夏の風物詩ともいえる「そうめん」。食欲が落ちている時や夏バテの時にもスルッと食べられるそうめんは、夏場の主食にしているという人も多いはず。
とはいえ、代わり映えのしない味に飽きが来てつい余りがちになってしまうのも”そうめんあるある”。ゴマなどの薬味を入れてみたり、納豆を入れてみたり、トッピングを変えてはみるものの、どうもマンネリになりがち。
そんな時に頼れるのは、料理のプロ、人気店シェフが考案したアイディアレシピ! 気分に合わせて楽しみながら、いつもとひと味違ったそうめんをつくってみよう。
1.ピリッとした辛さが食欲をそそる! そうめんでつくる韓国料理の定番「ピビン麺」
一般的には歯ごたえのある冷麺でつくる「ピビン麺」をそうめんに応用したこの料理は、大阪・寝屋川市にある地酒と季節料理の店『さくら裏香里園』の呉本昇太郎シェフに教えていただいた一品。コチュジャンや酢、ゴマ油や砂糖などを混ぜ合わせた、ピリッとした辛さと甘みがあるヤンニョンジャンは、暑い夏にぴったり。
お好みの野菜をトッピングできるので、たっぷりのせてヘルシーな一皿にも。麺は流水でしっかり洗って、よく水気を切るのがポイント。具材や麺だけでなく、器も冷やしておくと最初から最後までひんやり。食べる前に酢を加えるとアクセントになっておいしさアップ!
▼作り方
①「ヤンニョンジャン」をつくる。ボウルにコチュジャン、レモン汁、酢、砂糖、おろしニンニク、おろしショウガ、濃口醤油、ゴマ油、粉唐辛子を入れて合わせる。
②麺を湯がく。湯を切ったら氷水でしっかり冷やす。
③麺の水分をしっかり飛ばしてから麺とソースを合わせる。
④カイワレ、白菜キムチ、もみ海苔など、お好きなお野菜や果物をトッピングして完成。
→詳しいレシピはこちら
2.代表的な夏野菜・ナスと澄んだだし汁で涼しげに仕上げたこだわりの京風そうめん
季節の食材を活かした京懐石が味わえる、京都市『京料理とりよね』の料理長・田中良典さんが教えてくださったのは、夏に旬を迎えるナスを使い、見た目も涼しげに仕上げた京風そうめん。椎茸の甘露煮や味付け海老など、ひと手間かけたものをトッピングするので、夏のおもてなし料理にも最適。
そうめんだしに使う「かえし」の作り方も教えていただいたので、覚えておくといろいろな料理に応用できそう。そうめんとの馴染みがいいように、ナスはなるべく細く切り、茹でた後はしっかり冷やしておくのがおいしく仕上げるコツ。
▼作り方
①「干し椎茸の甘露煮」をつくる。椎茸をもどした水にザラメ、濃口醤油、たまり醤油、みりんを加え、椎茸を20分ほど炊く。出来たら冷ましておく。
②「味付け海老」をつくる。海老を塩酢水でさっと湯がき、陸上げする。濃口醤油、みりん、酒、生姜を加えただし汁で3~5分ほど炊いて完成。殻をむいておく。
③「かえし」をつくる。ザラメ、濃口醤油、酒、みりん、かつお節を鍋に入れてひと煮立ちさせる。一晩寝かせて味を馴染ませて濾す。
※冷やしておけば1ヵ月ほど持つので便利。
④皮をむいて細切りにした茄子に片栗粉を打って、たっぷりのお湯で3分ほど湯がき、氷水でしめる。そうすると透明になる。
⑤干し椎茸の甘露煮を切りわけ、さっと湯がいた水菜は水気をよく絞って食べやすい大きさにカットする。
⑥だし汁と「かえし」を合わせてそうめんだしを作り、冷やしておく。
⑦器に茄子、椎茸、海老を盛り付け、そうめんだしを注ぐ。お好みでおろし生姜を添えて完成。
→詳しいレシピはこちら
3.ツルツル&シコシコの手延べそうめんを使ったお肉たっぷりのスタミナ温麺!
東京・池袋にある日本酒と和食の店『樂旬堂 坐唯杏(ラクシュンダイニングザイアン)』のオーナーシェフ・武内剋己さんが教えてくださったのは、お肉たっぷりのガッツリ系「台湾式・肉温麺」のレシピ。甘辛く煮た香辛料が香る豚バラ肉、モヤシ、ニラ、温泉卵をトッピングしたスタミナ抜群のアレンジメニューだ。
コシが強く、喉ごしのいい島原手延べそうめんを使い、あえて煮麺にしているところにもこだわりを感じる。鶏スープにうどんツユの素を加えたあっさり味の簡単スープには、肉の旨味が溶け出して深い味わいに。そうめんながら食べごたえのある一皿は、ボリューム感が欲しい男性にも◎。
▼作り方
①フライパンにゴマ油を熱し、みじん切りのニンニクを加えて香りを移し、5mm角にカットしたバラ肉を炒める。酒、砂糖、濃口醤油、豆板醤、五香粉、クミンを加え、しっとりするまで25分ほど煮込む。
②モヤシを胡麻油で炒める(薄く塩・コショウしても良い)。
③鶏スープにうどんツユの素を加えて温めておく。
④手延べそうめんを茹で始める。
⑤茹で上げたそうめんを器にとり、①、②、温泉卵、形が正方形になるように刻んだニラをのせて③を加える。揚げ玉や、青ネギの薬味を添えても良い。
→詳しいレシピはこちら
乾麺で持ちがよく、どの家庭にも常備されているそうめん。茹でて、冷やして、そのままツユにつけていただく人も多いと思うが、実はアイデア次第でさまざまな味わいに変身する、可能性を秘めた素材なのだ。
クセがないのでトッピングを選ばず、冷にも温にもでき、ソースに絡めることもできる。
この夏は人気シェフのレシピを参考に、いつもと違ったそうめん料理にチャレンジしてみては?
【記事提供元】
プロから学ぶ簡単家庭料理「シェフごはん」
1.「ピビン麺」レシピ
2.「茄子のそうめん」レシピ
3.「島原・手延べ素麺 台湾式・肉温麺」レシピ