韓国の薬膳料理として有名な「サムゲタン」。丸鶏に薬味ともち米を詰め込んだ料理で、韓国ではスタミナをつけたり、夏バテ防止の料理としても親しまれている。
夏場は冷房や冷たい食べ物の影響で、どうしても体の内側が冷えてしまいがち。体が冷えると免疫力の低下にもつながり、夏風邪の原因にも。さらには、血行不良によってむくみや肌のくすみをもたらすことも…。
体を温める働きをもつサムゲタンは、冷えを防いでこれらの対策をも期待できるうれしいメニュー!
そんなサムゲタン、実は家庭でも手軽に作れる方法がある。使うのは「炊飯器」だけ! スイッチひとつで驚くほど本格的な味わいに仕上げることができるのだ。
本場韓国ではナツメヤシや朝鮮人参などを使用するが、今回は家庭でも作りやすいよう、スーパーで手に入る食材のみを使用。想像以上に簡単なので、かまえず気軽に作ってみてほしい。
それではさっそく、レシピをご紹介!
▼材料(作りやすい分量)
・丸鶏(下処理済み) … 1羽分(1,000g程度)
・もち米 … 100ml
・ショウガ … 20g
・ニンニク … 2片
・甘栗 … 3個
・赤唐辛子 … 1本
・長ネギ(青い部分) … 10cm
・塩 … 小さじ1/2
・水 … 700ml
・長ネギ(白い部分) … 1/4本
・塩 … 適量
・黒コショウ … 適量
▼作り方(調理時間:15分)※もち米の浸水と炊く時間は除く
① もち米を洗ってひと晩水に浸したら水気を切る。ショウガは薄切りする。ニンニクは下の部分を切り落とし、皮をむいて大きければ縦半分に切る。長ネギの青い部分は炊飯器に入る長さに切り、白い部分は薄い小口切りにする。
② 丸鶏は腹の中をよく洗って水気をふき取ったらもち米、甘栗、半量のショウガ、ニンニクを詰め、尾の左右の皮を引っ張って中央に寄せ、皮に包丁で切り込みを入れて足を交差させるように通す。(血が残っていると臭みの原因となるため、よく洗うようにする。)
③ 炊飯器に②と赤唐辛子、長ネギの青い部分、塩、水、残りのショウガ、ニンニクを入れて炊く。(※5合炊きの炊飯器を使用。)
▲左:炊く前、右:炊いた後
④ 鍋に移し、塩、黒コショウ、長ネギの白い部分を添えたら完成。(このとき、中のもち米に火が通り切っていない場合は、火が通るまで煮る。)
炊飯器で炊いた丸鶏は、箸を通すだけで崩れてしまいそうなほどの柔らかさ。口の中でホロホロとほどけていくのがなんとも心地いい。
丸鶏の旨みがぎっしり詰まったスープは、ショウガやニンニク、長ネギの香りが加わってより深みのある味わいに。そんなスープを吸ったご飯は、言うまでもなく旨みたっぷり。噛むほどに広がる香りとコクを堪能できる。
そのままでも十分おいしいが、塩や黒胡椒、長ネギや醤油など、お好みの調味料を加えることで味の変化も楽しめる。炊飯器ひとつで簡単につくれるので、下準備からアレンジまで、楽しみながら作ってみてほしい。
<作者プロフィール>
五十嵐ゆかり(管理栄養士・料理研究家)
株式会社フードクリエイティブファクトリー。千葉県出身。減塩でもおいしく作れる料理のコツなど、日々の暮らしに取り入れやすい健康レシピを提案している。美容や健康にうれしい要素を取り入れたレシピを得意とする。企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、講演、イベント出演、料理教室など、多方面で活動中。魅力発信☆むつざわ未来ラボの一員として出身地の千葉県長生郡睦沢町のPRをするなど、地域活性化活動にも取り組んでいる。
著書に「食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖」や「発酵いらずのちぎりパン」、「塩レモンでつくる基本のおかず」など。
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