二人の娘に相続させた畑のお話
禁断のテロワール・シリーズ第二弾は北部ローヌのコート・ロティ。というと、またあの話かと思われるかもしれません。コート・ロティの麓の町、アンピュイの領主のふたりの娘にまつわる逸話ですね。
アンピュイの領主がコート・ロティの畑をふたりの娘に相続させました。領主の娘はひとりが金髪、もうひとりが栗毛。以来、金髪の娘が相続した丘をコート・ブロンド、栗毛の娘が相続した丘をコート・ブリュンヌと呼ぶようになりましたとさ(めでたし、めでたし)。
はい、たしかにコート・ロティでは南側の白っぽい土壌の土地をコート・ブロンド、北側の色の濃い土壌の土地をコート・ブリュンヌと呼んでいます。ふたつの境界線は、レイナールという名の小川とされていたり、ランスマンとバレヤというふたつの区画を隔てる道とも言われます。ただややこしいことに、もともとコート・ブロンド、コート・ブリュンヌと呼ばれるリュー・ディ(区画名)があって、現在の呼び名はこのふたつの区画をもとに、南北に広がっていったといえなくもありません。
そこでアンピュイの土産物屋で手にいれたコート・ロティの地図を見ると、あれれ?
1959年、66年、69年に……
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