく5年。愛すべき4軒を案内してもらった。

0次会はノンアルコール。お酒を飲む前に飲みたい1杯!

この日、最初に訪れたのは、『ablab.』のロースイーツを卸しているジュースクレンズ専門店「Walker juice」。店頭オリジナルコールドプレスジュースをはじめ、1DAYから5DAYのコールドプレス製法によるクレンズメニューを提供する店である。

「知人の紹介でオーナーの松家さんと知り合い、福岡で何か面白いことをしましょう!となって。ロースイーツを卸すだけでなく、この2月にはバレンタインデー用のローチョコレートやランチボックスの予約販売などもさせてもらいました」。

ジュースクレンズメニューは1DAY9,000円〜(500ml×5)。飲み過ぎた翌朝は、約1.5kgの野菜を使った「OMG!-starter green-」(1,300円)がオススメ。

3月から商品化される「イエローのジンジャーショット」(350円)

「アルコールを分解するターメリック、解毒効果の高いショウガやパインで作った新作です。“はしご酒”の前にぜひ飲んでいただきたいですね」と、スタッフの女性が薦めてくれたのは、「イエローのジンジャーショット」。身体を整え、いざ、次の店へと向かった。

walker juice福岡天神店(ウォーカージュース)

住所
〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通5-25-13
電話番号
092-753-6688
営業時間
9:00~18:00、土・日・祝10:00~18:00
定休日
定休日 不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/26g0z1a80000/
公式サイト
http://www.walker-juice.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

福岡No.1というメニューも!取材拒否の店「コキンヌ」へ

この日、愛子さんがディナーに選んだのは、地下鉄西新駅から約5分の場所にある「COQUINES(コキンヌ)」。昨秋の10周年の際には全国からファンが訪れた名店である。

「夜のコキンヌは2度目です。5歳の子どもを連れてよく家族でランチに来ています。『FRUCTUS』でも地場で採れた季節限定のグラノーラを作っていますが、オーナーシェフの瀬戸さんが無農薬で野菜を作られていることもあって、通ずるものがあります。また、動物性の食材も出どころが明確なので、安心して食べることができますし、何より食材への愛が素晴らしい。そんなところが大好きなんです」

瀬戸シェフの仕事が見える特等席、カウンターに座った愛子さん。
実は予約時に、「イサキの炙り+無農薬サラダ」をお願いしていたという。

「日によって内容が変わるこの店のランチのサラダが大好きで。ランチのときはサーモンや生ハムなどがトッピングされているのですが、初めてディナーに訪れたときにイサキの炙りがトッピングしてあって、もの凄く感動したんです。サラダ好きの私にとって福岡No.1のサラダと自信を持ってオススメできるメニューです」と、愛子さんは幸せそうに笑った。

(左)エビ×アボカドをマヨネーズで和えた「エビカド」(600円)
(右)岡山県吉田牧場の「チーズ盛り」(1,800円~)

「アルザス風シュークルト」(2,500円)
大阪で修業し、福岡で独立を果たした瀬戸シェフ。

久しぶりに瀬戸シェフの料理と奥様がセレクトするヴァンナチュールを堪能した愛子さん。心もお腹も満たされて、3軒目へ向かった。

COQUINES(コキンヌ)

住所
〒814-0005 福岡県福岡市早良区祖原3-4 川島ビル
電話番号
092-846-8410
営業時間
12:00~L.O.13:30、18:00~24:00
定休日
定休日 日曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/4xcscb480000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

注目のエリア、大手門で滋味溢れる料理&ワインを楽しむ

「コキンヌ」からタクシーで5分ほど。3軒目に訪れたのは、福岡の注目エリア・大手門にある「Cro-magnon(クロマニヨン)」だ。

愛子さんが「クロマニヨン」を営む市村夫妻と出会ったのは、2011年夏のこと。鹿児島で開催されていた「第2回GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」に『FRUCTUS』として出店した際、会場に遊びにきていたふたりと出会ったそうだ。

「素材もどんどんナチュラルに、調理法はどんどんストイックになっていきました。その、周りを気にしない独自のスタイルが好きです」

グラスワインの品揃えも充実。奥様の仁美さんが、丁寧に説明してくれる。
ココでもやっぱりカウンター席に。市村大輔シェフと、素材のこと、調理法のこと、様々な話に花が咲く。

「クロマニヨン」で提供するのは、福岡市内からクルマで1時間足らずの糸島で、自然農や不耕起栽培に取り組む農園の野菜など、市村夫妻が選りすぐった素材を活かす料理と、自然派のワイン。生命力を感じる料理の数々に、身体が喜ぶのがわかる。

(左)「自然農根菜のコンフィとコンテチーズ」(600円)。この日の根菜はダイコンとヤーコンの2種類
(右)ジャンボンブランやパテメゾンなど「自家製加工肉の盛り合わせ」

〆のデザートを楽しむ愛子さん。

Cro-magnon(クロマニヨン )

住所
〒810-0074 福岡県福岡市中央区大手門1丁目9-31-1F奥
電話番号
092-406-7487
営業時間
18:00~0:00
定休日
定休日 月曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/r725bvnx0000/
公式サイト
http://www.wine-cro.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

気負わず気軽に一人で行ける心地よいバー“ペトブル”へ

「ただいま」。
そんな空気感を漂わせ、最後に訪れたのは大名にある「petrol blue(ペトロールブルー)」だ。

実は愛子さん、『ablab.』の活動の一環として、洋服のパターン起こしから縫製、お直しなども手掛けている。ここ“ペトブル”では、愛子さんがデザインしたドレスを纏った女性が、ゲストをもてなす「Salon de Aico」というイベントを不定期で開催している。

「ペトブルは『FRUCTUS』のいちばん最初の卸先。まだ関東に住んでいた頃だったので、当時は行ったこともなかったのですが、福岡に移住したら周りの友人たちが“ペトブル、ペトブル”って言うので、訪れてみたら、うちの商品が……という出会いでした。店主・こいでしんじさんが醸し出す、気負わず気軽に行ける雰囲気が気に入っています」。

新宿ゴールデン街の『無銘喫茶』で第4土曜日店長をしていたこともある店主・こいでしんじさん。
香草・薬草系のリキュールやフルーツシロップを使ったカクテル、長野の「志賀高原ビール」などのドリンクを飲みながら、センスの良い音楽に耳を傾ける。

「趣向を凝らしたイベントが開催されていることも多く、日によって異なる雰囲気が楽しめるのも魅力です」。

しばらくすると、友人の鮫島真樹さん(第四夜.の案内人)が登場。ふたりが出会ったのも友人が企画した食事会だったという。「ひとりで飲みに行った先でいろんな人と仲良くなったり、それがきっかけで食事会などに参加したり。そんな感じの繋がり方も、福岡の魅力だと思います」。

この日の“はしご酒”も延長戦へと続いていく。

撮影=平川雄一朗

petrol blue (ペトロールブルー)

住所
〒8100041 福岡県福岡市中央区大名1-10-21 大名エイトビル2 5F
電話番号
092-714-6786
営業時間
18:00~3:00
定休日
定休日 不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/ce5j51xe0000/
公式サイト
https://www.facebook.com/barpetrolblue

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。