「恵比寿という場所はおしゃれな印象があるが、実は昔ながらの店が多い街だ」
ふとそんなことを聞いたことがあるが、『チャモロ』はまさにその代表のような店だった。
恵比寿駅の西口から駒沢通りを鎗ヶ崎交差点方面に歩くと、オレンジ色の年季が入った『レストラン チャモロ』と書かれた看板がある。「ふわとろだったねー。やっと来れてよかった!」そんな会話をしながら、地下に続く階段からOL二人組が出てきた。レトロな看板に薄暗い階段…。老舗の洋食屋の雰囲気に、私なんかお呼びでないかもと躊躇してしまったが、さっきのOLの感動っぷりがやけに気になる。その噂の味を確かめるべく、迷いつつ階段を下った。
店内は10畳ほどの狭い空間で、席数は22席。
訪れたのは13時を過ぎた時間だというのに、満席だ。
そして、見渡す限り、客全員が同じものを注文している。客のほとんどが先ほどのOLが言っていたあのメニューを求めにやってくるらしい。
ほろほろとくずれていく超柔らか牛タンに思わずにやける
あのメニューとは、創業して数年後に誕生し、いまや35年以上続く人気メニュー「やわらか厚切り牛タンオムライス」のことだった。
ふわふわの卵の上には、じっくりと10時間以上煮込まれたデミグラスソースと厚さ2cmはありそうな分厚い牛タンがドンとのっている。
とてもボリューミーなオムライスだ。
さっそく牛タンにフォークを入れてみると、すぐに牛タンがくずれてしまった。コクのあるデミグラスソースをまとった牛タンは、それだけとても柔らかい。
卵はトロトロの半熟!なんと3個も卵を使用しているらしい。そして、ライスもデミグラスソースによく合う。バターと一緒に炊き込むことで、まろやかさをプラスしているため、デミグラスソースの濃厚な味わいと相性がいいのだそうだ。
柔らかく贅沢な牛タン、じっくり煮込まれたデミグラスソース、半熟のトロトロ卵、そしてバター風味のまろやかなライス。
わかりづらい立地にありながらも、愛され続ける理由がよくわかる!
立地ゆえに価格は高いのかなと思っていたが、「やわらか厚切り牛タンオムライス」にサラダと味噌汁、そしてドリンクがついて1,500円だという。
常に満席の状態が続くが、狙い目はランチ営業終了間際の14時過ぎ。
この時間になれば、飛び込みでも入れることが多い。
サラリーマンにも人気。「東京に来たら絶対食べて欲しいオムライス」
ちょうど後ろの席には、会社の同期同士と思われるサラリーマンがいた。一人は関西から出張で来ているらしく、都内で働いているもう一人のほうが、「東京に来たら絶対食べて欲しいオムライス」ということで、その同期をこの店に連れてきたらしい。
恵比寿というおしゃれだけどちょっと疲れてしまうような街に、こんなにレトロで温かい雰囲気の洋食屋があったなんて。再訪を誓いながら、とても清々しい気分で階段を上ったのだった。
<メニュー>
・やわらか厚切り牛タンオムライス/1,500円(税込)
※サラダ、味噌汁、ドリンク付き
(取材・文/石井久美子)
チャモロ
- 電話番号
- 03-3710-7631
- 営業時間
- 火〜木/ランチ:12:00〜14:30 金・土/ランチ:12:00〜14:30、ディナー19:00〜21:00 ※営業時間は変更になる場合もあり
- 定休日
- 定休日 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
■まだまだあります!オムライスがおいしい、注目のお店はこちら
・これがウニ専門店の底力!濃厚ウニ×ふわふわオムライスがウニまみれで美味しすぎる
https://www.gnavi.co.jp/dressing/article/11412/
・ツウが通い続ける!名店『麻布食堂』の絶品オムライス3種を食べ比べてみた
https://www.gnavi.co.jp/dressing/article/11410/