伝説のカレー店『たんどーる』が初台で復活！　あの名物カレーも健在

2016年07月28日

カテゴリ: レストラン・ショップ

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カレー
初台

Summary: 1．閉店から1年、伝説の店『たんどーる』が新天地で復活
2．当面は週3日営業！　金曜日のバータイムのみタンドール料理も
3．カレーはよりライトに！　復活を機にメニューも進化

“Mr.たんどーる”が帰ってきた。常連客の中には、この1年を5年にも10年にも感じた方さえいるだろう。

『新・印度料理たんどーる』として東京・沼袋の地で18年。これまで『アジャンタ』や『天竺屋』、『マハラジャ』など東京を代表する数々の名店で10年間修業を積んだ。そこで培ったインド料理に梅や昆布、ひじきなどの和素材を重ねる独特の手法で、舌の肥えたカレーファンを魅せてきた店主・塚本善重さん。彼の手にかかれば、日本とインドは6,000kmの距離を越え、ひと皿の中で交差するのだった。

病からの復活、ふたたびの閉店

塚本さんが病に倒れたのは2012年、インドへ旅立つ直前のこと。持ち前の精神力で復帰を果たすが、身体は以前のように動かない。やむなく暖簾を下ろしたのは2015年春だった。それから約1年。自分には料理しかない――。渇望は増すばかりだった。そして、ついに先の5月11日、新天地・初台で緊褌一番、『初台スパイス食堂和魂印才たんどーる』として新たな章を刻み始めた。著名人の直筆サインに埋め尽くされた桃色の壁を一新し、白一色に。「初めての土地だし、1年ぶりなので緊張もあります」。

名物の「梅カレー」も週替わりで登場

当面は水・木・金のみの営業で、週替わりカレー（付け合わせ、サラダつき）とアラカルトが数品登場する。往時よりメニューは減らしたものの、象徴的な存在であった「梅カレー」や「黒ゴマのカレー」などは健在だし、「今は山椒にハマっていて、色々試しているところ」と氏の並々ならぬ好奇心も健在。

その上で、カレーはよりライトな仕立てへ。病を境に自身の料理をより健やかなものへと昇華させた。

ある週は「カボチャと豆のカレー焼きミニトマトのせ」「鶏ひき肉とナンコツのキーマカレー」「夏野菜のトマトカレー」と趣向の異なる3種類のカレー。いずれも食材とスパイスの調和のとれたまとまりの中に、シソやミョウガなど和の薬味が柔らかに活きる。粗刻みされたナンコツのめくるめく食感体験に、梅干し（別途トッピング）を重ねるのもまたオツ。

これらに雑穀米とサラダ、「スパイスと飴色玉ねぎのマッシュポテト」「大根と人参と厚揚げのスパイス煮」「ゴーヤの甘酢漬け」がつく。クミンシードや油とともに炊き上げることで雑穀米ひと粒ひと粒は特有の妖艶な香りに包まれ、カレーとのなじみがぐっと高まる。

金曜のバータイムのみ登場！　偶然の出逢いが復活させた、タンドール料理

金曜のバータイムには、タンドール窯で焼き上げる懐かしのタンドリーチキンやナンが登場することも。体力面を考慮し、当初はタンドール窯を置くつもりはなかったという。しかし、運命とは来るべくして来るもの。開店準備中、偶然にも沼袋時代からの付き合いの内装担当者が中古窯を持っていることが判明、気付いたときには購入していた。「昼間はカレー、夜は窯を使って新しいことに挑戦する、実験の場にしたい」とニコリと笑う。

伝説を伝説たらしめるその道に欠かせない、復活の二文字。“完全復活”と謳うのはもう少し先のことかもしれないが、1年ぶりに目覚めた時計はこの瞬間もたしかな一針を刻む。今ふたたび、塚本さんに魅せられる準備は万全だ。

（取材・文／井上こん）

＜ランチメニュー＞
本日のカレー（付け合わせ、サラダ、雑穀米つき）2種盛り1,100円～／3種盛り1,500円～
チキンピクルス400円
海苔ピクルス150円
ハートランドビール小瓶450円
チャイ350円
※価格はすべて税込

＜Barたんどーる＞
金曜日　18:30～22:00ごろクローズ（21:00ごろラストオーダー）
※メニューは、おつまみとタンドール料理（焼き物、ナンなど）のみの予定。
お通しあり。カレーはランチであまった場合のみ提供。（ない場合もございます）
要ドリンク注文。