カジュアルにステーキを味わえる店が次々に登場する昨今の肉ブーム。未知なる味を追求するため、「ミスジ」や「ザブトン」といった牛肉の希少部位を求める肉好きが後を絶たない中、今こそチェックしておきたい希少部位がある。
「ぐるなび」ユーザーが検索したワードに関する調査では、希少部位の中でも、牛のお尻部分に位置する「ランプ」の検索数が大幅にアップ。今年2月には前月より247%も多く検索されたことからも、注目度が急上昇していることがうかがえる。
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霜降り肉から赤身肉の時代へ。一度ハマったらやめられない、肉本来の旨みを実感
ランプとは具体的にどの部位なのか。高級ステーキ肉の代表格と言える「サーロイン」に続く、腰からお尻にかけての大きな赤身の部分を指す。モモ肉の一部の特に柔らかい旨みのある部分で、サシ(霜)が入りにくい一方、肉のキメは細かい。
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「燃焼しやすい身体作りのためにも、動物性たんぱく質が豊富に補える赤身の肉を摂取するべき!」という、近年定説化しつつあるダイエットの掟を守るべく、肉と言えば赤身! という女性は多い。その流れから、赤身肉の中でも特に柔らかさも堪能できるランプの部位は、人気が出て当然と言えそうだ。
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肉食王国・ブラジルでも大人気の部位がランプ!
ランプ肉を提供する飲食店の数も2月時点で昨年同月比172%増加しており、前述のようなニーズに合わせてこの部位を堪能できるお店も増えてきているようだ。
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ランプを堪能できるメニューとして特に注目したいのが、串刺しの大きな塊肉をグリルで焼き、テーブルで切り分けるスタイルのブラジル式BBQ料理「シュラスコ」だ。2014年に開催されたサッカーワールドカップ、ブラジル大会時に脚光を浴び、日本でも人気が定着しつつある。
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さまざまな部位の牛肉を一度に堪能できるのが魅力のこの料理だが、実は本国ブラジルで一番の主役となるのは、ヒレでもサーロインでもなくランプである。現地では「ピッカーニャ」と呼ばれ、美味しいビーフの代名詞とも言える存在だ。
また、ランプに並ぶ最近の人気部位としては「イチボ」がある。ランプと同じモモ肉の仲間で、ランプの下側にあたる特に希少な部分だ。こちらもランプ同様、取り扱う飲食店の数は上昇傾向に。ちなみにランプとイチボを合わせて称する場合は「ランイチ」と呼ばれることも。
今年の8月にはブラジル・リオデジャネイロで夏季オリンピックが開催。ますますシュラスコに注目が集まり、それと共にランプ人気も高まることが予想される。まだ味わったことがない人は、ぜひ堪能してみてほしい。
データ集計対象期間:検索ワードは2016年2月と1月を比較
メニュー掲載数は2016年2月と2015年2月を比較